2019年1月21日月曜日

骨折予防のための閉経後女性骨粗鬆症

骨粗鬆症・高齢女性治療は 今変動の時期にある 現行のコンセプトと将来展望



Treating osteoporosis to prevent fractures: current concepts and future developments
Mattias Lorentzon
First published: 18 January 2019 https://doi.org/10.1111/joim.12873
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joim.12873

骨粗鬆症治療推進優先的論調であった!


骨折に関してはその他の要素も関連するのだろうが、加齢関連骨密度減少が高齢者の骨折リスクと関連する

Marshall DJohnell OWedel HMeta‐analysis of how well measures of bone mineral density predict occurrence of osteoporotic fracturesBMJ 199631212549.

ビスフォスフォネートとRANKL阻害剤 denosumabが広く用いられ、BMD増加・椎体骨骨折リスク 40-70%減少、非椎体骨リスク 25-40%減少、股関節リスク 40-53%減少を骨粗鬆症・高齢女性でもたらす

副作用リスクのため傾向ビスフォスフォネートは10年まで制限、zoledronic acidは6年までに限定される(本邦では結論づけされてないようだが・・・)

有効性安全性はある程度明確となっているが、高リスク状態でも治療開始に至る対象者は少ない。そのため骨折リスクをベースとしたスクリーニング、FRAXやFrcture Laison Serviceといったツールを用い治療率を高め、骨折リスクを減少させる必要がある。


最近、遺伝子組み換えパラトルモン(PTH):テリパラチド(Teriparatide))を用いた同化療法は、脊椎骨折を伴う閉経後の女性の椎体骨骨折および臨床骨折の予防においてビスホスホネートリセドロネートよりも優れていることが実証された。
 スクレロスチン抗体ロモソズマブによる治療(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1708322)は、アレンドロネートよりBMDを高度に急速に増加、骨粗鬆症の閉経後女性における脊椎骨折および非脊椎骨折の危険性の減少においてアレンドロネートよりも優れていた。
 重度の骨粗鬆症で骨折リスクが高い患者にとって、ビスフォスフォネート単独では、骨折に対する長期的な防御を提供し、BMDを回復させることはできそうにない(原文:. For patients with severe osteoporosis and high fracture risk, bisphosphonates alone are unlikely to be able to provide long‐term protection against fracture and restore BMD. )。 そのような患者にとっては、骨形成薬(例えばテリパラチド)から始まり、その後に再吸収抑制剤を投与する連続治療が、より良い長期の骨折予防を提供する可能性があり、将来の骨粗鬆症治療のゴールデンスタンダードとなるだろう。



ビスフォスフォネートに関する 顎骨壊死:ONJと非定型大腿骨骨折:AFF(atypical femur fracture)の問題
メディアレポートと相まって、FDAの警告文をきっかけに、非常に稀だが重篤な副作用のためリスクの過剰記載が結果的にネガティブな状況を引き起こした。ONJ症例の90%超は腫瘍患者で、骨粗鬆症患者でのリスクは非常に低く、10万人年対1-90で、骨粗鬆症でおnリスク要素はdentoalveolar surgery、periodontal disease、継続的経口ステロイド使用である

メタアナリシス・レビュー計算だと、ビスフォスフォネート5年間での骨折予防は100あたり1未満のAFF。AFF絶対リスクは股関節などの骨折より少ないためビスフォスフォネート長期治療であっても容認されるベネフィット/リスク比と関連するだろう。アレンドロン酸 10年間継続 vs 5年間継続、ゾレドロン酸 6年間継続 vs 3年間継続では、BMD維持レベルであり、椎体骨骨折リスク減少を示した、ただ、他部位の骨折リスクは減少示せず 。これら知見からAmerican Society for Bone and Mineral Research Task Force は、ゾレドロン酸やアレンドロン酸の3−5年後の再評価すべき推奨となっている


歯科医師からみれば、抜歯や口腔内小手術は決して稀でないし、経口ステロイド処方中の患者すら稀ではないわけだし・・・現場は困るわね


顎骨壊死検討委員会ポジションペーパーhttps://www.jsoms.or.jp/medical/work/guideline/bisphos01/


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