2018年4月12日木曜日

UK Biobank study:心血管疾患高リスク遺伝子群でも心肺フィットネス、握力とイベント発生リスク低下と相関

テレビなど劣化メディアや井戸端会議で、○○“遺伝子”が・・・と、「真の遺伝子のことでない個人の性質・性格・行動特性などを○○遺伝子と言うような」馬鹿な表現が市井に固着している。 科学を装ったフィクション、SF的な「利己的遺伝子」あたりが火をつけたと思うのだが、エピジェネティックの時代に、少なくとも特定されてない「○○遺伝子」を「○○遺伝子が・・・」などとしたり顔でいうのは、恥ずかしいことという認識が広がって欲しい

参照: 次の疑似科学の舞台は「遺伝子」かも 



遺伝的な要素あるほど、生活行動変容が重要という話にもなるのかもしれない




観察研究にてフィットネス、身体活動性との心血管疾患の逆相関性示唆されているが、これら疾患の遺伝的感受性増加群での相関性検討はなされてない

ということで、冠動脈性心疾患、心房細動遺伝子リスクスコアをベースに個別層別化
その上で、フィットネス・身体活動性と遺伝子リスクを最小3分位参照で疾患リスクを評価

 UK Biobank、502,635名の大規模コホート、フォローアップ中央期間 6.1年間、IQR 5.5-6.8年


 Associations of Fitness, Physical Activity, Strength, and Genetic Risk With Cardiovascular Disease: Longitudinal Analyses in the UK Biobank Study
Emmi Tikkanen, et al.
 https://doi.org/10.1161/CIRCULATIONAHA.117.032432
Circulation. 2018;CIRCULATIONAHA.117.032432
http://circ.ahajournals.org/content/early/2018/04/04/CIRCULATIONAHA.117.032432


  • 握力、身体活動性、心肺フィットネスは心血管イベント発生と逆相関  (冠動脈性心疾患: ハザード比 [HR], 0.79; 95% 信頼区間 [CI], 0.77– 0.81; HR, 0.95; 95% CI, 0.93–0.97;  HR, 0.68; 95% CI, 0.63–0.74, per SD change,; 心房細動: HR, 0.75; 95% CI, 0.73– 0.76; HR, 0.93; 95% CI, 0.91–0.95;  HR, 0.60; 95% CI, 0.56–0.65, per SD change) 
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  •  握力及び心肺フィットネス最良値は、どの遺伝子群でも、冠動脈性心疾患、心房細動の発生リスク低下と関連  (Ptrend <0 .001="" category="" each="" genetic="" in="" li="" risk="">
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  •  特に、遺伝子高リスク群では、心肺フィットネス高レベルは冠動脈性心疾患リスク49%低下 (HR, 0.51; 95% CI, 0.38–0.69)、心房細動リスク60%低下(HR, 0.40; 95%, CI 0.30–0.55) 




遺伝・環境要素として、遺伝の方はgenome-wide genetic dataを使用





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