COPD起座呼吸のメカニズム – 内科開業医のお勉強日記 III (makise.mobi)
重度のCOPD患者の厄介な症状である起座呼吸:orthopneaは、横隔膜への神経ドライブの増加と、吸気筋の負荷・能力の不均衡の急激な増大(abrupt augmentation of load-capacity imbalance of the inspiratory muscles)と関連した現象で、起座をまもるほうが楽ということになる現象
体位にかかわらず、患者は対照者に比べて、一定の一回換気量(VT)に対する吸気能力(IC)が低く、INDが高く(すなわち、neuromechanical dissociation (NMD):神経とメカニカルな部分の解離が大きい)、呼吸の不快感の強さが高く、分換気量(V′E’)が高い、呼吸回数(fB)が高いという結果が得られた(いずれもp < 0.05)。
仰臥位の対照群では、ICが正座に比べて0.48L増加し、主にfBの減少によりV′E’がわずかに低下した(すべてp < 0.05)。 一方、COPD患者では、ICは変化しなかったが、仰臥位では動的肺コンプライアンス(CLdyn)が低下した(p < 0.05)。
息苦しさ、吸気仕事(WOB)、吸気努力、IND、NMD、neuroventilatory uncoupling:神経換気のアンカップリングは、いずれも仰臥位において、COPD患者で増加したが(p < 0.05)、健常対照者では生じなかった。
起座呼吸:orthopneaは、IND(r=0.65、p=0.01)、neuroventilatory uncoupling(r=0.76、p=0.001)、NMD(r=0.73、p=0.002)の急性の変化と関連していた。
COPDでは、起座呼吸:orthopneaの開始と同時に、仰臥位での吸気筋の弾性負荷が急激に増加し、呼吸器系のINDの増加とNMDの増加が関連していた。
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