2018年8月17日金曜日

長期安全性:適正な炭水化物比率は?

極端な炭水化物制限での減量効果は短期間で確認できる。だが、長期安全性はAtkins時代からの懸念。

減量ではなく、長期安全性としての死亡率最小化における適正な比率は?


Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
The Lancet , Public Health
Open Access Published : August 16, 2018
DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(18)30135-X


低炭水化物ダイエットとは、厳格な炭水化物制限の一方、好きなだけ蛋白・脂肪摂取して良いとイオウもので減力戦略として人気がある
しかし、炭水化物制限の死亡率への長期影響は議論があり、食事性炭水化物が植物ベースあるいは動物ベースの脂肪・蛋白に置き換わっているかにも関わるだろう
炭水化物摂取と死亡率の相関性研究

45−64歳、15,428名成人、4つの米国内コミュニティ、ARC研究時に食事アンケート(1987-1989年)、極端なカロリー摂取(男性 1日600kcal未満や4200kcal超、女性 500kcal未満や3600kcal超)報告でないもの
プライマリアウトカムは全死亡率
非線型関連性想定にて炭水化物摂取比率と全死亡率の関連性検討
メタアナリシスにて多国前向き研究7つからのデータからARICデータをさらに検討
最終的に炭水化物から動物性・植物性由来の脂肪蛋白置き換えの死亡率影響検討

フォローアップ期間中央値25年間、ARICコホート 死亡6283、コホート研究全てでは死亡 40,181
ARICコホートにて多変量補正後、炭水化物からのエネルギー比率と死亡率の関連性はU字型
 (平均 48.9%, SD 9.4): 炭水化物からのエネルギー比率 50-55%が死亡率関連性として最小リスク


 全てのコホート研究メタアナリシス(432,179名登録)において、低炭水化物比率(40%未満)と高炭水化物摂取(70%超)は中等度摂取より死亡率高リスクと関与し、U字型相関(プール化ハザード比 炭水化物低比率 1.20, 95% CI, 1.09-1.32、炭水化物高比率 1.23, 95% CI, 1.11-1.36











しかし、主要栄養素源により結果はばらつく
 炭水化物を動物由来脂肪や蛋白に置き換えると死亡率増加(1.18, 95%CI, 1.08-1.29)し、植物性に置き換えたときは死亡率減少(0.82, 95%CI, 0.78-0.87)





解説では、低炭水化物食は、野菜・果物・穀類摂取減少の一方、動物性蛋白質増加をもたらす可能性、典型的な長期動物由来蛋白・脂肪摂取が炎症惹起性・酸化ストレスなどもたらす可能性に言及している。植物由来の脂肪・蛋白摂取置き換えが可能ならどこまで安全かまた死亡リスク低下が見込めるかは・・・不明。

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