2022年5月23日月曜日

SARS-CoV-2 肺炎の入院可否早期評価は可能だった

COVID-19 デルタ株が猛威を振るい、入院リソースを失ったことがあったはず

あのときどうすれば良かったのか? 

入院選別には従来から存在したCAP入院クライテリアが少なくとも有効であったらしい。


医師会も寿司屋に食い暇があったら、妄言に等しいことを繰り返すのではなく、・・・今後のパンデミック対策の為にも、危機管理のためにも、いまこそ、反省点をまとめる必要があるだろう。


Early recognition of low-risk SARS-CoV-2 pneumonia: A model validated with initial data and IDSA/ATS minor criteria

Rosario Menéndez, et al.

CHEST , Published:May 21, 2022DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2022.05.013

https://journal.chestnet.org/action/showPdf?pii=S0012-3692%2822%2901007-8

【背景】

COVID-19パンデミック時に集中治療室(ICU)と従来型病棟のベッド数が不足し、医療資源の崩壊を招いた。

【リサーチクエスチョン】

入院データと米国感染症学会(IDSA)および米国胸部疾患学会(ATS)によるマイナー基準は、低リスクのSARS-CoV-2肺炎患者の特定に役立つのか?

【研究デザインおよび方法】

この多施設コホート研究では、派生コホートに1274人、2つの検証コホートに830人(第1波)および754人(第2波)の患者が含まれている。派生コホートに対して多項回帰分析を行い、以下の患者を比較した:病棟入院患者(低リスクと評価)、ICUに直接入院した患者、一般病棟入院後にICUに移送された患者、および死亡した患者。回帰分析により、低リスク肺炎の独立因子を同定した。その後、モデルの妥当性を確認した。

【結果】

派生コホートでは、直接入院した患者、ICUに移送された患者、および死亡した患者の間に類似性が見られた。したがって、これらの患者を1つのグループに統合することができた。低リスク(死亡せず、かつ/またはICU入室を必要としない)の予測因子として、5つの独立した関連因子を同定した(オッズ比、95%信頼区間付き)。SpO2/FiO2 > 450(0.233; CI 0.149-0.364); < 3 IDSA/ATS minor criteria(0.231; 0.146-0.365); リンパ球数 > 723 cells/mL(0.539; 0.360-0.806); 尿素 < 40 mg/dL(0.651; 0.426-0.996); C-reactive protein < 60 mg/L(0.454; 0.285-0.724 )....曲線下の面積は,派生コホートでは0.802(0.769-0.835),検証コホート(第1波,第2波)ではそれぞれ0.779(0.742-0.816),0.801(0.757-0.845)であった。

【解釈】

初期の生化学的所見と<3 IDSA/ATS minor criteriaの適用により、低リスクのSARS-CoV-2肺炎(入院患者の約80%)の早期同定が可能となる。このシナリオは、COVID-19患者に対する医療資源配分を容易にし、合理化することができる。



IDSA/ATS consensus guidelines  on the management of community-acquired pneumonia.

Clin Infect Dis 2007;44(Suppl 2):S27--72.

Mandell LA, Wunderink RG, Anzueto A, et al.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7107997/pdf/44-Supplement_2-S27.pdf




-Criteria for definition of severe CAP and for ICU admission (IDSA/ATS).  | Download Table (researchgate.net)


0 件のコメント:

コメントを投稿

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note