2018年3月2日金曜日

DiRECT: 2型糖尿病寛解到達はプラクティカル医療上の目標:強化減量にて半数到達

糖尿病関連薬剤のプロモーターと化している日本の糖尿病医療指導者たちに、この報告はどのように解釈されるのだろうか?


「生活指導は大事で、特に、食事療法、運動療法が・・・」と言いながら、中途半端な指導を口先だけで行い、実際は、薬に頼りっぱなし
「DPP4阻害剤がぁ・・・、SGLT2阻害剤がぁ・・・ ばかり ほざく」というのが日本の糖尿病診療の実態ではなかろうか?

糖尿病関連の講演会に行くとそればっかりなので、足が遠のく・・・

糖尿病において、twin cycle hypothesis 、肝内・膵臓内の過剰な脂肪がとくに問題
“600-700 kcal/dayの負のエネルギーにて、7日で、肝内インスリン抵抗性及び脂肪含量正常化し、膵内脂肪は8週後に正常化する”となると、中途半端な食事指導ではこれに到達しない

やるなら、この報告の如く、徹底しなければならない



Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial
Michael EJ Lean,  et al.
The Lancet , Volume 391, No. 10120, p541–551, 10 February 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(17)33102-1 |

【背景】
2型糖尿病は障害治療を必要とする慢性疾患。強化体重管理(ルーチンプライマリケア無し)で2型糖尿病寛解到達できるかの検討

【研究方法】
オープンラベル・クラスターランダム化トライアル(DiRECT): スコットランドとイギリス・タインサイド地方の49プライマリケア
コンピュータ作成リスト経由ランダム割り付け (1:1)
weight management programme (intervention)
or
best-practice care by guidelines (control)
層別化(研究地域毎 タインサイド or スコットランド、 リストサイズ 5700未満 or 以上)
被検者、治療者、アフトカムデータ収集研究補助者はグループ割り付け認識あり ; しかし、割り付けは研究層別化から目隠しされている
20−65歳、6年以内の2型糖尿病診断、BMI 27-45 、インスリン非投与群
介入は、糖尿病薬中止、降圧剤中止、総ダイエット変更( 825-853 kcal/day の formula diet  3-5ヶ月)、食事再導入は 2-8週間でステップを踏む、長期減量メンテナンスへの構造的サポートとする。
Co-primary outcomeは、15kg以上の減量、糖尿病寛解(定義: 糖尿病薬剤全中止 2ヶ月後HbA1c < 6.5)、ベースラインから12ヶ月後まで


【結果】2014年6月25日〜2017年8月5日、 306名登録、介入GP n=23 vs 対照 GP n=26
群毎149名をITT対象

12ヶ月時点で、介入群 15kg以上の減量 36名(24%) 対照群 0名 p < 0.0001

糖尿病寛解は、介入群 68名 (46%) vs 対照群 6(4%) (オッズ比 19.7 95%CI 7.8 - 49.8 ; p < 0.0001)


全研究対象者においては寛解は体重でばらつ
体重増加群:0/76
減量 0-5 kg 維持群:6(7%) / 89
減量 5-10kg 群 19 (34%) / 56
減量 10-15kg 群 16 (57%) / 28
減量 15kg以上群 31 (86%) /36

介入群 減量平均 10.0kg (SD 8.0) vs 対照群 1.0 (3.7) kg  (補正差 −8.8 kg, 95% CI −10.3 to −7.3; p < 0.0001 )
EuroQol 5 Dimensions visual analogue scale測定 QOLでは 介入群 7.2ポイント (SD 21.3) 改善、対照群では 2.9ポイント(SD 15.5)減少(補正差 6.4ポイント , 95% CI, 2.5 - 10.3 ;  p=0.0012 )




重大副事象 介入群 7/157 (4%) vs 対照群 2 (1%) ;胆道系疝痛、腹痛2回、同じ被検者、介入に関連するものと見なされた

中断するような重篤副事象認めず


【結論】12ヶ月時点で、ほぼ半数が非糖尿病・糖尿病薬剤無しへ寛解
2型糖尿病寛解はピライマリケアにおいて2型糖尿病寛解は実践上の目標である



DiRectトライアルにて超過体脂肪が2型糖尿病に果たす役割の重大性が示唆された

DiRECT: 2型糖尿病寛解到達はプラクティカル医療上の目標:強化減量にて半数到達
https://kaigyoi.blogspot.com/2018/03/direct-2.html

食事介入のみで、治療薬中止可能とする"寛解率”46%の意義は?

肝臓内脂肪(体重比率)16% →3% 激減!<推定>

膵臓内脂肪 小規模の変化のみ
だが、機能的にはβ細胞覚醒<初期インスリン反応回復、rapid surge回復>





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