2021年3月12日金曜日

Covid-19:簡便な入院・外来判定スコア

 Covid-19:簡便な入院・外来判定スコア – 内科開業医のお勉強日記 III (makise.mobi)




COPD起座呼吸のメカニズム

 COPD起座呼吸のメカニズム – 内科開業医のお勉強日記 III (makise.mobi)


重度のCOPD患者の厄介な症状である起座呼吸:orthopneaは、横隔膜への神経ドライブの増加と、吸気筋の負荷・能力の不均衡の急激な増大(abrupt augmentation of load-capacity imbalance of the inspiratory muscles)と関連した現象で、起座をまもるほうが楽ということになる現象


体位にかかわらず、患者は対照者に比べて、一定の一回換気量(VT)に対する吸気能力(IC)が低く、INDが高く(すなわち、neuromechanical dissociation (NMD):神経とメカニカルな部分の解離が大きい)、呼吸の不快感の強さが高く、分換気量(V′E’)が高い、呼吸回数(fB)が高いという結果が得られた(いずれもp < 0.05)。


仰臥位の対照群では、ICが正座に比べて0.48L増加し、主にfBの減少によりV′E’がわずかに低下した(すべてp < 0.05)。 一方、COPD患者では、ICは変化しなかったが、仰臥位では動的肺コンプライアンス(CLdyn)が低下した(p < 0.05)。


息苦しさ、吸気仕事(WOB)、吸気努力、IND、NMD、neuroventilatory uncoupling:神経換気のアンカップリングは、いずれも仰臥位において、COPD患者で増加したが(p < 0.05)、健常対照者では生じなかった。


起座呼吸:orthopneaは、IND(r=0.65、p=0.01)、neuroventilatory uncoupling(r=0.76、p=0.001)、NMD(r=0.73、p=0.002)の急性の変化と関連していた。


COPDでは、起座呼吸:orthopneaの開始と同時に、仰臥位での吸気筋の弾性負荷が急激に増加し、呼吸器系のINDの増加とNMDの増加が関連していた。

COPDの気道mycobiomeは、増悪と死亡率上昇に関連する

 COPDの気道mycobiomeは、増悪と死亡率上昇に関連する – 内科開業医のお勉強日記 III (makise.mobi)

安定COPD患者さんは健常対象と比べてmycobiomeのdiversityが大きく、COPD特異的な真菌がある。非生存者ではPenicilliumのみが検出され、AspergillusとCurvulariaは生存グループ間で異なる割合で検出さた。Penicilliumに加えて、Cladosporium、Trametes、Lodderomycesも非生存者で高い割合で検出された。非生存者は生存者に比べて対照的なβ線の多様性を示してAECOPD発症中のmycobiomeプロファイルを対象とした分析は、予後に影響を及ぼし、死亡リスクの高い患者を特定できる可能性がある

2021年3月9日火曜日

Covid-19 mRNAワクチン:特定の職場での初回ワクチン接種後アナフィラキシーを伴う重篤な反応はワクチン接種 1 万回あたり 2.47 の割合

 特定の職場でのアナフィラキシーを伴う重篤な反応はワクチン接種 1 万回あたり 2.47 の割合で発生と報告。アナフィラキシーを起こしたすべての患者はショックや気管内挿管なしで回復。この研究で確認されたアナフィラキシーの発生率は、受動的自然報告法に基づく疾病対策予防センターの報告(0.025-0.11/10,000 ワクチン接種)よりも大きくなっているが、日本で現在行われている医療従事者向けのワクチンのアナフィラキシー副反応報告と類似しているのでこれが実態に近いのでではないか?

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2021年3月2日火曜日

COPD:ETHOS study 再調査報告  


http://makise.mobi/wp/2021/03/02/copdethos-study-%e5%86%8d%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e5%a0%b1%e5%91%8a/

 Rabe KF, Martinez FJ, Ferguson GT, Wang C, Singh D, Wedzicha JA, et al.; ETHOS Investigators. Triple inhaled therapy at two glucocorticoid doses in moderate-to-very-severe COPD. N Engl J Med 2020;383:35–48.

上記、NEJMのETHOS研究報告においてはintent-to-treat(ITT)集団の8,509人の患者のうち、384人の患者が52週目のバイタルステータスデータが欠落していた。このエンドポイントが臨床的に重要であることを考えると、ETHOSによる死亡率の知見を徹底的に評価する必要があった。ここでは、ETHOSにおけるBGF投与によるGFF投与と比較した全死亡率の低下を評価する追加解析を行い、その効果の頑健性、ICS離脱の影響の可能性、およびCOPD増悪と死亡率との関係を評価した報告


Reduced All-Cause Mortality in the ETHOS Trial of Budesonide/Glycopyrrolate/Formoterol for Chronic Obstructive Pulmonary Disease. A Randomized, Double-Blind, Multicenter, Parallel-Group Study

Fernando J. Martinez, et al.
https://doi.org/10.1164/rccm.202006-2618OC PubMed: 33252985
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202006-2618OC

肺炎球菌:高齢者はコロナイゼーションになりにくい


肺炎球菌:高齢者はコロナイゼーションになりにくい | 内科開業医のお勉強日記 III (makise.mobi)


この論文は高齢者への肺炎球菌暴露トライアルは安全であるという趣旨の報告だが、コロナイゼーションと感染の違いをあらためて認識すると共に、コロナイゼーションによる防御効果と加齢に伴う気道炎症経路のdysregulationの問題を認識させてくれる、私にはありがたい報告であった

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