先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)スクリーニングは、新生児・小児の神経認知障害予防のため行われている。
ヨード補充量は、WHO推奨として、200-300μgだが、米国では1100μgまでを安全上限としている。
母体の過剰摂取が原因と思われる、 新生児検診時全欠ヨード濃度減少例3例の報告。
Congenital Hypothyroidism Caused by Excess Prenatal Maternal Iodine Ingestion
The Journal of Pediatrics Received 6 December 2011; received in revised form 7 May 2012; accepted 24 May 2012. published online 30 July 2012
経胎盤もしくはミルクからのヨード過剰暴露過剰摂取により胎児・新生児では、新生児甲状腺機能低下症に陥る可能性がある。 ヨードは迅速に経胎盤通過し、甲状腺機能・神経認知機能発達のため重要。だが、甲状腺内ヨード濃度が過剰となると、甲状腺ホルモン産生一過性に低下する
。この現象は、“acute Wolff-Chaikoff effect”と呼ばれ、ヨード過剰に対する甲状腺過剰産生抑制のための役割で、成人では、数日で甲状腺機能低下への予防機転が働くが、未熟な新生児甲状腺ではこの適応が生ぜず、ヨードによる甲状腺機能低下症が持続する。
妊婦さんのヨウ素(ヨード)過剰摂取に関しては日本でも啓発がなされているが、具体的ガイドラインは明確ではない。厚労省の一定の目安はあるようだが、具体性に乏しいと思われる。
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