Serial CT analysis in idiopathic pulmonary fibrosis: comparison of visual features that determine patient outcome
Joseph Jacob ,et al.
Thorax (BMJ journals) http://orcid.org/0000-0002-8054-2293
https://thorax.bmj.com/content/early/2020/06/04/thoraxjnl-2019-213865
目的
特発性肺線維症(IPF)で抗線維化薬の投与を受けている患者および非IPF線維化肺疾患の患者では年次FVCの低下率は測定値の変動範囲内(5.0%~9.9%)であることが多い。視覚的CT変数の変化が、marginalなFVC減少が純粋な臨床的進行を意味し、測定上の雑音ではないことを確認したいという趣旨の報告
方法
2つのIPFコホート(コホート1:n=103、コホート2:n=108)において、別々の放射線科医がペアのvolumetric CT(ベースラインから6ヵ月から24ヵ月の間に取得)施行
間質性肺疾患、蜂巣肺、網状陰影、すりガラス状陰影(GGO)、牽引性気管支拡張症の重症度の変化を5ポイントスケールを用いて評価し、死亡予測を単変量および多変量Cox回帰分析を用いて分析
2つのIPFコホート複合検討にて、CT変数変化がmarginal FVC減少を示す患者の予後推定となりえるかを分析
結果
単変量解析では、GGOを除くすべてのCT変数の変化が両コホートで死亡推定可能であった
一つの多変量解析(年齢、性別、抗線維化薬剤使用有無、ベースライン疾患重症度(DLCO)補正後)牽引性気管支拡張所見はFVC減少に独立した死亡予後因子であった
牽引性気管支拡張症の重症度の変化は、スコア測定者間で、良好な観察者間の一致を示した。
FVCのmarginalな低下のすべての患者において、牽引性気管支拡張症の重症度の変化は死亡率を独立して予測し、蜂巣肺変化の程度よりも、悪化患者が多く同定された
結論
牽引性気管支拡張症の重症度の変化は疾患の進行度を示す指標であり、FVC低下の臨床的重要性の解明に役立つ可能性がある。
- 抗線維化薬を投与されておらず、年率10%以上のFVC低下を示した50歳男性患者では、6ヵ月間隔で撮影された画像(Ai,ii)は、放射線科医によって著しく悪化した(スコア=5)と分類された牽引性気管支拡張症の変化を示している。
- 抗線維化薬を投与された62歳男性患者(Bi,ii)では、13ヶ月間隔で撮影された画像は年率FVC低下率が5.0%から9.9%の間であり、牽引性気管支拡張症の変化は軽度に悪化している(スコア=4)と分類された。
- 抗線維化薬(Ci,ii)を投与されておらず、15ヶ月間隔でCTを撮影した77歳の男性では、牽引性気管支拡張症の重症度の変化(Score=3)と年率FVC低下(-5.0%~4.9%)はともに安定していると考えられた。CT上に見られる実質細胞の変化は、疾患の進行ではなく、疾患の成熟を反映している可能性がある。
ベースラインCTスキャン時からのFVCの縦方向の変化を示すSpaghetti plot
患者を牽引性気管支拡張症の変化なし(赤)
牽引性気管支拡張症の変化あり(青)に分類した。
縦断的解析で考慮した開始および終了時のFVC測定は、それぞれのCTスキャン日から3ヵ月以内であった。
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