2018年7月26日木曜日

閉塞型無呼吸と高血圧:醒反復ではなく間歇的低酸素こそ、OSA患者での昼間血圧増加の主たる要素

閉塞型睡眠時無呼吸:Obstructive sleep apnoea (OSA)を合併している可能性が"治療抵抗性高血圧患者”,"心血管イベントの既往歴”,"正常血圧であっても左室肥大”の特徴を有する高血圧患者では,OSAを念頭に置いた診療が必要・・・ってのが循環器系医師たちの見解かな?

論文の序文から"OSAは有意に心血管疾患特に昼間の血圧増加と高血圧に関係。CPAPは重要な心血管健康マーカー改善、治療抵抗高血圧、血管内皮機能を改善"と書かれてるが、あんまり降圧効果無いと思う。

さておき、間歇的低酸素、睡眠断片化が、OSAでの高血圧発症に関わるだろうと推定。
低酸素が悪さするなら、酸素を投与すればいいじゃないか(小柳ルミ子(パスコースがなければ作れば良い)風)



Effect of Supplemental Oxygen on Blood Pressure in Obstructive Sleep Apnea (SOX): A Randomised, CPAP Withdrawal Trial
https://doi.org/10.1164/rccm.201802-0240OC
https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.201802-0240OC

Rationale: 閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は全身性高血圧と関連する。overnightの間歇的低酸素血症あるいは反復的覚醒がOSAで生じ、昼間血圧の増加をもたらす可能性がある。

Objectives: 間歇的低酸素のOSA患者の早朝血圧増加への役割

Methods: ランダム化二重盲検交叉トライアルで、overnight補完的酸素 vs air(sham)の比較:早朝血圧、CPAP療法継続中断、中等度〜重度OSA患者

プライマリアウトカム:14日間夜間CPAP中断後の酸素 vs airでの早朝血圧変化
セカンダリアウトカム: oxygen desaturation index (ODI)、apnoea hypopnoea index (AHI)、 主観的 (Epworth sleepiness score) 、客観的 (Oxford sleep resistance test) 眠気

測定と主要結果:補充的酸素投与はCPAP中断後の血圧増加をバーチャルに消しさり、有意に平均血圧増加を減少 (-6.6mmHg; 95% 信頼区間 or CI -11.3 to -1.9; p=0.008)する、同様平均拡張期血圧 (-4.6mmHg; 95% CI -7.8 to -1.5; p=0.006)、平均ODI(-23.8/h; interquartile range -31.0, -16.3; p<0 .001="" p="">


AHI、主観的、客観的眠気に有意差無し


結論:CPAP中断中補完的酸素投与は早朝血圧増加をバーチャルに消し去る。
補完的酸素投与は間歇的低酸素を減少させるが、覚醒マーカーの効果はAHI含め最小で、主観的・客観的眠気への効果少ない
故に覚醒反復ではなく間歇的低酸素こそ、OSA患者での昼間血圧増加の主たる要素と考えられる。
Clinical trial registration available at www.isrctn.com, ID ISRCTN 17987510.


中枢型無呼吸判別されてない症例では危険な賭となるであろう、無呼吸への酸素投与

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