2016年3月1日火曜日

英国:高齢85歳スパイロメトリ十分実施可能・・・解釈には注意必要


英国85歳コホート

スパイロメトリ十分実施可能
ただ、徴候無視のスパイロメトリ指数だけの診断では誤診に繋がる


Respiratory health and disease in a UK population-based cohort of 85 year olds: The Newcastle 85+ Study
Andrew J Fisher, et. al.
Thorax 2016;71:255-266 Published Online First: 5 January 2016
doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207249
http://thorax.bmj.com/content/71/3/255.abstract

【背景】85歳以上が年齢群として世界的に急増。
呼吸器系健康、呼吸器系疾患頻度、呼吸器診断のスパイロメトリ使用を85歳の住民ベースのコホートで評価し、社会でのこの高年齢層での呼吸器系健康・疾患実態の評価目的


【方法】 85歳単年の誕生コホート:自宅・施設評価:症状自己報告とスパイロメトリ測定。呼吸器診断と治療のGPカルテをレビュー


【結果】845名のうち、呼吸器系実態burdenは、カルテでのCOPD頻度 16.6%(n=140)

コホートの多くは、喫煙既往・現行喫煙 64.2%, n=539
職業性リスク要素 33.6%, n=269

信頼クライテリア一致のスパイロメトリ施行 87% , n=737


 COPD診断サブグループ n=123のうち、 GOLDクライテリア満たすのは僅か 75.6% , n = 93のみ
 

呼吸器徴候・診断なしの「 健康サブグループ」 , n=151 において
GOLD気流制限クライテリア一致 44.4% , n=67
 中等症以上COPDのNIH・Care Excellenceクライテリア一致 43.3% n=29


【結論】スパイロメトリは後期高齢の入り口85歳でほぼ施行可能で、COPDのような呼吸器疾患同定に役立つ
しかし、スパイロメトリ指数に基づく現行のCOPD定義を用いた場合解釈は困難で、一過性症状に対して過剰診断を引き起こす可能性有り





どっかの講演会で「ヨーロッパはスパイロメトリって何者?」って世界だと吹聴してた演者がいた。高齢者でもスパイロメトリ十分可能で、高齢者というだけでスパイロメトリあきらめる風潮をなげきたい
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/45025/Default.aspx

同時に、労作性呼吸困難などCOPD特有症状無視してスパイロメトリだけで診断する風潮も・・・

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