2021年5月21日金曜日

COPDgeneコホートでも確認 ACE阻害剤・ARBの画像上気腫抑制効果およびFEV1抑制効果

CT上気腫画像診断の程度についてACEiやARBの役割が検討されている


Figure 2. Predicted change in percent emphysema over time, by angiotensin-converting enzyme (ACE) inhibitor/angiotensin II receptor blocker (ARB) dose. Low dose is defined as daily intake less than 50% of the maximum recommended dose. Full dose is defined as daily intake of at least 50% of the maximum recommended dose. HU = Hounsfield units.


Angiotensin-Converting Inhibitors and Angiotensin II Receptor Blockers and Longitudinal Change in Percent Emphysema on Computed Tomography. The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis Lung Study
Megha A. Parikh ,et al.
 Annals of the American Thoracic Society   Volume 14, Issue 5
https://doi.org/10.1513/AnnalsATS.201604-317OC       PubMed: 28207279

https://www.atsjournals.org/doi/10.1513/AnnalsATS.201604-317OC

 マウスモデルでは、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)のシグナルが変化すると、細胞外マトリックスの構造が変化して空域が拡大し、肺胞化が阻害されることが示されている(12、13)。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)やアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、レニン・アンジオテンシン系を阻害することでTGF-βシグナルに拮抗する(14, 15)。アンジオテンシン受容体をより完全に遮断すると、TGF-βの発現がより低下する(16)ことから、これらの薬剤の投与量の重要性が強調されている。マウスモデルにARBを投与すると、TGF-βの発現が減少し、肺気腫が回復する(17)。また、ACE阻害剤やARBは、動物実験(20)やヒトの研究(21)で肺気腫の病因に関与している内皮機能を改善する(18, 19)。

 

  こういうことから、肺気腫進展や肺機能低下につながる状態がARB、ACEiで進行抑制する可能性がある

Emphysema progression and lung function decline among angiotensin converting enzyme inhibitors (ACEi) and angiotensin-receptor blockade (ARB) users in the COPDGene® Cohort

Vickram Tejwani, et al.

Published:May 20, 2021

DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2021.05.007

https://journal.chestnet.org/article/S0012-3692(21)00898-9/fulltext


背景

アンジオテンシンIIを阻害してトランスフォーミング成長因子βを減少させると、マウスモデルで肺気腫が減少することが示されている。一般住民を対象とした研究では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEi)とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用は、元喫煙者の肺気腫の進行を抑制し、ACEiは現在の喫煙者のFEV1の進行を抑制することが示されている。

研究課題

ACEi/ARBの使用は、COPDまたはベースラインに肺気腫を有する人の肺気腫の進行およびFEV1の低下の抑制と関連するか?


研究方法

COPDGene®試験の元喫煙者および現喫煙者で、ベースラインおよび5年間の追跡調査に参加し、喫煙状況に変化がなく、胸部CTを実施した人を対象とした。調整線形混合モデルを用いて、スパイロメトリーでCOPDが確認された人、全参加者およびベースラインで肺気腫が確認された人を対象に、ACEi/ARB使用者と非使用者の間で、調整肺密度(ALD)、肺気腫率(% TLV <-950 HU)、Perc15(ボクセルの15%が位置する減衰量[HU]+1000 HU)、および5年間の肺機能低下の進行を評価した。また、喫煙状況による効果の修飾についても検討した。本試験は、ClinicalTrials.gov(NCT00608764)に登録されています。


結果

5年間の追跡調査で、非使用者と比較して、COPDのACEi/ARB使用者はALDの進行が遅かった(調整平均差[aMD]:1.6、95%信頼区間[95%CI]:0.34, 2.9)。肺機能の低下の遅さは、第1相の投薬では観察されなかったが(予測されるFEV1パーセンテージのaMD:0.83、95%CI:-0.62、2.3)、ACEi/ARBの一貫した使用者に限定した解析では観察された(予測されるFEV1パーセンテージのaMD:1.9、95%CI:0.14、3.6)。X線写真の結果については、喫煙の有無による効果の修飾はなく、肺機能の効果は元喫煙者でより顕著であった。結果は、ベースラインで肺気腫を有する参加者でも同様であった。



解釈

スパイロメトリーでCOPDが確認された参加者またはベースライン肺気腫のある参加者では、ACEi/ARBの使用は肺気腫の進行および肺機能の低下を遅らせることと関連していた。


www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。

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