慢性副鼻腔炎(CRS)は鼻ポリープの有無により2つのphenotypeに分類。鼻ポリープを伴うCRSwNP、鼻ポリープを伴わないCRSnNP。CRSの根底の病態生理家は複雑で感染と炎症の要素関与。マクロライド系薬剤の有効性は抗炎症作用、抗biofilm、免疫調整として用いられているが、その有効性はまだinconsistent。2つのRCTでベネフィット報告あり、特にIgE低値患者での有効性が一方で示されている。一方でモメタゾン フランカルボン酸エステル・スプレーによるCRSnSPへの治療では、クラリスロマイシンの付加的効果を示せなかった。さらに、Videlerらの研究ではCRSへのアジスロマイシン3ヶ月付加治療後プラシーボ比較で効果認めず。CRSの治療におけるマクロライドの使用に関するエビデンスに基づく医学的勧告もまた変更されました。ヨーロッパおよび中国の現在のガイドラインでは、CRSsNP患者またはCRS患者における経口マクロライドの使用が推奨されていたが、米国のガイドラインでは、マクロライドはCRSの治療には任意選択であると示唆された。中国のCRSガイドラインでは14員環系マクロライドは好酸球増加なくアレルギー検査陰性症例の非アレルギー性CRSsNPで使用。2012年の欧州ガイドラインでは推奨レベルA→Cへ格下げ。
Clarithromycin for the treatment of adult chronic rhinosinusitis: a systematic review and meta-analysis
Zhenxiao Huang, MD, PhD and Bing Zhou, MD
International Forum of Allergy & Rhinology, Vol. 00, No. 0, xxxx 2019
背景:この系統的レビュー(SR)の目的は、慢性副鼻腔炎(CRS)の治療に対する経口クラリスロマイシンの安全性と有効性を評価すること。
方法:このSRおよびメタアナリシスは、介入のSRのためのコクランハンドブックに概説されている勧告に基づいて行われた。プロトコルは、SRの国際的な見込み登録者であるPROSPEROに登録された。英語と中国語の電子データベースが検索され、無作為化比較試験のみが含まれた。
結果:1738人の患者を対象とした17件の研究
11の研究で、鼻腔ステロイドスプレー±食塩による鼻腔洗浄に経口クラリスロマイシン追加で鼻腔ステロイドスプレー単独より効果あるかを検討
組み合わせ治療レジメンは中期的(1-3ヶ月)での臨床的症状を統計学的有意に改善。
短期的(1ヶ月未満)及び中期的の内視鏡及びCTスコア改善、長期的(3ヶ月超)での臨床症状、内視鏡スコア改善。
有害事象の発生率は、この併用療法の使用によっては増加せず。
症状、内視鏡的スコア、およびCTスコアに関して、クラリスロマイシン経口投与群と鼻腔内ステロイド単独投与群との間に有意差は認められなかった。
結論:CRSの治療のために、鼻腔用食塩水洗浄の有無にかかわらず鼻腔内ステロイドスプレーを使用するより鼻腔内ステロイドスプレーに経口クラリスロマイシンを追加することはより良い結果を達成する可能性はある。経口クラリスロマイシン単独でも鼻内グルココルチコイドスプレー単独と同様の効力を有することができることを確認するための十分な証拠はない。この分野の質の高い証拠が必要。
専門ではないのでコメントできるほどの知識も経験も無いが
この分野もphenotypeにより治療戦略模索している様相
COPDの治療戦略もまだまだ不確定的なのと似ている
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