2016年6月5日日曜日

免疫不全・重症呼吸不全・・・非侵襲人工換気は有害?




Effect of non-invasive oxygenation strategies in immunocompromised patients with severe acute respiratory failure: a post-hoc analysis of a randomised trial
Jean-Pierre Frat,  et. al.
Lancet Respir Med 2016 Published Online May 27, 2016
http://dx.doi.org/10.1016/ S2213-2600(16)30093-5

【背景】 非侵襲人工換気使用は、急性呼吸不全を有する免疫不全に関して、議論あり。high-flow nasal cannula oxygen therapy使用は、標準酸素療法の代替として伸展している。標準酸素療法治療急性呼吸不全免疫不全患者のアウトカムを、high-flow nasal cannula oxygen 単独と、high flow nasal cannula oxygen+非侵襲人工換気で比較

【方法】 非高炭酸ガス血症・急性呼吸不全の免疫不全患者のサブセットのpost-hoc subgroup解析;多施設・ランダム化対照化トライアル
23のICU(フランス、ベルギー)患者をランダム化割り付け(1:1:1):標準酸素療法 vs 高流量経鼻酸素療法単独 vs 非侵襲型人工換気セッションの間隙に高流量経鼻酸素療法カニューラ(非侵襲人工換気)
高度好中球減少症患者、acute on chronic呼吸不全、心原性肺水腫、ショック、意識障害は除外
プライマリアウトカムはランダム化後28日内気管内挿管を有する患者比率

【結果】 82名の免疫不全患者のうち、標準酸素療法開始 30、経鼻カニューラ単独 26、非侵襲型人工換気+治療間隙高流量経鼻カニューラ 26
28日目挿管必要性
高流量経鼻カニューラ単独  8 (31%) / 26
標準酸素治療 13 (43%) / 30
非侵襲人工換気 17 (65%) / 26
(p=0.04)

挿管必要オッズ比(ORs)は、高流量経鼻カニューラ治療より、非侵襲人工換気患者で高率 : OR 4.25 (95% CI 1.33–13.56)
ORは、高流量鼻カニューラ単独と標準酸素療法とに有意差認めず : OR 1.72 (0.57–5.18).
多変量ロジスティック回帰後、気管内挿管、死亡率と独立した2つの要素は年齢と、第一選択としての非侵襲性人工換気使用であった。




【結論】 非侵襲人工換気は、挿管リスクと死亡リスク増加と関連し、急性低酸素血症呼吸不全・免疫不全患者においてはその使用慎重であるべき。


Funding French Ministry of Health, the French societies of intensive care (Socié té de Ré animation de Langue Franç aise, SRLF) and pneumology (Socié té de Pneumologie de Langue Franç aise, SPLF), La Mutuelle de Poitiers,AADAIRC (Association pour l’Assist

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