CDCのインフルエンザ症状疑診例は
・体温 摂氏 37.8度以上
・咳嗽 and / or 咽頭痛
Grohskopf, L.A., et al., Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines. MMWR
Recomm Rep, 2016. 65(5): p. 1-54.
65歳以上では合併症の影響や免疫老化(senescence)などより体温上昇しにくい。
また、認知障害の存在もあり、自覚症状認知しがたいこともある。
故に、疑診クライテイリアを拡大することも自主的に行われている。
そのような背景下の報告
Underdiagnosis of influenza virus infection in hospitalized older adults
Authors: Lauren Hartman, et al.
Journal: Journal of the American Geriatrics Society
10.1111/jgs.15298
https://www.terkko.helsinki.fi/article/17997612_underdiagnosis-of-influenza-virus-infection-in-hospitalized-older-adults
要約
目的:入院成人おけるprovider指示インフルエンザ検査と関連する要素記述
デザイン: 患者住民統計指標、症状、provider-指示インフルエンザ検査をアンケート、チャートレビューで収集。前向き検査室ベースサーベイランス(RT-PCR使用、インフルエンザ診断のgold-standard)、患者特性とprovider-指示検査が正確なインフルエンザ診断に与える影響を検証
セッティング: 1つの学術的病院、3つの地域病院 Davidson County, Tennessee, USA)
被検者:18歳以上の1422名の成人(急性呼吸器症状、非-localizing fever)
測定:provider-指示インフルエンザ検査有無での患者特性比較( Wilcoxon test と Pearson’s chi-square test)。多変量ロジスティクス回帰モデルでprovider-指示予測に関する要素を同定
結果:全体としてprovider指示インフルエンザ検査 28% (399/1422)。検査群は若年が多い (58 ± 18 歳 vs. 66 ± 15 歳, p < 0.001)、インフルエンザ様症状を有する場合が多い (ILI, 71% vs. 49%, p < 0.001)。ILIは、若年ほど増加 : 48% ≥ 65 歳; 60% 50-64 歳; 63% 18-49 歳.
患者全部のうち、ILIの存在と若年はprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子である。RT-PCR確認インフルエンザ136名中、ILIのみがprovider-指示インフルエンザ検査の独立した予測因子 (AOR 3.43, 95% CI 1.22-9.70)
結論: インフルエンザシーズン中の発熱もしくは呼吸器症状を有する65歳以上では若年成人よりはprovider-指示インフルエンザ検査はなされにくい。全部ではないが、一部、ILI出現尤度低いが故のdisparityが考えられる。さらなる戦略として、この脆弱な群の存在への検査と臨床医の啓発する必要性あり
Key words: influenza, elderly, older adults
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