・動脈硬化性心血管疾患があれば、MACE減少効果確認
・なくても、心不全・心血管死亡リスク減少、腎病変進行抑制効果あり
SGLT2 inhibitors for primary and secondary prevention of cardiovascular and renal outcomes in type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis of cardiovascular outcome trials
The Lancet — Zelniker TA, et al. | January 10, 2019
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32590-X
Summary
【背景】 SGLT2iの特異的心血管アウトカム・腎アウトカムの効果の程度も未だ不明で、またどの程度heterogeneityがキーのベースライン特性に基づくか不明
【研究方法】2型糖尿病患者のSGLT2iの心血管アウトカムトライアル(ランダム化、プラシーボ対照化)のシステミック・レビューとメタアナリシス
2018年9月24日までの発表PubMedとEmbase検討。データの検索と抽出は標準化されたデータ形式で行われ、矛盾は合意により解決。
有効性アウトカムは、MACE(心筋梗塞、卒中、心血管死)、心血管死亡・心不全入院、腎疾患進行。ハザード比(HRs)、95%信頼区間をトライアル横断的にpool化、有効性アウトカムはベースラインの動脈硬化疾患、心不全、腎機能程度により層別化
【結果】 3つのトライアルデータ、34,322名(動脈硬化心疾患存在 60.2%)、MACE 3342、 心血管死・心不全入院 2028、腎疾患複合アウトカム 766
SGLT2i は、動脈硬化性心血管疾患ある場合は、MACE 11% (HR 0.89 [95% CI 0.83–0.96], p=0.0014)減少
しかし、動脈硬化性心血管疾患ない場合は、減少認めず (1.00 [0.87–1.16], p for interaction=0.0501)
SGLT2iは、心血管死亡・心不全入院リスク減少 23% (0·77 [0.71–0.84], p<0 .0001="" p="">これは動脈硬化性心血管疾患有無にかかわらず同様ベネフィット、心不全既往有無にも関わらず同様
SGLT2iは腎疾患進行リスクを 45% (0.55 [0.48–0.64], p<0 .0001="" p="">
SGLT2iのベネフィットの程度は、ベースライン腎機能で変動し、心不全入院が特に減少 (p for interaction=0.0073) し、ベースラインでより重症腎疾患の婆愛腎疾患進行に関しては減少率低下 (p for interaction=0.0258)
【解釈】 SGLT2iは確立した動脈硬化性心血管疾患患者においては動脈硬化性MACEのベネフィットmoderate存在。
しかし、動脈硬化性心血管疾患の存在有無、心不全病歴有無にかかわらず心不全入院や腎障害進展抑制の十分なベネフィット認める。
この研究の前の証拠
ナトリウムグルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2i)は、2型糖尿病患者を対象とした大規模な心血管イベントアウトカム試験で研究されており、心血管イベントのリスクを軽減することが示されています。確立されたアテローム性動脈硬化性心血管疾患を有する患者と、複数の危険因子を有するが疾患を有さない患者の両方が、これらの試験で研究された。個々の試験では、正式な異質性は示されていないが、アテローム性動脈硬化性心血管疾患が確立されているサブグループにおける主要な有害心血管イベントでは有益性の規模が大きくなるように思われた。これらの知見に基づいて、アメリカとヨーロッパのガイドラインは、血糖コントロールの考慮とは無関係に、2型糖尿病とアテローム性動脈硬化症の心血管疾患の患者にSGLT2iの使用を推奨しています。しかしながら、複数の危険因子を単独で有する患者数およびそれらの患者における事象が少ないため、そのような不均一性について試験するための単一の試験は十分に強力ではなかった。デパグリフロジン対プラセボのDECLARE-TIMI 58試験のデータが入手可能になった時点で、確立されたアテローム性動脈硬化症の有無によって層別に分類された専用の心血管転帰試験からの心血管転帰結果をメタ分析することを計画した。この研究の付加価値
EMPA-RET OUTCOME、CANVAS program、DECLARE-TIMI 58のデータを組み入れ、SGLT2i心血管疾患アウトカムトライアルの現行メタアナリシスで、SGLT2iの臨床的ベネフィットとして、心筋梗塞、卒中、心血管疾患のリスク減少が既存動脈硬化性心血管疾患存在下でのみ示され、多要素リスク・疾患なし群では認められなかった。心不全入院リスク減少、腎疾患進展リスク減少は、ベースラインの動脈硬化性心血管疾患の有無、心不全の有無にかかわらず十分な効果認めた
利用可能なすべての証拠の意味
これらのデータは、SGLT2は2型糖尿病で動脈硬化性心血管疾患の存在有無、心不全既往の有無にかかわらず考慮すべき薬剤で、2型糖尿病全般に、HbA1cを安全に低下させ、心不全入院や腎疾患進展を減少指せる。MACE減少は確立した動脈硬化性心血管疾患の存在下でのみ認められる。
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