2018年1月30日火曜日

COPD高炭酸ガス血症へのNasal High Flow

目新しい知見はなさそうだが、実証的検討か?


Effectiveness of nasal highflow in hypercapnic COPD patients is flow and leakage dependent
Jens Bräunlich et al.
BMC Pulmonary MedicineBMC series – open, inclusive and trusted201818:14
https://doi.org/10.1186/s12890-018-0576-x
https://bmcpulmmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12890-018-0576-x

【背景】Nasal Highflow (NHF) により加湿・加温気流を鼻カニューラで供給する。現行データでは低酸素血症呼吸不全患者にNHFの有効はエビデンス提示されている。予備的データでは、NHFは高炭酸ガス血症性呼吸不全の高炭酸ガス血症減少も示唆。
この研究はNHFを介したCOPD患者でのPCO2減少のメカニズムを評価する目的

【方法】36名のCOPD患者(PCO2 > 45 mmHG)、高炭酸ガス血症をA〜Dの4条件下(flow rateと leakage程度: A = 20 L/min, low leakage, two prongs, both inside; B = 40 L/min, low leakage, two prongs, both inside; C = 40 L/min, high leakage, two prongs, one outside and open; D = 40 L/min, high leakage, two prongs, one outside and closed)でのNHF呼吸後1時間毛細血管ガスサンプルで評価
10名の患者では、一定条件下で、平均気道内圧を下咽頭で測定

【結果】高炭酸ガス血症は全患者で減少
PCO2  > 55 mmHg (n=26)患者において、低leakage/flow rate条件に比べ、高leakage and/or flow rateでは有意に付加的にPCO2低下  (A = 94.2 ± 8.2%; B = 93.5 ± 4.4%; C = 90.5 ± 7.2%; D = 86.8 ± 3.8%)
平均気道内圧最大なのはcondition B  (2.3 ± 1.6 mbar; p < 0.05)

【結論】この研究で、COPD高炭酸ガス安定期患者でのNHF療法の有効性が示された。
この効果は、平均気道内圧増加により補正されず、leakageやairflow増加により補正される。このことは、気道のwash out、機能的死腔減少が重要なメカニズムとなっていること示唆。
結果、高炭酸ガス血症COPD患者の治療にNHF治療を考慮するなら有益な方法となることを示唆



stable:安定と記載している如く、COPD急性増悪期へのNPPV完全代用は不可
さらに、FiO2近く設定するとなると、酸素流量多く、長期使用となった場合、コストの問題が制限因子となる。

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