虫垂切除術は、抗生剤を打ち負かしたが、多くは抗生剤効いてる・・・
さて、どう判断するか?
Antibiotic Therapy vs Appendectomy for Treatment of Uncomplicated Acute Appendicitis
The APPAC Randomized Clinical Trial
Paulina Salminen, et. al.
意義 合併症無き急性虫垂炎患者治療について手術代替として抗生剤使用を支持する数的エビデンス増加の現状がある
目的 CT確認非合併症虫垂炎治療に対する虫垂切除術と抗生剤治療の比較
デザイン、セッティング、被験者 Appendicitis Acuta (APPAC) multicenter, open-label, noninferiority randomized clinical trial をフィンランド、2009年11月〜2012年6月まで施行。530名、18−60歳、CT確認非合併症急性虫垂炎。ランダムに割り付け:早期虫垂切除 vs 標準開腹虫垂切除
介入 抗生剤割り付け:エルタペネム 1g×3日間 → レボフロキサシン 500mg/日+ メトロニダゾール 500mg×3/日×7日間
手術割り付け:標準的開腹虫垂切除
主要アウトカム・測定 プライマリエンドポイントは、手術例で虫垂切除成功完遂。抗生剤治療でのプライマリエンドポイントは、手術必要性なし退院で、1年間フォローアップ虫垂炎再発無し
結果 手術群 273、 抗生剤群 253
手術群273名のうち、1例を除き成功エンドポイント、成功率 99.6% (95% CI, 98.0% to 100.0%).
抗生剤群において、虫垂炎所見から1年内に虫垂切除施行 70 名(27.3%; 95% CI, 22.0% to 33.2%) 抗生剤群フォロー成功 256名中、186名 (72.7%; 95% CI, 66.8% to 78.0%) 手術不要
ITT解析にて群間治療効果差 27.0% (95% CI, −31.6% to ∞) (P = .89).
事前設定非劣性マージン24%とすると、抗生剤治療の手術に対する非劣性確認できず
その後の虫垂切除術施行された抗生剤治療70名中 58 (82.9%; 95% CI, 72.0% to 90.8%) は合併症無しの虫垂炎で、合併症有りは 7 (10.0%; 95% CI, 4.1% to 19.5%) 、再発疑診で手術されたが虫垂炎でなかったのは 5例 (7.1%; 95% CI, 2.4% to 15.9%)
抗生剤治療ランダム化患者での虫垂切除遅れによる腹腔内膿瘍や他の重大合併症は認めず
結論・知見 CT確認、非合併症虫垂炎において、抗生剤治療は、虫垂切除手術比較の非劣性事前設定クライテリアに適合せず。抗生剤治療割り付けの非合併症虫垂炎患者の多くが1年間のフォローアップ時に虫垂切除必要としなかった、また、手術必要となっても、有意な合併症を生じなかった。
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