EHJにおいては、血糖降下療法により心血管アウトカムエビデンスは不完全と記載
Impact of glucose-lowering drugs on cardiovascular disease in type 2 diabetes
Ele Ferrannini , et. al.
EHJ 2005 DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv239
2型糖尿病(T2DM)血糖コントロール改善により心血管合併症改善もしくは予防しうるということに関する確たるエビデンスは、未だ不十分。
となると、血糖異常と冠動脈疾患の関連性に疑念が生じる
ところが以下のメンデル・ランダム化解析では、心血管疾患へcausal roleとして、糖尿病の有無、血糖レベルが確認された。
Mendelian randomization analysis supports the causal role of dysglycaemia and diabetes in the risk of coronary artery disease
Stephanie Ross , et. al.
DOI: http://dx.doi.org/10.1093/eurheartj/ehv083 1454-1462 First published online: 30 March 2015
Meta-Analyses of Glucose and Insulin-Related Traits Consortium and Diabetes Genetics Replication and Meta-Analysis consortiaとやらから得られた、空腹時血糖、HbA1c、糖尿病に関わるコモンな遺伝子変異のeffect size推定子。
冠動脈疾患リスク関連SNPs対応effect sizeでCARDIOGRAMplusC4Dを評価。
HbA1cと糖尿病関連SNPsは、CADリスク増加と相関。
糖尿病遺伝子と関連する59遺伝子変異情報を用い、糖尿病によるCADリスクのcausal effectを推定し、オッズ比 (OR) 1.63 (95% 信頼区間 (CI): 1.23–2.07; P = 0.002)
一方、HbA1cに関わる9つの遺伝子変異では、CADリスク関連において、HbA1c1%増加毎 OR 1.53 増加 (95% CI: 1.14–2.05; P = 0.023)。
空腹血糖 mmol/L増加との関連する30の遺伝子変異においては有意でない (OR: 1.18, 95% CI: 0.97–1.42; P = 0.102)。
図2
空腹時血糖、糖化Hb、糖尿病に関するSNPsの冠動脈疾患への影響 Each black dot represents an SNP associated with a glycaemic trait (fasting glucose, glycated hemoglobin or diabetes) with a P < 5 × 10−8.
β細胞機能障害やインスリン抵抗性へ影響別遺伝子部位カテゴリー化した場合には、その違いは有意ない。
F
図3
糖尿病、糖化Hb、空腹時血糖による冠動脈疾患との相関genetic estimates;補正はLDL、HDL、総リポ蛋白、総コレステロール、TG、BMIの潜在性寄与多要素補正
結論:
メンデル・ランダム化解析にて、糖尿病と冠動脈疾患の病因的関連性は示された。そして、長期血糖降下降下はやはり冠動脈イベントを減少する
この2つの矛盾に真摯に答えてくれる専門家の意見が欲しい・・・ただ、金や地位や名誉でバイアスのある意見は要らない
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