2015年6月22日月曜日

軽症COPD:呼吸困難・運動耐用障害はガス交換異常に起因する スパイロメトリーだけでは説明できない呼吸困難

心肺運動負荷試験による換気量・二酸化炭素排出量スロープ:Carbon Dioxide output Slope :dotVE/dotVCO2   測定値が高値になるCOPD軽症例の報告がなされている。

軽症COPD患者での、ガス交換障害と、換気量・二酸化炭素排出量スロープの検証


スパイロメトリー上軽症COPDにおいて、Vd/Vtがガス交換障害と最も相関する指標で、運動中分時換気量を増加することで補償的に肺胞換気や動脈血ガス・ホメオスタシスを維持しようとするが、より早期に動的メカニカルな換気障害が生じ、呼吸困難を生じ、運動耐用障害を生じる。

COPDのStage分類がFEV1予測比だけでなされていることも問題だし、軽症COPDに対して、LAMA単独でいいのかってのも問題
Vd/Vt、 dotVe / dotVCO2ってあたりがその要素と運動負荷試験で判明


言い換えれば、負荷増加に伴いCO2過剰排出が始まる、
それは、ガス交換がうまくいかなくなる時点であり、それが早期に出現する事態が、軽症COPDの労作性呼吸困難の要素である。

軽症COPD:呼吸困難・運動耐用障害はガス交換異常に起因する スパイロメトリーだけでは説明できない呼吸困難の要素と考えられる


Pulmonary Gas Exchange Abnormalities in Mild Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Implications for Dyspnea and Exercise Intolerance
Amany F. Elbehairy et. al.; on behalf of the Canadian Respiratory Research Network
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine; Volume 191, Issue 12  P


22名の被験者、GOLD Grade 1B COPD vs 健康被験者対照

拡張剤後FEV1予測比 平均 94 ± SD 10%)
ピーク酸素摂取量  80 ± 18 vs. 対照群 113 ± 24% predicted; (P <  0.05)

運動負荷中、動脈血ガスは正常範囲内で、有効肺胞換気量も正常対照と有意差無し

COPD患者では、A-aDO2圧格差は安静時、運動中COPDでやや増加 (P <  0.05)

dot V/ dot CO2、 Vd/Vt、動脈血 - end-tidalCO2格差はCOPD群で運動中増加 (P <  0.05)
COPD患者では、対照に比較して、動的過膨脹及び一回換気量制限増加 (P <  0.05)

標準化呼吸困難強度レーティングは、COPD患者で高く(P <  0.05)、換気要求増大と相関。

対象者全体で、Submaximal運動間において、Vd/Vtは、 V.e/V.co2 比と相関する









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