2018年9月29日土曜日

incident ACO:発症はライフスタイル・社会経済状況強く影響される


ちょっとわかりにくいかもしれない
  • prevalent ACO:"喘息あり→COPD追加発症"、"COPDあり→喘息追加発症"の何れでもベースライン時に喘息・COPD overlapあるもの
  • incident ACO:"ベースライン喘息あり→COPD追加発症"、"ベースラインCOPDあり→喘息追加発症"、ベースライン喘息もCOPDもない→”その後、喘息・COPDともに異時性でも同時性でも両疾患発症”


調査開始時喘息・COPDオーバーラップではないがその後ACOとされた症例の要因調査


Determinants of incident asthma–COPD overlap: a prospective study of 55,110 middle-aged adults
Journals » Clinical Epidemiology » Volume 10 Published 24 September 2018 Volume 2018:10 Pages 1275—1287
DOI https://doi.org/10.2147/CLEP.S167269

背景と目的:喘息-COPDオーバーラップ(ACO)による社会的決定要因のインパクトの知識は乏しい。インシデンタルACOの決定要素同定目的

方法:55053名の成人(50-64歳)、 Danish Diet, Cancer, and Health cohort (1993–97)をフォローアップ  National Patient Registry for admissions for asthma (DJ45–46) and chronic obstructive pulmonary disease (COPD; DJ40–44) とバイタル状態フォローアップ。incident ACOは喘息・COPDによる1回以上の入院で定義(異なる時点、ベースライン後)、詳細病歴ベースライン入手。Cox比例ハザードモデルを用い、決定要素とincident ACOの関連性ハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を検討

結果:フォローアップ期間中、ACO incident 561

incident ACOの高リスク要素

  • 年齢 (HR 4.4, 95% CI 3.3–5.9, age group 60–65 years)
  • 現行喫煙 (HR 3.6, 95% CI 2.8–4.6)
  • 未雇用 (HR 1.5, 95% CI 1.2–1.8)
  • 離婚状況 (HR 1.5, 95% CI 1.2–1.9) 

逆要素

  • レジャー時間身体活動 (HR 0.7, 95% CI 0.6–0.8) 
  • 高教育レベル(HR 0.7, 95% CI 0.5–0.9)


ACOと逆に、心筋梗塞 (MI; HR 1.5, 95% CI 1.2–1.8)と卒中 (HR 1.5, 95% CI 1.2–1.9) はCOPDリスク高い


結論:incident ACOはライフスタイル・社会経済状況に関連する要素に強く影響される



Keywords: asthma–COPD overlap, socioeconomic status, lifestyle



上記如く、このACOは入院必要なほどの重症な状況の症例

私たちが外来で遭遇するようなACOとはちょっと違う・・・

重症ACO発症は、修正可能なライフスタイル・社会経済状況に関連するとなると、社会的介入による改善予知があるということに・・・

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