2019年8月19日月曜日

GLP-1受容体アゴニスト:MACEベネフィット システミック・レビュー&メタアナリシス

GLP1- Receptor agonist (GLP1-RA)はSGLT2iともに心血管リスク増加させないどころか、ベネフィットが示されつつある

GLP-1受容体アゴニストは投与ルートが複数有り、ベネフィットに関してなかなか一様にいえないのではないかと思うが、一応、システミック・レビュー&メタアナリシスがなされている



Cardiovascular, mortality, and kidney outcomes with GLP-1 receptor agonists in patients with type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis of cardiovascular outcome trials
Søren L Kristensen, et al.
The Lancet  Diabetes & Endocrinology
Published:August 14, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S2213-8587(19)30249-9
https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(19)30249-9/fulltext


Medpageから
https://www.medpagetoday.com/cardiology/diabetes/81658

Glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonist:GLP-1 RAが2型糖尿病の治療レジメンに組み込まれると、複数の利点がもたらされる



  • Harmony Outcomes: アルビグルチド albiglutide (Tanzeum) 日本発売?
  • REWIND:デュラグルチド dulaglutide (Trulicity) wikipedia記載なし
  • PIONEER 6: oral semaglutide (investigational) :注射用オゼンピックはあるが・・・経口発売未だ

MACE 減少は、致死性、非致死性卒中の有意減少 (HR 0.84, 95% CI 0.76-0.93)
しかし、心血管死亡 (HR 0.88, 95% CI 0.81-0.96) 、致死性非致死性心筋梗塞 (HR 0.91, 95% CI 0.84-1.00) も有意に減少

メタアナリシスは、2型糖尿病 成人 56,004名で施行

2008年時点の視点に戻すと、FDAは、新規2型糖尿病治療薬に対してランダム化MACE心血管アウトカムを製薬会社へ要求した



心血管系安全性提示主目的MACE複合アウトカム評価によりほぼ20種類の主要心血管アウトカムトライアルはほぼその安全性を2012年までに提示されたが、ベネフィットを示したのはGLP-1 RAとSGLT2iであった。

MACEアウトカムの深掘りによりKristensenらは、一次予防 vs 既存心血管疾患ありでも統計学的にheterogeneityを示さず P値 0.22とした

しかしSandleは、一次予防群のHRは 0.95(95% CI, 0.83-1.08)で説得力が無く、REWIND以前では 1.20、1.00、 0.99でベネフィットシグナルを示さないとした

MACE減少ベネフィットを俯瞰すると、KristensenらのグループはGLP-1 RAは全死亡率の 12%減少に関連(HR 0.88, 95% CI, 0.83-0.95, p=0.001)で、心不全入院率も 9%低下 (HR 0.91、95%CI 0.83-0.99、P = 0.028)
SGLT-2 iでは (0.69, [number needed to treat] 約100)で、それよりもさらに少ない効果


腎アウトカム複合的な評価としては  Harmony Outcomes (albiglutide) と PIONEER 6 (oral semaglutide) trialを除外すると、GLP-1 RAにて17%程副事象アウトカム減少 
 (HR 0.83, 95% CI 0.78-0.89, P<0.0001)
尿中アルブミン排泄が主にこのアウトカム減少に寄与。eGFR減少率低下へのベネフィットはSGLT-2iの報告より乏しいかもしれない







こうやってみると 心血管、一部腎機能へのベネフィットはSGLT2iの方がやや有意か?


ただ、SGLT2iは運命的にリスクが伴う

The Good, the Bad, and the Ugly: Sodium–Glucose Cotransporter-2 Inhibitors (Gliflozins) and Perioperative Diabetes
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0310057X1804600202


厳格な症例選択検討が必要

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