2019年5月30日木曜日

高齢女性:歩数7500で効果頭打ち、歩行運動強度関係なし

序文をみると、日本の「万歩計」がウェアラブル端末に先行すること1965年発売され、日本では「1万歩」推奨となっている。ウェアラブル対応端末は2017年1億2500万台以上世界的に出荷されている。1万歩がcommon goalとして扱われているが果たして?

女性に限った検討ではあるが、死亡率改善効果に運動強度は影響与えず、1日の歩数が重要という話


Association of Step Volume and Intensity With All-Cause Mortality in Older Women
I-Min Lee, et al.
JAMA Intern Med. Published online May 29, 2019.
doi:10.1001/jamainternmed.2019.0899

意義:健康上必要な歩数目標は1日1万歩という目標が一般に信じられているが、この数については科学的根拠が少ない。さらに、歩数強度増加が健康ベネフィットに関連するか、1日の歩数と独立しているか不明。

目的:1日当たりの歩数とステッピング強度と全死因死亡率との関連検討

デザイン、設定、および被験者:
この前向きコホート研究には、2011年から2015年までの7日間の覚醒時間中に加速度計着用参加同意、女性健康調査の18289人の米国女性 ;データは17466デバイスから正常にダウンロード。これらの女性のうち、コンプライアンス良好(4日以上10時間以上装着)で2018年から2019年解析に含まれたのは16741名

暴露:1日あたり歩数とステッピング強度のいくつかの指標(ie, (ie, peak 1-minute cadence; peak 30-minute cadence; maximum 5-minute cadence; time spent at a stepping rate of ≥40 steps/min, reflecting purposeful steps :1分間ケイデンスピーク、30分間ケイデンスピーク、5分間ケイデンス最大、40ステップ/分以上となった時間数(意図的ステップ反映))

ケイデンスとは?ケイデンスは1分当たりのステップ数を計算し、2で割ることにより算出されます。例えば、両足では1分当たりのステップ数が180である場合、ケイデンスは90になります。ケイデンスは、ランニング効率を評価する重要なツールです。また、ランニングテクニックの改善にも役立つものです。
主要アウトカム・測定:総死亡率

結果: 選択基準一致16741名女性、平均(SD)年齢 72.0歳(5.7歳)

平均歩数は1日当たり5499で、ステップ頻度あたりの比率は 

  • 0歩/分:51.4%、(インシデンタルなステップにあたる)
  • 1〜39/分 45.5%
  • 40歩/分以上(意図的ステップ) 3.1%

平均フォローアップ 4.3年間、死亡 504名
1日あたりの歩数中央値は、分布横断的に低度→高度4分位で各々、2718、4363、5905、8442 歩数/日
対応する死亡率ハザード比(寄与要素補正)は、各々  1.00 (reference)、 0.59 (95% CI, 0.47-0.75)、 0.54 (95% CI, 0.41-0.72)、 0.42 (95% CI, 0.30-0.60) (P < 0.01)

spline解析だと、最大歩数として7500 /日まで1日あたりの歩数増加後とHRは低下する

高強度ほど有意に死亡率低下と相関するが、日数あたりの歩数補正後、相関性は減衰し、ほぼ有意でなくなる  (ケイデンス1分間ピーク 最高 vs 最小4分位 HR 0.87  [95% CI, 0.68-1.11]; ケイデンス30分間ピーク 最高 vs 最小4分位 HR  0.86 [95% CI, 0.65-1.13]; 5分間最大ケイデンス 最高 vs 最小4分位 HR  0.80 [95% CI, 0.62-1.05]; 40歩/分以上のステッピング速度時の経過時間 最高 vs 最小4分位 HR   1.27 [95% CI, 0.96-1.68]; P > .05)





結論と知見:年配の女性の間では、およそ4400歩/日という少ない数が、およそ2700歩/日と比較して低い死亡率と有意に関連。一日あたりの歩数が増えるにつれて、死亡率は徐々に減少し、平準化する前に約7500歩/日。歩数強度は、1日の総歩数を考慮した後の死亡率の低下とは明らかに関連していない。





こういうのってreverse causation bias:逆因果バイアスとの戦いで、同じ運動(身体活動)を扱っている報告だが・・・嘘が紛れ込む


"A standard method to reduce reverse causation is to exclude outcomes occurring in the initial follow-up period.":フォローアップ初期発生アウトカムの除外必要で、リスクのplausible trajectory 明確化してリスク評価する必要がある

逆因果バイアス考慮上の検討で、身体不活発は全原因認知症およびアルツハイマー病と関連せず、だが、心血管疾患発症の身体不活発サブグループでは認知症超過リスク認めた

Physical inactivity, cardiometabolic disease, and risk of dementia: an individual-participant meta-analysis
BMJ 2019; 365 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l1495 (Published 17 April 2019)
Cite this as: BMJ 2019;365:l1495










   嘘つき
    ↓
認知症がなぜ生じるのか、その発症機構はすべて解明されているとは言えませんが、これまでの研究で、▼教育歴▼肥満▼高血圧▼難聴▼喫煙▼うつ▼運動不足▼社会的孤立▼糖尿病―などの要素が関連していることが分かってきています。
https://www.medwatch.jp/?p=26492



財務省・厚労省およびその関係者は平気で嘘をつく

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