2016年4月18日月曜日

糖尿病50歳:平均余命3年余り、活動的平均余命8−9年余り


オーストラリアの研究によると、糖尿病診断は診断されない場合に比べ平均余命低く、驚くべきではないのだろうが、機能障害を伴う長期年数・長期期間を過ごすことと

http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/57378




Burden of diabetes in Australia: life expectancy and disability-free life expectancy in adults with diabetes
Lili Huo , et. al.
Diabetologia pp 1-9
First online: 14 April 2016
http://link.springer.com/article/10.1007/s00125-016-3948-x

研究目的/仮説 平均余命(life expectancy : LE)と活動的平均余命 (disability-free life expectancy : DFLE)を成人を糖尿病有無わけて推定

方法: Chiang method と adapted Sullivan method を、年齢、性別による LE 及び DFLE 推定に利用。2011年の死亡率データをNational Diabetes Services Scheme からのデータベースから、一般住民のデータは、standard national mortality datasetから入手。 2012 Australian Survey of Disability, Ageing and Carers (SDAC)から機能障害の頻度、profound core activity limitationの頻度データを入手
機能障害定義は、International Classification of Functioning, Disability and Healthのフォロー。糖尿病有病率は Australian Diabetes, Obesity and Lifestyle study由来

結果: 推定LE、DFLE( 95% uncertainty interval [UI])1は

男性糖尿病 30.2 (30.0, 30.4) 年間、 12.7 (11.5, 13.7)年間
女性糖尿病 33.9 (33.6, 34.1)  年間、 13.1 (12.3, 13.9)年間

50歳糖尿病でのLE推定損失は、糖尿病無しと比べ、男性 3.2 (3.0, 3.4) 年間、女性 3.1 (2.9, 3.4)年間
呼応するDFLE推定損失は、男性  8.2 (6.7, 9.7) 、 女性 9.1 (7.9, 10.4)年間
糖尿病有無比較で、女性の場合の機能障害期間の年数絶対値増加、比率増加は、男性に比べかなり大きい
糖尿病診断を仮説的に除いた場合、50歳全人口でのLE、DFLEのゲインは、それぞれ0.6 (0.5, 0.6) 年間、1.8 (1.0, 2.8) 年間


結論/解釈
成人において、糖尿病は、平均余命と活動的平均余命を一定程度減少させる。
機能障害の特異的原因を同定し、効果的介入が必要




糖尿病診断後治療効果は?


そして、「メタボリックメモリー(metabolic memory) 」または「遺産効果(legacy effect)」といった、早期の高血糖曝露によって糖尿病合併症増加に関与するエピジェネティック現象で説明可能か?


糖尿病というより、高血糖暴露を回避する、住民ベースの対策
糖尿病患者にとってエピジェネシス修飾可逆性介入の解明・対応が今後の鍵?

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