また、LABA/LAMA等使用していると次第にFEV1までほぼ正常にまで改善し、FEV1/FVC 0.7未満を満たさなくなる症例にも多く遭遇し、ホントにCOPD?って症例もある。
Role of the Bronchodilator Test Defined by the Forced Vital Capacity in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Phenotyping
Zhang X, Wu Z,et al.
International Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Volume 15
Published 28 May 2020 Volume 2020:15 Pages 1199—1206
DOI https://doi.org/10.2147/COPD.S252902
https://www.dovepress.com/role-of-the-bronchodilator-test-defined-by-the-forced-vital-capacity-i-peer-reviewed-article-COPD
https://www.dovepress.com/front_end/cr_data/cache/pdf/download_1590799330_5ed1abe20fe59/copd-252902-role-of-the-bronchodilator-test-defined-by-the-forced-vital-.pdf
COPD管理において、拡張剤使用後FEV1/FVC 0.7未満で診断確定的なのが通常だが、中等度から重度のCOPD症例では、気流制限反応が悪いが肺容量としては反応を示す場合があり、これはおそらく過膨脹によるものの改善効果と思われる
重症ステージになるほどFVCの反応性が重要と思われる
気道過応答性は気道炎症、特にTh2細胞誘導性好酸球性炎症と関連している。最近の研究では、好酸球性炎症を支配するCOPDは重要なCOPDの表現型であることが証明されている。その臨床的特徴は、気道反応性(FEV1の変化)、好酸球数の増加、FeNO濃度の上昇である。
気管支拡張薬吸入後のFEV1値の変化の役割に注目した研究はあるが、COPDにおけるFVC値の変化の役割についての研究はほとんどなく、FeNOや好酸球との関係もよくわかっていない。以上のことから、本研究の目的は以下の通りである。1)気管支拡張剤試験中のFVC反応者と非反応者に分類されたCOPD患者の特徴を比較すること、2)COPD表現型におけるFVCの観点から気管支拡張剤試験の有用性を評価すること
【目的】臨床の現場においてCOPD患者の中には気管支拡張剤投与後FVC著増するのにFEV1があまり変わらない症例がある。これは気道炎症性タイプと関連してるかもしれない。
このタイプの臨床的特性を解析し、気管支拡張剤有効性、特にFVC変化の有用性を検討
【研究方法】気管支拡張薬検査,呼気一酸化窒素(FeNO)分画測定,血中好酸球数の解析を行った増悪性COPD患者346例を対象に,気管支拡張薬検査,呼気一酸化窒素(FeNO)分画測定,血中好酸球数の解析を行った.気管支拡張薬の反応性が有意に高い患者とそうでない患者との間で、特徴、FeNO値、血中好酸球数をFVCの観点から比較した。
346人のCOPD患者全員を、アルブテロール投与に対する反応性のFVCの変化に応じて、以下のような2つのグループに分けた。
(I) positive FVC group (PFVC): Patients with ΔFVC≥200 mL and ΔFVC%baseline≥12%;
(II) negative FVC group (NFVC): referring to the rest of the patients without significant responsiveness in terms of FVC.
次にΔFEV1≧200mL、ΔFEV1%baseline≧12%の患者を除外し、 残りの180名を同様に2群に分けた。
(I) pure positive FVC group (PPFVC):composed of patients with ΔFVC≥200 mL and ΔFVC% baseline≥12% without significant responsiveness with respect to FEV1;(喘息要素のある患者すべて除外した上で、FVC変化量著明な症例と層で無い症例を区別)
(II) negative FVC-negative FEV1 group (NNFVC): comprised of patients without significant responsiveness neither in terms of FVC nor FEV1.
【結果】FVC反応性が有意な患者では、FVC反応性が有意でない患者に比べて肺機能が低下し、FeNO値が高かった(Z=-5.042~-0.375、p=0.000~0.022)。
FeNOレベルと気管支拡張薬の使用に対するFVC応答性との間には、識別可能な線形関係がある(r=0.251、P=0.001)。
COPD患者の高FeNOレベルの検出にFVCの気管支拡張薬応答性を適用すると、比較的高い感度(61.8%)と特異度(86.7%)が得られた。
【結論】FVC 反応性が有意に高い COPD 患者では,非反応者に比べて FeNO 値が高いことを示し,高 FeNO 値を検出する簡便な方法を確立した.FVC反応性のある患者は,COPD患者とは別のグループとして同定される可能性がある。
拡張剤後FEV1/FVC 0.7に振り回されてしまってるCOPD臨床だが、拡張剤によりFVC反応するタイプの“COPD”があり、特性として、比較的肺機能低下し、NO呼気濃度が高いというphenotypeが存在するかもという主張だと思う
FeNO高値COPDにおいて、気管支拡張剤FVC反応性が良好というのは目からうろこかもしれない