多くのコホート研究で2型糖尿病の癌リスクの関連、主に肝臓癌、直腸結腸癌、膵臓癌との関連が報告され、高血糖、糖化ヘモグロビン高値とがん発生率の関連性、ミトコンドリアのぶどう酸化亢進、酸化ストレスを介したDNA損傷促進など考察されてきた。
residual confounding(残存交絡)バイアスのため間違った解釈の可能性がある。
MR(Mendelian randomization)アプロートは従来の観察研究デザインとは異なり、概念上の遺伝子型によるランダム化を利用した手法で、近年MR研究報告が増加している。
本邦での2型糖尿病とがん発生率の関連性MR検証
糖尿病と癌リスクとの真の関連性を検討、10,536人のサブコホート被験者とがん新規診断3,541人を含むこのメンデル無作為化試験 症例コホート研究、被検者は日本JPHC前向き研究内、40-69歳の32,949人の適格参加者から選択
糖尿病確率倍化に対し、癌の推定ハザード比は全体で1.03、膵臓で1.08、肝臓で0.80、結腸で0.90
糖尿病と全体的および部位特異的な癌リスクとの関連性を確認するための強いエビデンス見いだせなかった。日本人集団の癌発生における2型糖尿病の遺伝的役割は、ほとんど証拠によって裏付けられていなかった。
Diabetes and Cancer Risk: A Mendelian Randomization Study
Atsushi Goto , et al.
International Journal of Cancer https://doi.org/10.1002/ijc.32310
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