2018年2月27日火曜日

米国内の急性上気道感染へのステロイド使用

この時期になると、花粉症へのステロイド・デポ製剤注射が問題になる


急性上気道炎へのステロイド処方というのは、さすがに私の周りでは聞かないが、咽頭炎への有効性報告は知っているので・・・処方する場合もあるのかもしれない程度であった。米国内の医療事象もあるのだろうが、実態報告がなされていた。

一方、COPD急性増悪など正当な使用もあるので、その辺誤解広まらないでほしいとも思う。


急性上気道感染へのステロイド使用は推奨されていない。咽頭炎へのステロイドによる症状早期軽減効果報告はあるが、臨床的トライアルでの副鼻腔炎、気管支炎への有効性証明はない。副作用30日内に出現し、安全性への懸念増大。


High Frequency of Systemic Corticosteroid Use for Acute Respiratory Tract Illnesses in Ambulatory Settings
Evan L. Dvorin, et al.
JAMA Intern Med. Published online February 26, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0103



National Ambulatory Medi- cal Care Survey (NAMCS)  2012 から 2013年

急性期同感染に対し成人外来患者の約11%にステロイド処方

地域差が激しく13.6%(南部)から8.3%中西部まで分布

多変量解析にて、COPDや喘息病歴患者が多く(オッズ比 OR, 2.62; 95% CI 2.24 - 3.06)
受診時気管支炎診断 OR, 1.73; 95% CI, 1.22 - 2.46、NP介在 OR , 1.65 95% CI< 0.79 - 3.42、physician assistant (PA) OR, 1.74; 95% CI, 0.98-3.06)

 プライマリ医介在の急性気道感染の23%でステロイド注射がなされ、注射機会の有意増加は、COPD (OR, 1.47; 95% CI, 1.31-1.64)、副鼻腔炎・耳炎(OR, 2.10; 95% CI, 1.89-2.33)、アレルギー性鼻炎 (OR, 1.42; 95% CI, 1.30-1.56)、上気道感染(OR, 1.17; 95% CI, 1.05-1.30)、気管支炎(OR, 1.82; 95% CI, 1.67-1.99)、NP介在(OR, 1.82; 95% CI, 1.67-1.99)

白人以外で少ない (eg, アフリカ系黒人 [OR, 0.88; 95% CI, 0.83-0.93])
メディケイド・メディケアで少ない[各々、OR, 0.80; 95% CI, 0.68-0.95、 0.75; 95% CI, 0.69- 0.81])
糖尿病病歴 (OR, 0.73; 95% CI, 0.67-0.79) and/or 骨粗鬆症 (OR, 0.88; 95% CI, 0.79- 0.98)で少ない
PA介在で少ないA (OR, 0.78; 95% CI, 0.71-0.86)
受診時肺炎診断で少ない (OR, 0.55; 95% CI, 0.46- 0.64)

結論:例え短期でも、ステロイドの全身への副作用はよく知られている。急性上気道感染へのステロイド使用の米国内地域的・国内的検討課題で、コストと潜在性リスクの問題がある。
ルイジアナや国内で頻度多いことが判明




COPD急性増悪においては、適応考慮の上、速やかに投与しなければならないと思うのだが・・・ SABA投与にてコントロール困難な場合は・・・

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