2016年11月6日日曜日

喫煙関連がんの遺伝子変異スペクトラム

日経新聞から




受動喫煙の場所に、「公共交通機関・行政機関・学校・医療機関」がランクインするなんてあんまりだと思う。寿司屋でも喫煙許しているところがあるがあれは言語道断。




この記事気になってたので、原文を探ってみた

<たばこ>喫煙で遺伝子変異増加…長く多く吸う人ほど蓄積
毎日新聞 11/4(金) 3:00配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161104-00000003-mai-soci



チームは、17種類のがん患者5243人を対象に、たばこを吸う人と吸わない人で遺伝子に違いがあるかを解析。その結果、肺、喉頭、口腔(こうくう)、膀胱(ぼうこう)、肝臓、腎臓のがんは、喫煙者の方が遺伝子の突然変異が多かった。最も多い肺がんでは、毎日1箱(20本)を1年間吸うと150個の突然変異が蓄積すると推計された。
新聞でも紹介されているが・・・





序文の一部
喫煙は少なくとも17種以上のがんと関連。年間600万人を超える生命危機関係している。タバコの煙は化学物質の集合体であり、発がん性物質を60超含む、DNAにダメージを与え、misreplicate(複製異常)を生じるなら体細胞遺伝子異常のburden増加し、がん遺伝子のdriver mutationを獲得する確率増加する。喫煙に直接晒される、肺などの組織は、DNA付加物量増加し、タバコの煙の発がん性成分に暴露される。体細胞における遺伝子変異を生じるどの生物学的プロセスにもmutational signatureが関与し、多くのがんはTP53遺伝子の体細胞での変異が見られ、非喫煙者肺がんより喫煙者肺がんではC>A transversionが多いなど。
systematic cancer genome sequencingによりmutation catalog数千があり、6つのsubstitution typeを含む96-mutation classificationを用いたmutation signatureを検討

塩基の substitution、small insertions and deletions (indels)、genomic rearrangement数を検討し、全てのがんで、喫煙者においてbase substitutionが多く、個別がん種、肺、喉頭、口腔、膀胱、肝臓、子宮頸部、腎臓、すい臓がんで体細胞遺伝子変異を喫煙 vs 非喫煙でmutational consequeneが検討


Mutational signatures associated with tobacco smoking in human cancer
Ludmil B. Alexandrov et. al.
Science  04 Nov 2016: Vol. 354, Issue 6312, pp. 618-622
DOI: 10.1126/science.aag0299


Alexandrov らは、 変異スペクトラム(mutational spectrum, mutational signature)解析とDNAのメチル化を、喫煙者からの17種類のがんに置いて、5千超のゲノム検索

多数の違う変異スペクトラムによる変異burden増加、それが、様々ながんに広く関与する
このスペクトラムの一つが、タバコの発ガン因子によるDNA損傷のmisreplicationで、喫煙によりダイレクトに暴露された組織に見出された。
また、他に、APOBEC cytidine deaminaseによるDNA editingの間接的活性化やendogenous clocklike mutational processの活性化を反映する


メチル化に関しては、喫煙は限定的差の関与のみ

喫煙によるがんリスク増加は、somatic mutation load増加によるものだが、一方、喫煙関連のがんにおいてこのメカニズムの直接のエビデンスは不足しているものも存在する









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