GOLDガイドラインでは、急性増悪2回以上もしくは入院1回以上での評価となっている。
急性増悪回数減少が大きな治療目標となっているが、稀なる「繰り返す急性増悪」軽減を主要治療目標としてよいのか?
疑問を呈した報告
Frequency of exacerbations in patients with chronic obstructive pulmonary disease: an analysis of the SPIROMICS cohort
Dr MeiLan K Han, et al., SPIROMICS investigators
www.thelancet.com/respiratory Published online June 28, 2017 http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(17)30207-2
【背景】COPD患者の急性増悪リスク階層化治療戦略は現在、事前1年間の2回以上の急性増悪履歴によりなされている。急性増悪のyear to year variabilityと経過中の急性増悪継続に関する要素の理解のため検討研究
【研究方法】Subpopulations and Intermediate Outcome Measures in COPD Study (SPIROMICS) cohort急性増悪長軸的前向き解析
前向きデータ3年間入手可能のCOPD40−80歳患者解析
学術・非学術医療センター、口述、既存の患者レジストリを含む種々変数を同定
被検者は2010年11月12日から2015年7月31日
年次急性増悪回数で分類:急性増悪経験無し、3年フォローアップ期間中毎年1回の急性増悪、一致性無し(3年間フォローアップ中に急性増悪ありの年と無い年を併せ持つ被検者)
気管支拡張剤後FEV1 に基づくCOPDガイドライン GOLDのスパイロメトリ・カテゴリ 1−4により特徴づけ
ステップワイズ・ロジスティクス回帰にて、3年間毎年COPD急性増悪1回以上と、同年数間における急性増悪無しと比較関連する要素比較
加えて、利用可能データ内で、ステップワイズzero-inflated 負の 2 項回帰モデルで、フォローアップ中の急性増悪回数予測評価
ベースライン症状burdenをCOPD assessment testで評価
ClinicalTrials.gov, number NCT01969344.
【結果】研究中2981名登録、COPD 1843、3年間完全な前向きフォローアップデータ 1105名
フォローアップ中1回以上の急性増悪:538/1105(49%)
急性増悪無し 567 (51%)
毎年各年1回以上急性増悪 82/1105 (7%)
毎年各年2回以上急性増悪 23 (2%)
急性増悪一致性なしパターン(3年間フォローアップ中に急性増悪ありの年と無い年を併せ持つ被検者)が多い 456(41%)、特に、GOLD stage 3-4で多く 256/456 (56%)
ロジスティクス回帰にて、一致性急性増悪パターン(3年間フォローアップ中毎年1回以上の急性増悪)は、急性増悪なしの症例に比べ、ベースラインの症状burden高度、急性増悪歴、CT上末梢気道異常所見高度、IL15濃度低値、IL-8濃度高値。
【結論】急性増悪そのものは多いが、多くの症例での急性増悪頻度は年毎の変動顕著
3年間の急性増悪経験症例において、年に2−3回以上の急性増悪を毎年繰り返す症例自体は非常に少ない
症状を有し、研究登録前の年に急性増悪既往ある症例においては、CT検出小気道病変、IL-15、IL-8濃度の変化など新しい所見が見いだされた
Funding National Institutes of Health, and National Heart, Lung, and Blood Institute.
0 件のコメント:
コメントを投稿