2013年4月24日水曜日

母体出生前バルプロ酸塩暴露:自閉症スペクトラム障害・自閉症リスク増加

出生前母体バルプロ酸塩暴露による小児へのASD(自閉症スペクトラム障害)と自閉症発症リスク

Prenatal Valproate Exposure and Risk of Autism Spectrum Disorders and Childhood Autism
Jakob Christensen, et. al.
JAMA. 2013;309(16):1696-1703. 


1996−2006年のデンマークの生下誕生・住民ベース研究

誕生655,615名のうち、ASD 5437、うち、小児自閉症 2067
フォローアップ終了時小児平均年齢8.84(range 4-14, 中央値 8.85)歳

14年フォローアップ推定絶対リスク
ASD 1.53%(95% CI, 1.47%-1.58%)
小児自閉症 0.48%(95% CI, 0.46%-0.51%)

包括的には、バルプロ酸塩暴露小児508名の絶対リスク
ASD 4.42%(95% CI, 2.59%-7.46%)
小児自閉症 2.50%(95% CI, 1.30%-4.81%)
(補正 HR, 5.2 [95% CI, 2.7-10.0])

てんかん女性の子供6584名コホート限定すると、絶対的リスク

・バルプロ酸塩暴露 432名
ASD 431名 4.15%(95% CI, 2.20%-7.81%)
(補正HR, 1.7 [95% CI, 0.93-3.2])
小児自閉症 2.95%(95% CI, 1.42%-6.11%)
(補正HR, 2.9 [95% CI, 1.4-6.0])

vs
・バルプロ酸塩非暴露 6152名
ASD 2.44% (95% CI, 1.88%-3.16%)
小児自閉症 1.02% (95% CI, 0.70%-1.49%)



改定した方が良いのでは・・・

デパケン(バルプロ酸ナトリウム):添付文書 
妊婦、産婦、授乳婦等への投与


1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとする報告がみられる。]
2.
妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単剤投与することが望ましい。[他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用して投与された患者の中に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。]
3.
妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症等があらわれることがある。
4.
妊娠中の投与により、新生児に低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)があらわれるとの報告がある。
5.
動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある。
6.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]






2013年4月23日火曜日

Mediterranean diet もまた開発途上にあり ・・・ 「健康日本21」運動で失敗に終わった日本の次の食事施策は?

食事ってのは、民族的な嗜好、入手しやすい食品の影響が大きく、薬物療法のように、西洋でのエビデンスを和訳して、ガイドラインって訳にいかないだろう。基本概念はパクれるだろうが・・・

日本の食習慣は特殊で、次第にそれも西洋化しているわけだが、欧州でも変化が見られるようだ。地中海の伝統料理であるオリーブオイルが健康への好影響エビデンス広まってきているが、地中海諸国でも伝統食比率が減少していると解説記事に書かれている。1960年代はギリシャではエネルギー(カロリー)摂取の40%が脂質由来で、主に、オリーブオイルという特殊な状況であったらしい。ちなみに、スペインのランダム化トライアル(Estruch R, et al "Primary prevention of cardiovascular disease with a Mediterranean diet" N Engl J Med 2013; 368 1279-1290)でも、高リスク対照群における心血管イベントオリーブオイル・ナッツ類による健康効果が同様に示されている。




EuroPRevent meetingの解説記事
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/EuroPRevent/38621


European Association for Cardiovascular Prevention and Rehabilitation's EuroPRevent meeting

Mediterranean dietの平均値らしい
・Dairy products: 165 g for men and 200 g for women 
・Fruit: 140 g for men and 125 g for women
・Vegetables: 125 g for men and 140 for women
・Cereals: 130 g for men and 125 g for women
・Meat: 70 g for men and women
・Fish: 20 g for men and 25 g for women
・Legumes: 10 g for men and women
対象者290万名になる、41の前向き一次予防トライアルのメタアナリシスにて、adherence score増加にてい、包括的死亡率9%減少 (ハザード比 0.91, 95% CI 0.89 〜 0.93)、心血管疾患11%減少 (HR 0.89, 95% CI 0.86 〜 0.92)、悪性腫瘍疾患5%(HR 0.95, 95% CI 0.93 〜 0.97)減少が示されている。
しかし、Francesco Sofi (MD, PhD, of the University of Florence, Italy)は、食事摂取量中央値にが研究毎にrange広く、例えば、野菜でも、60g/日から640g/日までばらつき、legumesにおいては、8g/日から75g/日と幅広い。オリーブオイル、ナッツ、ワインなどは平均値データ不足している。


