クッシング症候群において、これが抑制される・・・らしい
Adipocyte GR Inhibits Healthy Adipose Expansion Through Multiple Mechanisms in Cushing Syndrome.
Reiko Hayashi, et al.
Endocrinology, 2019; 160 (3): 504
DOI: 10.1210/en.2018-01029
http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_6_26723.html
抄訳
クッシング症候群(CS)は、グルココルチコイド過剰により肥満・糖脂質代謝異常・脂肪肝等を惹起する。今回、CSにおける脂肪細胞グルココルチコイド受容体(GR)の病態学的意義を検討した。脂肪細胞特異的GR欠損マウス(AGRKO)を作出し、コルチコステロン飲水投与によりCS病態モデルを作成したところ、AGRKOでは対照群と比較し、白色脂肪組織重量の増加、脂肪肝の改善、血中FFAやHOMA-Rの低下を認めた。特に白色脂肪組織では脂質分解酵素Atglの遺伝子発現量が低下した。3T3-L1脂肪細胞における検討では、Atglのイントロン上に新規GR結合配列を同定した。AGRKOでは、白色脂肪組織重量の増加にも関わらず、インスリン抵抗性の改善を認め、Adipose Healthy Expansionを呈していると考えられた。ヒトCSの副腎周囲脂肪組織の臨床検体およびAGRKO脂肪組織を用いたRNAシークエンス解析から、脂肪組織GRはCS病態のヒト、マウスにおいて、脂肪分解、脂肪組織リモデリング抑制、preadipocyteの増殖抑制、糖取り込み低下などを介してAdipose Healthy Expansionを抑制すると考えられた。以上の結果は、CSの代謝異常や中心性肥満の機序解明につながる可能性がある。
解説:
https://www.sciencedaily.com/releases/2019/02/190228093631.htm
【健康的肥満脂肪広がり】
クッシング症候群のみならず、医原性、経口ステロイドによる副作用対策につながることを期待
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