2017年4月21日金曜日

喘息患者でも吸入ステロイド肺炎リスク増加

喘息治療において持続性の場合吸入ステロイドが第一選択薬剤。COPDにおいてはTORCHトライアルや観察研究において肺炎の超過リスクが明らかになっている。喘息患者ではどうなのか?

喘息でも吸入ステロイド(ICS)による肺炎超過リスク増加あり・・・という報告


Pneumonia Risk in Asthma Patients using Inhaled Corticosteroids: A Quasi-Cohort Study
Christina J. Qian et al,
British Journal of Clinical Pharmacology (2017).
DOI: 10.1111/bcp.13295


吸入ステロイドによる超過肺炎リスクはCOPDでは既知。喘息ではまだ不明。12−35歳までの喘息におけるICS超過肺炎リスク検討


コホート(ケベック、健康保険データベース 1990−2007年)

肺炎指標イベント先行60日内ICS使用をマッチ化person-momentで比較

コホート 15万2412名、フォローアップ中肺炎


ICS現行使用での肺炎リスク増加 (RR 1.83; 95% CI 1.57-2.14) 、超過リスクとして 2.03 症例/ 1000 人年 (RD 1.44; 95% CI 1.03 to 1.85)

超過リスク:ICS未使用比較

  • 低用量 RR 1.60; 95% CI 1.06 - 2.45
  • 中等量 RR 1.53; 95% CI 1.12 - 2.08
  • 高用量 RR 1.96; 95% CI 1.64 - 2.34

  • budesonide (RR 2.67; 95% CI 2.05-3.49) 
  • fluticasone (RR 1.93; 95% CI 1.58-2.36)






潜在的protopathic bias(初発症状バイアス:疾患の初期症状のために要因に暴露され、そのために要因と疾患との関係が誤って検出される)考慮すると、ICS現使用リスクは減衰 RR 1.48; 95% CI 1.22 to 1.78



解釈として、喘息患者人年あたりの桁は 千名あたり・・・絶対リスクを考慮する必要がある




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