2019年10月30日水曜日

結核菌感染・非発症者への新しい抗結核菌ワクチンの有効性・安全性など


IGRA陽性(感染+、非発症と見なす)対象者での 抗結核ワクチン M72/AS01Eワクチン発症予防有効性と免疫反応は少なくとも三年間継続することが確認された

現在潜在性結核感染に関してはINH(もしくはRFP)投与なされているが、この治療との組み合わせ、そして BCGワクチンのような非感染者対象のワクチンとの組み合わせはどうするのか、いろいろオプション展開ありそうな話



Final Analysis of a Trial of M72/AS01E
Vaccine to Prevent Tuberculosis
D.R. Tait, M. Hatherill,
DOI: 10.1056/NEJMoa1909953
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1909953


序文:結核菌ワクチン候補 M72/AS01Eの早期解析では活動性肺結核疾患の54%予防効果が示された。

方法
2014年8月から2015年11月まで、ケニア、南アフリカ、ザンビアのセンターで活動性結核疾患の証拠がなく、18歳から50歳までの成人の結核菌感染(IGRA陽性結果で定義)を登録

被験者は、M72 / AS01Eまたはプラセボのいずれかの1か月間隔2回投与 1:1の比率で無作為に割り当て

主目的は、M72 / AS01Eの有効性を評価して、最初の症例定義(HIV感染無関連細菌学的確認された肺結核)による活動性肺結核疾患予防効果確認

被験者は2回目投与後3年間追跡。結核の臨床的疑いの場合は、喀痰サンプルのPCR分析、抗酸菌培養、その両者。
300人の参加者からなるサブグループで、体液性および細胞性免疫応答を36ヶ月目まで評価。
安全性は、M72 / AS01Eまたはプラセボを少なくとも1回投与したすべての参加者で評価。


結果:
合計3575人の参加者がランダム化を受け、そのうち3573人が少なくとも1回のM72 / AS01Eまたはプラセボを投与され、3330人が両方の計画された投与を受けた。

 according-to-protocol efficacy cohort被験者3289名の内、M72 / AS01Eワクチン群 1626名中13名、プラシーボ群 1663名中 26名が初期症例定義に合致する結核発症症例(100人年比率 0.3 vs 0.6)

36ヵ月時点でのワクチンの有効性は49.7%(90%信頼区間[CI]、12.1〜71.2; 95%CI、2.1〜74.2)。

M72 / AS01Eグループの被験者では、M72特異的抗体の濃度とM72特異的CD4 + T細胞の頻度が最初の投与後に増加し、追跡期間を通じて持続。
重篤な有害事象、潜在的な免疫介在性疾患、および死亡は、2つのグループで同頻度。







BCG有効性:https://jata.or.jp/terminology/z_4.html

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