2020年1月31日金曜日

コリン作動薬剤による喫煙関連肺病態改善効果可能性

抗コリン製剤はCOPDにおいて好まれるが、以下の動物モデル・ヒトサンプルでの検討では、コリン作動刺激にて喫煙関連肺病態への一部微小解剖構造への改善効果が観られる
COPD患者で粘液粘稠性、固形成分が増加している




齧歯類は気道粘膜下腺が少なく動物モデルが少ない。
タバコ暴露フェレットの動物実験と、COPD患者か荒れられた培養気道上皮のヒト研究と組み合わせた報告で、Tc^DTPA retension測定による in vivo 粘液繊毛クリアランスが喫煙暴露フェレットで低下することをまず示した。


マイクロ光コヒーレンストモグラフィーによりフェレット切除気管で喫煙暴露動物では粘液繊毛輸送減少が約30%であり、この知見では、気道加湿や、繊毛beating頻度では有意な相関を認めなかったが、培養ヒト気道上皮では24時間喫煙暴露で気道のhydration低下(気道表面液層の減少として表現)と粘液繊毛輸送減少が見られた。

しかし、切除気管での粘液繊毛輸送の独立要素因子は喫煙暴露、気道表面液層の深さ、繊毛beating頻度が含まれた

フェレットとヒト気道におけるカルバコールによるコリン作動刺激の作用を検討し、空気あるいは喫煙暴露フェレットにおいて、カルバコール処理にて気道表面液層深度増加、気道beating回数増加、気道粘液繊毛輸送増加する




Excess mucus viscosity and airway dehydration impact COPD airway clearance
Vivian Y. Lin, Niroop Kaza, Susan E. Birket, Harrison Kim, Lloyd J. Edwards, Jennifer LaFontaine, Linbo Liu, Marina Mazur, Stephen A. Byzek, Justin Hanes, Guillermo J. Tearney, S. Vamsee Raju, Steven M. Rowe
European Respiratory Journal 2020 55: 1900419; DOI: 10.1183/13993003.00419-2019





COPD患者においてLAMA firstが常識的となっていると思うが、粘液動態から考えればそうじゃない場合もあるのかもしれない
気道閉塞著明でないCOPD患者において、LABAあるいはごく少量のICS/LABAなどの再評価も必要かもしれない

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