内耳障害や中枢神経障害疑われる場合は、積極的に紹介するが・・・
JAMAに、直近のトライアルと治療についての記載があったのでメモ
Tinnitus
Jay F. Piccirillo, et al.
JAMA. Published online March 16, 2020. doi:10.1001/jama.2020.0697
March 16, 2020
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2763317
Tinnitus Retraining TherapyTrial
151名の義務中或いは引退軍隊者を3群分け
(1) tinnitus-specific educational counseling and low-level broadband sound therapy delivered with ear-level sound generators,:耳鳴りに特化した教育カウンセリングおよび耳レベルの音響発生器で提供される低レベルの広帯域音響療法
(2) tinnitus-specific educational counseling and placebosound generators:耳鳴り特有の教育カウンセリングとプラセボサウンドジェネレータ
(3) standard care, described as a patient-centered counseling protocol that aligned with current military careand recommended practice.;標準的なケア。現在の軍事的ケアと推奨される実践に沿った、患者中心のカウンセリングプロトコル
耳鳴は「auditory perception in the absence of an auditory stimulus. 」 聴覚刺激が無いのに聴覚知覚すること
音響外傷(例えば、大きな音への暴露)、慢性難聴、感情的なストレス、または自然発生に関連している可能性があり、知覚された聴覚刺激に対する精神病理学的反応は、多くの耳鳴り患者の苦痛と障害の大きな原因となる。成人100名中約10名の経験があると国民調査。職業上の騒音にさらされている労働者の中で、耳鳴りの有病率は100名あたり15。耳鳴りの患者の多くは、聴覚が睡眠、集中力、および日々の機能に必要な認知機能を損なう。約450万人の米軍退役軍人のうち、42%が耳鳴りに対する補償を受け、一般的な軍隊関連障害となり、耳鳴による補償の方が聴覚障害補償より約60%多い。
耳鳴新規診断患者の評価は、1)誘因イベント、例えば 急性音響性外傷など、2)耳鳴りの種類(拍動性:pulsative かどうか?)、3)他の聴覚学的異常(例えば、片側性感音性聴覚障害など)と関連するか。頭頸部の身体所見、神経学的所見、audiogramが推奨される。
拍動性耳鳴り(頭蓋内圧亢進、硬膜動静脈瘻、他の血管疾患)、身体所見(耳または中耳腔の腫れ)、または異常なaudiogram(片側性感覚神経障害)が評価として特に行われるべきで、ガドリニウム側頭骨のMRIなど付加的検査が構造的障害・血管障害除外のため必要。耳鳴りの原因の一般的仮説は、"top-down or bottom-up auditory attention theory)で、
tinnitus’s auditory perception stems from lost sensory input from the cochlea to the auditory thalamus (bottom-up generation) and/or reorganization of key neural networks responsible for attention, emotion, and audition (top-down modifiers):蝸牛から聴覚視床への感覚インプットの喪失に起因する(ボトムアップ生成)から、and/or 注意、感情、聴覚からの鍵となる神経ネットワークの再構成からの聴覚知覚に起因する神経画像研究から、やっかいな耳鳴り、attention (dorsal and ventral)、default mode、limbic、 auditory、 somatosensory及びvisual brain networkに関係するmultiple neural systemが同定され、このoverreaching理論は症候性耳鳴りの生物学的基盤の不均一性を示すのかもしれない。
ということで、個々患者で異なるネットワーク異常が存在するのかもしれない。
precision medicineとして
まず、特定の耳鳴り治療にどの患者が反応するかを予測すること
2番目に、患者を特定の有望な治療のセットに一致させることを優先する
Tinnitus retraining therapy (TRT) へ30年間以上使用され、神経生理学モデルで構築されたもので患者の耳鳴りとその障害レベルの発達における聴覚および非聴覚(すなわち、辺縁系および自律神経機構)プロセスの両方の寄与を認識する最初のモデルの1つ。TRTには、特定のプロトコルを使用する聴覚専門医が提供する教育カウンセリングと音響療法による耳鳴り信号への順応の誘導と促進が含まれる。
全群enriched sound environment 使用奨励
3群間で臨床的意義差を認めない
標準的カウンセリング以上の効果は認めず
認知行動療法(CBT)、受容とコミットメント療法(ACT)、およびマインドフルネスに基づくストレス軽減(MBSR)を含む音響療法の使用に依存しない行動療法について報告された有効性の証拠と対照的であった。
CBTのみがその使用を支持する強力なエビデンスを有する
CBTのうち、Beukesらの報告 (Bukes EW, Andersson G, Allen PM,Manchaiah V, Baguley DM. Effectiveness of guidedinternet-based cognitive behavioral therapy vsface-to-face clinical care for treatment of tinnitus:a randomized clinical trial.JAMA Otolaryngol HeadNeck Surg. 2018;144(12):1126-1133. doi:10.1001/jamaoto.2018.2238)だとACTとMBSR両方の要素が含まれることが重要とのこと
ただ、患者間の臨床上の不一致、不均一性、病因と病態継続の不均一性が広く認識され、一部患者には不安と耳鳴り両者と関連する認知症状(eg. distraction)が不安と耳鳴りに関連する場合がある。
自然環境での患者の耳鳴り経験の強化的長軸的サンプリングを含むecological momentary assessment (EMA)という方法で、 EMAの使用により、耳鳴りに対する反応の変化を頻繁に経験する耳鳴りの患者に対して、耳鳴りのグループと個々のプロファイルの両方の開発が容易になり、日常生活のストレスについて、より正確で動的な測定が、通常使用される予測子(人口統計など)よりも有用になることが期待される。
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