2019年8月13日火曜日

IDACO:自由行動下血圧と診察室血圧の総死亡と脳心血管病発症との関連

標準的血圧測定というのが問題なのだが・・・自動診察室血圧automated office blood pressure (AOBP) との対比で議論を呼びそう


AOBP vs ABPMは続く・・・




24時間と夜間の血圧値の組み合わせが脳心血管病発症リスク予測に有用
学校法人帝京大学 2019年08月07日 12時00分
https://japan.cnet.com/release/30355358/




Association of Office and Ambulatory Blood Pressure With Mortality and Cardiovascular Outcomes
Wen-Yi Yang, et al. for The International Database on Ambulatory Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcomes (IDACO) Investigators
JAMA. 2019;322(5):409-420. doi:10.1001/jama.2019.9811
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2740719

意義:血圧(BP)は全死亡率や心血管疾患特異的死亡率、非致死性アウトカムの既知のリスク要素。どの血圧指数がこれらアウトカムと強く関連することは実は不明確

目的:死亡及び複合的CVイベントと血圧指数の相関性を評価

デザイン・セッティング・被験者 長軸的住民ベースコホート研究 11135名(欧州、アジア、南アメリカ成人)、ベースライン観察:1988年5月〜2010年5月(最終フォローアップ 2006年8月〜2016年10月)

暴露:血圧測定:観察者とautomated office machine;24時間、昼間、夜間、dipping ratio(夜間血圧÷昼間血圧)

計測法
看護師または医師は、標​​準的な水銀血圧計または検証済みの聴診器またはオシロメトリック装置を使用して従来の測定値を取得した。従来の血圧が140/90 mm Hg以上の場合、または降圧薬を服用している場合、患者は高血圧であるとみなされた。
自由行動下血圧モニタリングの場合、ポータブルモニターで1日中30分間隔で、または昼間は15〜30分間隔で、夜間は20〜60分の間隔で歩行測定値を取得するようにプログラムされた。ヨーロッパおよび南アメリカの国では午前10時から午後8時まで、アジア諸国では午前8時から午後6時まで。対応する夜間の間隔は、ヨーロッパおよび南アメリカの国では真夜中から午前6時まで、アジア諸国では午後10時から午前4時まで。分析のために、歩行記録には、少なくとも6つの日中時間と3つの夜間測定値が含まれていなければならない。
医療環境で患者が監視されている最初の1時間の間に自動化されたデバイスによって取得された平均BP記録を使用した。
dipping ratioは、夜間血圧を昼間血圧値で割ることによって計算された。収縮期血圧に焦点を当てたのは、それが高齢者の主要な危険因子であり、この研究の患者の平均年齢が53.4歳だったため。収縮期血圧の所見を再現するために拡張期血圧を分析した。 
カテゴリー分析で、dipping ratioはextreme dipping 0.80以下、normal dipping は0.80から0.90以下、nondipping 0.90から1.00以下、reverse dipping 1.00超

主要アウトカムと測定項目:多変量補正ハザード比(HRs):血圧値 20/10 mmHg増加毎、死亡 or CVイベントリスク。心血管イベントは心血管死亡率+非致死性冠状動脈イベント、心不全、卒中。モデルパフォーマンス改善性はAUCの変化で評価

結果
11,135名登録(年齢中央値 54.7歳、女性 49.3%)、フォローアップ年数中央値 13.8年間中、死亡 2836(1000人年対 18.5)、CVイベント経験 2049 (1000人年対 13.4)

両エンドポイントは有意に収縮期血圧indexと相関(p<0.001)

夜間収縮期血圧値に対し総死亡率ハザード比 1.23 (95% CI, 1.17-1.28)、CVイベント 1.36 (95% CI, 1.30 - 1.43)

24時間収縮期血圧に対して、総死亡率ハザード比は 1.22(95% CI, 1.16-1.28)、CVイベント 1.45 (95% CI, 1.37 - 1.54)


他の全ての収縮期血圧index補正によっても、夜間・24時間持続収縮期血圧値のプライマリアウトカムへの相関は有意性残存 (HRs ranging from 1.17 [95% CI, 1.10-1.25] to 1.87 [95% CI, 1.62-2.16])

収縮期血圧 indexを含むbase modelによる死亡率へのAUC 0.83、CVアウトカムへのAUC 0.84

24時間血圧或いは夜間収縮期血圧をbase modelに加えるとAUC増加改善は、死亡率に関して 0.0013-0.0027、複合CVアウトカム 0.0031-0.0075

夜間or 24時間収縮期血圧が加わっているindexにさらにすべての血圧指数をモデルに加えても モデルパフォーマンスは有意に改善せず
これらは拡張期血圧とも一致した所見である






dipping statusによるアウトカム変化




結論と知見
この住民ベースのコホート研究において、24時間および夜間血圧測定値高値ほど有意に死亡、複合心血管疾患アウトカムリスク増加し、他の診療所ベース、携帯血圧測定値補正後もリスク増加を示す。24時間及び夜間血圧測定値はCVリスク推定のための最適な測定方法と考えられ、他の血圧測定値による数値モデルのパフォーマンス改善は望めなかった


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