Antonia Trichopoulou (MD, PhD, of the University of Athens and the World Health Organization Collaborating Center for Food and Nutrition Policies)は、別セッションで、成分についての解析を行っている。2009年BMJでの EPIC cohort 研究で、成分毎の死亡率への影響が示されている。
・最大のものはアルコール中等量摂取で、24%もの影響
・肉・肉製品 17%
・野菜 16%
・フルーツ・ナッツ 11%
・単鎖不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比率 11%
・legume高度摂取 10%




DASH dietといのは、米国主体で、本来高血圧にフォーカスしたものでナトリウム2.3g/日、さらには1.5g/日でさらなる降圧効果をもたらす目的であった。他に、カリウム豊富な食事、例えば、果物、野菜を含む食事を推奨している。
http://www.nhlbi.nih.gov/health/health-topics/topics/dash/

名称から、"Dietary Approaches to Stop Hypertension"なのだから、当たり前

DASH食を理想とするなら、「米国人が目指す方向性は日本食」なんて嘘で、塩分制限に関しては、味噌・醤油・塩を基本とする伝統的日本食は悪の見本みたいなものだろう。

"A Diet for All Disease"として拡大され、減量ダイエットとしても組み入れられてきているが、そのエビデンス構築はpoorと言わざる得ない
Weight loss in individuals with metabolic syndrome given DASH diet counseling when provided a low sodium vegetable juice: a randomized controlled trial Nutrition Journal 2010, 9:8 

対して、欧州の伝統的文化主体の、Mediterranean Dietが健康食として注目されているが、食事の正確な定義とベネフィットは未だ途上中


DASHダイエットをまねするか、地中海食もどきに改変するか・・・日本の健康食モデル化はさらにその前の段階。
「健康日本21」の最終評価が平成23年(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001r5gc-att/2r9852000001r5np.pdf)行われたが、



変わらない項目23.7%(14 項目)で、その主なものは、自殺者の減尐、多量に飲酒する人の減尐、メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減 尐、高脂血症の減尐などであった。さらに、悪化している項目は 15.3%(9 項目)で、その主なものは、日常生活における歩数の増加、糖尿病合併症の 減尐などであった。

「健康日本21」運動は結果として失敗に終わってる。

そういえば、この国民的キャンペーン失敗について、報道されてるの見聞きしたことないなぁ・・・ 天下り団体はそのままで・・資格商売続けてるようだし・・・ この国って、科学的エビデンス構築とその応用に関して無関心すぎる。そして、無駄な組織を放置しすぎ


検査値段を提示するとこで、検査回数は若干減少するが、オーダーそのものは増加

検査値段を患者提示することで、検査オーダー回数は若干増加し、検査回数そのものは若干減少する・・・医療費負担側から見れば当たり前だとなるのだろうが、医療側から見れば、オーダー担当者の苦労が忍ばれる結果。


Medicareベース、6ヶ月間のベースライン後、積極的検査値段提示群 vs 非提示群で比較
介入期間6ヶ月

検査コストを提示することで、検査回数 3.72回 → 3.40回/患者・日減少 (8.59% : 95%CI -8.99% 〜 -8.19%)、オーダリングは、1.15 →1.22回/患者・日増加( 5.64% ; 95%CI 4.90% 〜 6.39%)した。

Impact of Providing Fee Data on Laboratory Test Ordering A Controlled Clinical Trial
Leonard S. Feldman, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-6


あたらしい老人医療:専門チーム派遣型サービス MACE


MACEって、新しいケアモデルで、入院老人患者に対して専門ケアを提供するようで剤された、多職種チームという紹介だが、なんのことかわからない
これを見ると、Unit based careとの対比的存在としてのmobile ACE(MACE)ということらしい。

ひらたく説明すると、ここによれば・・・
患者をACE unitに移送するのではなく、老人医療に焦点を当てたチームベースの医療を提供するもの

前向きマッチ化コホート

Evaluation of the Mobile Acute Care of the Elderly (MACE) Service
William W. Hung, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-7

マッチ化患者総数 173名
平均(SD)年齢  MACE 85.2 (5.3) 歳 vs  対照 84.7 (5.4)歳
共役要素補正後、MACE群では、副事象イベント減少 (9.5% vs 17.0%; 補正オッズ比, 0.11; 95% CI, 0.01-0.88; P = .04) し、入院期間短縮 (0.8 日間, 95% CI, 0.7-0.9; P = .001)

MACE群患者は、30日間再入院頻度低下(オッズ比, 0.91; 95% CI, 0.39-2.10; P = .83). 

