Covid-19：誕生日などの小規模な集まりが重要な感染源となりえる

 

 

Assessing the Association Between Social Gatherings and COVID-19 Risk Using Birthdays
Christopher M. Whaley, et al.
JAMA Intern Med. Published online June 21, 2021. doi:10.1001/jamainternmed.2021.2915 

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2781306

【キーポイント】
【Question】 インフォーマルな社交場に対応していると思われる世帯の誕生日とCOVID-19感染には関連があるのか？

【所見】 この横断研究では、2020年の最初の45週間の290万世帯の行政医療データを使用し、郡のCOVID-19有病率の上位10％の世帯では、誕生日のある世帯は誕生日のない世帯に比べて10,000人あたり8.6人の診断数が多く、郡レベルの有病率の31％の相対的増加であり、子供の誕生日後には10,000人あたり15.8人のCOVID-19診断数が増加し、大人の誕生日のある世帯では10,000人あたり5.8人のCOVID-19診断数が増加していた。

【意味】 本研究は、誕生日、特に子供の誕生日など、小規模で非公式な社会的集まりにつながるイベントが、SARS-CoV-2の感染において重要なソースとなる可能性があることを示唆している。

 

【要約】

【重要性】 COVID-19の感染拡大を阻止するための政策の多くは、職場や食事場所などのフォーマルな集まりを対象としている。非公式の社交場は、SARS-CoV-2の感染経路として重要である可能性があるが、感染におけるその役割を研究するには、データと方法論の限界がある。誕生日は、COVID-19の伝播における小規模な社交場の潜在的な役割を経験的に定量化する機会となる。

【目的】 家庭内で誕生日を迎えた後にCOVID-19の感染率が上昇するかどうかを調べることで、社会的な集まりとSARS-CoV-2感染との関連を評価する。

【デザイン，設定，参加者】 この横断研究では，2020年1月1日から11月8日までの，民間保険に加入している米国の290万世帯の全国データを用いて，直前の2週間に誕生日があった世帯となかった世帯のCOVID-19感染を，その週の郡レベルのCOVID-19有病率に基づいて層別化し，世帯規模と週および郡ごとの差を調整して比較した。また、誕生日に関連する感染率は、誕生日の種類（子供と大人、50歳の誕生日などの節目の誕生日など）、毎週土曜日の郡レベルの降水量（人が集まる場所が屋内になる可能性がある）、郡の政治的傾向、州のシェルターインプレイス政策などによって、どのように異なるかを比較した。

【主な結果と測定方法】 世帯レベルのCOVID-19感染

【結果】 本研究の対象となった290万世帯のうち、COVID-19の有病率が上位10％の郡では、2週間前に誕生日を迎えた世帯では、それ以外の世帯に比べ、1万人あたりの診断数が8.6件多かった（人口 1万名対 95％CI、6.6～10.7名）

郡レベルの1万名対 27.8症例で第5・10分位の人口1万名対 0.9増加に比べ 31%ほど、1万名対27.8症例の郡レベルでは31％相対的に増加した (P < .001 for interaction).。

COVID-19の有病率が10分の1の世帯では、子供の誕生日後にCOVID-19の診断数が10,000人あたり15.8件（95％CI、11.7～19.9件）増加したのに対し、大人の誕生日を迎えた世帯では10,000人あたり5.8件（95％CI、3.7～7.9件）増加した（交互作用の検定でP < 0.001）。節目となる誕生日、郡の政治的傾向、降水量、シェルター・イン・プレイス政策による違いは見られなかった。

【結論と関連性】 この横断研究では，COVID-19 の有病率が高い郡の世帯では，社会的な集まりや祝い事に対応すると思われる誕生日が，COVID-19 感染の診断率の上昇と関連していることが示唆された．

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