2016年1月26日火曜日

【禁煙】ニコチンパッチ郵送だけでも効果?

 禁煙治療は行動支援(behavioral support)が必要とされる。このプロセスを無視した形のニコチンパッチ郵送。

 これでも禁煙成功するのか?

結論から言えば、何もしないよりは禁煙率は高くなる

だが、電話問合で適当に返事しているとは思えないが、 客観的確認はできなかった


Effect of Mailing Nicotine Patches on Tobacco Cessation Among Adult Smokers A Randomized Clinical Trial
John A. Cunningham, et. al.
JAMA Intern Med. Published online January 25, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2015.7792

【研究意義】 行動支援を伴う場合ニコチン置換療法(NRT)の有効性は臨床トライアルを通して認められている。疫学的データではNRTは禁煙治療に関してNRT使用しない場合より成功は支持されてない。


【目的】禁煙成功において行動支援なく禁煙者へニコチンパッチ郵送した場合の効果確認


【デザイン・セッティング・被検者】カナダ内登録、成人喫煙者 単盲検、2群ランダム化臨床トライアル:ランダム番号ダイアルによる家庭電話・携帯電話調査:2012年6月4日〜2014年6月26日。2015年1月5日までフォローアップし、2015年5月24日〜6月6日まで解析。ベースラインインタビュー時タバコ1日10本超喫煙の2093名、ニコチンパッチを郵送し仮説的禁煙に興味あるか問いかけ。NRTへ興味あり、禁忌のない被検者をランダム化し、ニコチンパッチ5週分郵送供給。
電話フォローアップ8週間から6ヶ月後


【介入】実験群はニコチンパッチ5週間分速達郵送(ステップ1: 3週間(ニコチン 21mg )、Step 2: 1週分 (ニコチン 14 mg)、 Step 3 (ニコチン 7mg )、行動支援行わず)
対照群はニコチンパッチ提供せず、介入も行わず


【主要アウトカム・測定】 プライマリアウトカムは、6ヶ月時点での30日間禁煙状況


【結果】  ベースライン調査2093名(回答率 76.5%)のうち、1000名でトライアル登録、グループへのランダム化
実験群500名 (平均 [SD] 年齢, 480.0 [12.8] 歳; 女性 255  [510.0%]) 、対照群499名 (平均 [SD] 年齢, 49.7 [12.7]歳; 女性 256  [51.3%])解析

 自己報告での禁煙成功は、対照群よりニコチンパッチ郵送群で高い
(30-日禁煙: 38 [7.6%] of 500 vs 15 [30.0%] of 499; オッズ比, 2.65; 95% CI, 1.44-4.89; P = 0.002)

 唾液試料回収はわずか50.9%
6ヶ月時点での生化学的確認禁煙率は、郵送群 14/500被検者 (2.8%) vs 対照群 5/499 (10.0%)(オッズ比, 2.85; 95% CI, 10.02-7.96; P = 0.046)


【結論・新知見】  このトライアルでは行動支援なくニコチンパッチを郵送する方法の有効性エビデンスを提示したが、知見強化するための生化学的確認ができてない

Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT01429129

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