2019年8月1日木曜日

心肺機能高いほど肺癌、大腸癌発生、死亡リスク減少

紹介論文の主題と違うが、physical activityという言葉を、心肺機能と混同して用いている状況に遭遇することが多い。確かに心肺機能良好の方が身体活動量増加にリンクしやすいのは確かだろう。しかし、身体活動量が生命予後やQOL改善にリンクするのだから「心肺機能制限がある場合」にも身体活動量を増加してもらいたい。そういう場合に心肺機能だけをテーマにするというのは心不全や呼吸機能障害対象研究では不適切・不十分となりやすいと思う。

この論文の序文の一部にも以下の如く表記されている
心肺機能:cardiorespiratory fitness:CRFは、エネルギー消費ピーク尺度で、MET(metabolic equivalents of task)で表示され、身体活動、遺伝的要素や他の宿主要素(年齢、多臓器包括的健康度)などに影響する。身体活動(physical activity)と比べ、CRFは心血管疾患及び全原因死亡率のより良い指標であり、心血管疾患リスク分類に他要素を付記して用いられる。」


後顧的コホート研究で、1991年から2009年まで49,143名の clinician-referred exercise stress testing連続患者で、40−70歳、がんを有さなデトロイドの医療システム内治療患者

偏ったサンプルの可能性のあるコホートだが、いままでの報告としてはサンプル数最大というのが売りらしい
ただし、アルコールや食事用粗データなど交絡要素検討が足りないのではないかという批判が当然出てくるだろう

心肺機能検査:CRFの程度と肺癌・直腸結腸癌アウトカムの関連性の後顧的観察報告
MET表示カテゴリー分け、6未満(参照)、6-9、10-11、12以上
フォローアップ中央値 7.7年間

全体として、男女とも 肺癌、直腸k発生率低下、肺癌・直腸結腸癌総死亡リスク低下がCRF高度ほど認める

Cardiorespiratory fitness and incident lung and colorectal cancer in men and women: Results from the Henry Ford Exercise Testing (FIT) cohort
Catherine Handy Marshall, et. al.
Cancer
https://doi.org/10.1002/cncr.32085
https://www.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cncr.32085



肺癌(A)、直腸結腸癌(B)のはっせいりハザード比:肺癌では年齢、人種、性別・喫煙・BMI糖尿病補正+直腸結腸癌はアスピリン・スタチンによる補正
METs indicates metabolic equivalents of task; Ref, reference.



METs 12以上 vs 最小心肺機能との比較





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