2017年6月1日木曜日

「オピオイド依存は稀」は1980年の短いレターセンテンスが大元?

米国内では、1999年から2015年の間にオピオイド処方による死亡例18万3千あったとされ、数百万人のオピオイド依存が存在するとされる。

この危機的状況は、1980年のレター報告a(Addiction Rare in Patients Treated with Narcotics; N Engl J Med 1980; 302:123January 10, 1980 )の影響が大きく、
それまで慎重であった医師たちは、依存病歴の無い場合稀と考え、長期オピオイドでその使用が広がった。

このレターの引用文献は

Comprehensive Drug Surveillance
Hershel Jick, MD; Olli S. Miettinen, MD, PhD; Samuel Shapiro, MD; et al
August 31, 1970
doi:10.1001/jama.1970.03170350023005
など、病院サーベイランス結果であるが、引用はかなり増加




オキシコンチン1995年導入後引用吸うさらに増加し、「オピオイド治療患者では依存症は稀」という引用が広がった。
最近は断定的引用は這ったようだが、たかが6つのセンテンスのレターが大元。引用を確認せずその有害性に関する不正確引用が広がったのはゆゆしき話である。


A 1980 Letter on the Risk of Opioid Addiction
N Engl J Med 2017; 376:2194-2195June 1, 2017
DOI:  10.1056/NEJMc1700150
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1700150

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