2015年7月27日月曜日

シフト労働乳がん発症促進動物モデル

シフト労働は、がん発症、特に乳がん発症リスク増加することが疫学的研究で明らかであったが、マウス実験で再現し、メカニズム示唆された。


"Chronically alternating light cycles increase breast cancer risk in mice"
Van Dycke KCG, et al
Current Biol 2015; 25: 1932-1937.


 breast cancer-prone p53R270H©/+ WAPCre conditional mutant mice (in a FVB genetic background) に、慢性 circadian rhythm disturbance (CRD)暴露実験し、週毎交代の明暗サイクル(明暗環境を24時間を超えて暴露 vs 12時間毎交代)を与えたところ、体重増加、乳がん発症増加を示した。

CRD暴露マウスは、睡眠時間多く、50%ほど増加し、多睡眠時間は体重増加要素となった。明暗転換と対照群とも、80%の乳腺腫瘍発症率だが、CRD暴露の方が腫瘍早期発生。
食事タイミングの問題という考察も・・・



以下の論文を見ると、食事のタイミングに関わる高インスリン状態が関与しているという考察も成竜野かもしれない


Insulin-FOXO3 Signaling Modulates Circadian Rhythms via Regulation of Clock Transcription



Clock (Circadian Locomotor Output Cycles Kaput)は、 basic helix-loop-helix-PAS transcription factor (CLOCK) をエンコードする遺伝子で、概日リズムを形成する上でクリティカルな経路に関わり、下流エレメントへの必須活性化因子である。

概日リズムは、光のような外的と代謝的要素といった内的要素により影響を受ける。
ほ乳類において、光線は網膜により刺激を受け、視交叉核(SCN)のマスターキーを通し、Clock GeneのTranscriptionを介し分子学的Oscillatorとしてインテグレートする。

光・代謝シグナルが存在しない相では、末梢Oscillatorとしてマスターキーが脱共役的に働く。すなわち、molecular clockへの代謝的共役シグナル化経路が急激に明らかになった。



xx



 insulin-phosphatidylinositol 3-kinase (PI3K)-Forkhead box class O3 (FOXO3) signaling という長ったらしい名のシグナルは、肝におけるClock調整を介する概日リズムに必要。FoxO3は、Clock promotorエリアに存在する、2つのDaf-binding elements (DBEs) へ結合し、FOXO3の転写ターゲットとしてClockを形成。FOXO3欠損マウス肝臓では、core clockとoutput geneのtranscriptional oscillationとも影響される。これは、肝臓の概日リズムの混乱を示唆する。インスリンは、FOXO活性の重要な調節因子で、PI3K-あるいはFOXO3ー依存的方法でClockレベルを調整する。



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