機能状態は2群で差を認めず

Care Transition Measure scoreは、MACE群が 7.4 point高い (95% CI, 2.9-11.9; P = .001) 



PM2.5、騒音とも、動脈硬化リスクと関連

Press Release
http://www.escardio.org/about/press/press-releases/pr-13/Pages/exposure-fine-particles-traffic-pollution-increased-risk-heart-disease.aspx



デンマークの大規模前向きコホートで、交通騒音は、心筋梗塞リスクに関し、騒音10デシベル毎12%ほどリスク増加するという報告。
Sørensen M, Andersen ZJ, Nordsborg RB et al. Road traffic noise and incident myocardial infarction: a prospective cohort study. PLOS One 2012; doi: 10.1371/journal.pone.0039283.

EuroPReventで 新しい研究結果発表。

"German Heinz Nixdorf Recall Study"では、交通大気汚染からのPM大気汚染暴露長期もまた、交通騒音と独立して動脈硬化と関連性を示した。
4814名、平均年齢60歳の住民ベースコホート、交通量の多い道路近傍を公式道路地図で計算し、chemistry transport modelで推定、胸部大動脈の血管石灰化、TACなどの臨床前動脈硬化を評価。
結果、PM2.5と主要道路近傍では大動脈石化化と相関
PM2.5量増加毎、石灰化程度 20.7%増加、交通量の多い道路近傍100m内では10%ほど増加
夜間の騒音では、TACに関して有意差境界的に増加(5 dB毎 3.2%増加)
騒音とPM2.5の相関性は互いに修飾なし
Kaelsch H, Hennig F, Moebus S, et al. Is urban particulate air pollution or road traffic noise responsible for the association of traffic proximity with subclinical atherosclerosis? Results from the Heinz Nixdorf Recall Study. Presented at EuroPRevent 2013 Poster presentation P307.



大気汚染:PM2.5、PM10、NO2長期暴露と、卒中発症、心血管疾患死亡との関連  2011年 10月 03日

大気汚染(粒子状物質PM10)と肺がんの関連2011年 10月 30日

微小粒子状物質 PM2.5と入院の関係2009年 06月 05日

大気中微小粒子状物質対策で、住民5ヶ月余命延長2009年 01月 22日

北京大気汚染問題 2013/02/16

2013年4月22日月曜日

メンタル脆弱性:致死性・非致死性心血管イベントの独立した要素

Mental vulnerability associated with increased risk of fatal and non-fatal cardiovascular disease independently of classical risk factors
Prevent
EuroPRevent 2013 congress Press Release


メンタル脆弱性:“mental vulnerability”の定義 は、"a tendency to experience psychosomatic symptoms or inadequate interpersonal reactions"とうことで、心気的傾向もしくは、対人不適応状態傾向


3つのデンマーク前向きコホート、1万1千名、15.9年の平均フォローアップ

致死性心血管・非致死性心血管イベント 3045 ( 10,943)

mental bulnerabilityは、有意にこの2つの複合指標において古典的リスク要素と独立したリスク要素として認められ、36%ほどハザード比高値  (HR, 1.366; 1.208 - 1.545)

娯楽の運動と、仕事上の運動では心血管・脳血管イベント影響が異なる可能性



EuroPrevent 2013

これのPress Release → http://www.escardio.org/about/press/press-releases/pr-13/Pages/welcome.aspx


すでに日々の仕事で身体活動おこなってる人では、レジャータイムの運動を追加することは、トレーニング効果を意味せず、むしろ心血管系への過負担となるのかもしれないという報告。

職業的労作による運動では聞いて奇異現象存在する


Demosthenes Panagiotakosらの報告は、初回卒中連続250名、初回冠動脈イベント250名の患者と、同等性マッチ化された対照500名の症例対照研究
寄与要素補正後、身体活動必要な仕事が少ないほど、急性冠症候群イベント減少(有意オッズ減少 0.81)、虚血性卒中死亡減少(0.83) :(注. %と書かれてるが20%減少とも書かれてるので%は誤植だと思われ・・・)
Panagiotakos D, Georgousopoulou E, Kastorini CM, et al. Physically demanding occupation is associated with higher likelihood of a non-fatal acute coronary syndrome or ischemic stroke: a case/case-control study, Presented at EuroPRevent 2013 Final Programme Number P67.


冠動脈疾患のない、14千名の中年男性の1994−1998年スタートの研究で、冠動脈イベント3.15年フォローアップで、娯楽運動では包括的ベネフィット効果有り、しかし、職務的運動では副事象ありという同様の結果。
娯楽による中等度・高度運動では、運動小程度に比べ、冠動脈疾患 60%減少効果有り、しかし、職業的労作による運動量ではこの予防効果は認めなかった。

Clays E, De Bacquer D, Janssens H, et al. Physical work demands and leisure time physical activity in relation to risk for coronary heart disease, Presented at EuroPRevent 2013 Final Programme Number P76


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note