2015年8月5日水曜日

GLUCOLD 研究:COPD患者では、ステロイド吸入中止後1秒量低下再発

COPDへの吸入ステロイド(ICS)投与はどの段階で行われるべきなのか・・・さらに悩みが深くなる。


ICSでは感染リスク増悪など疑問がある一方、FEV1減少緩和効果も示されている。だが、その後中止するとFEV1減少効果消失する。




Relapse in FEV1 Decline After Steroid Withdrawal in COPD
Lisette I. Z. Kunz, et. al.; the GLUCOLD Study Group
Chest. 2015;148(2):389-396. doi:10.1378/chest.14-3091


背景: ICS治療30ヶ月でCOPDのFEV1減少緩和するという報告が筆者等からなされたが、ICS中止後再発あるかないかは不明であった。長期使用後でさえICS中断すると、FEV1減少、気道過敏性(AHR)、QOL悪化仮説の検証。


研究方法: GLUCOLD研究の一部として、フルチカゾン/サルメテロール(500/50 μg bid)、プラシーボ30ヶ月治療後、114名の中等症・重症COPDをフルチカゾン500μg bidを6ヶ月間あるいは30日間治療にランダム割り付け(GL1)
引き続く5年間で、年次前向きフォロー。GLUCOLDフォローアップ研究2として医師治療(GL2)。
気管支拡張剤後FEV1、AHR、QOLをベースライン、30ヶ月後(GL1)、年次調査(GL2)
Linear mixed-effects model解析

結果: GL1アドヒアランス101名患者、GL2完遂58名

GL1中ICS使用患者では、GL2期間中ICS使用0%−50%使用のみ(n = 56/79)で、GL-1に比べて、年次FEV1減少加速する; GL2-GL1差 [95% CI]: フルチカゾン/サルメテロール30-ヶ月間治療群  −68 mL/y [−112 to −25], P = .002;  フルチカゾン30ヶ月治療群 −73 mL/y [−119 to −26], P = .002)、AHRやQOL減少と関連。


結論: COPD患者30ヶ月間のICS治療中断後、5年間フォローアップすると、肺機能減少は悪化し、AHR、QOLも低下する。
このことは、ICS治療は、治療中断後持続的な疾患修正効果を有しないことを示唆。


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