2013年12月1日日曜日

【喘息】ICS/LABA合剤比較にて、LABA単独では喘息関連入院リスク増加 → ICS吸入の重要性!

COPDに対して、長時間作動型気管支拡張剤である、LABA(長時間作動型β作動性薬剤)、LAMA(長時間ムスカリニック作動性薬剤)使用を販売促進する傾向にある。

COPDにおいて、喘息要素のないピュアな症例では問題ないのだろうが、overlap syndromeが話題になってる昨今、COPD第一選択=LABA、LAMAという趨勢に関して疑念を感じる。



オーバーラップ症例比率
http://thorax.bmj.com/content/64/8/728/F3.large.jpg

70歳以上はむしろオーバーラップ症例が過半数


Dispensation of long-acting β agonists with or without inhaled corticosteroids, and risk of asthma-related hospitalisation: a population-based study
Mohsen Sadatsafavi , et. al.
Thorax doi:10.1136/thoraxjnl-2013-203998


【背景】 吸入ステロイド(ICS)に、長時間作動性βアゴニスト(LABA) 薬剤付加管理の役割は広く議論されている。定期的処方refill患者の、ICS+LABA vs ICS単独、あるいは、LABA単独の喘息関連入院リスク評価考察を試み、薬剤fill提起行ってない対象者とも比較。
【方法】 カナダ・British Columbia地域行政医療データベース(1997−2012)を用い、喘息患者コホートのnested 症例対照解析を行った。
症例は、コホートエントリー後5年間の喘息関連入院歴。
症例毎に、年齢・性別・コホート登録日、喘息重度測定数項目を20までマッチ化。
直近12ヶ月のdispensation記録についての、ICS単独、LABA単独、 ICS+LABAについての、定期暴露、不定期暴露、未暴露でそれぞえカテゴリー化。
プライマリアウトカム測定は、定期暴露カテゴリー間での喘息関連入院リスクである。 

【結果】 3319症例を 43,023対照とマッチ化。
ICS+LABAの定期dispensationの相対リスクは
・ICS単独dispensation比較で、 1.14 (95% CI 0.93 to 1.41)
・LABA単独定期dispensation比較で、 0.45 (95% CI 0.29 to 0.70)
この定期LABA dispensation症例は、ICSの少なくとも3/4ではdispensationすべき対象であり、LABA dispensation症例に対して、リスク減少となった。

【結論】ICS+LABA定期dispensationは、必ずしも、ICS単独に比べ、喘息関連入院増加リスクと相関せず。ICSアドヒアランスはより重大な喘息関連アウトカム予防への重要な要素と思われる。

2013年11月30日土曜日

ラウンドアップがらみ遺伝子組み換え関連論文:論文撤回

こういうねつ造って、ホントにはた迷惑

遺伝子組み換え食品に関する疑念を払拭、あるいは、確認のための議論を撹乱するだけ・・・

そのうち、陰謀論みたいなのが世間に流布させる連中もでてくるだろうし


Science journal retracts French study on GM foods
http://www.thestar.com/news/world/2013/11/28/science_journal_retracts_french_study_on_gm_foods.html

Elsevier Announces Article Retraction from Journal Food and Chemical Toxicology
http://www.prnewswire.com/news-releases/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology-233754901.html

  Food and Chemical Toxicology誌では、生データがない、そして、ねつ造・データの作為的虚偽証拠が指摘されている。

"Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize," by Gilles Eric Séralini et al. has been retracted by the journal Food and Chemical Toxicology (PubMed

“生化学データにて、重大な腎臓慢性障害を与える、全ての処理群、両性で見られる。ラウンドアップによる非線形攪乱作用の証明であり、遺伝子組み換えのtransgeneの過剰発現とその代謝結果である”という趣旨



1. Please see Food and Chemical Toxicology, 53 (1), pp. 440-483, for all Letters to the Editor and the response.
2. http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors#8101 [http://www.elsevier.com/journals/food-and-chemical-toxicology/0278-6915/guide-for-authors ]

性的に飢え、念願成就できないショウジョウバエは短命

雄ショウジョウバエに興奮するよう仕組まれた雄ショウジョウバエは、ことを成し遂げることができない。それにより40%ほど寿命減少する


感覚知覚は、生物学的分類学上全体の加齢、生理機能へ影響を与える。雄ショウジョウバエ・前肢ニューロンサブセットにおける特異的味覚受容体に於ける、雌・フェロモン知覚受容体を研究
受容体を雄フェロモン刺激するよう細工し、雄のハエと一緒にすると、急激かつ可逆的に脂肪蓄積減少し、飢餓抵抗性減少、生存期間を減少、報酬系neuropeptide F発現するニューロン減少する。
長寿回路発現に影響を与える生物プロセス一連の影響をHigh-throuputRNA-配列実験で証明。matingにてフェロモンの影響は可逆的で、寿命は感覚系・報酬系のintegrationにより影響を受けることが示唆される。


Drosophila Life Span and Physiology Are Modulated by Sexual Perception and Reward
Christi M. Gendron et. al.
Science DOI: 10.1126/science.1243339



むりやりホモセクシュアルにさせられて念願成就もできない、かわいそうなショウジョウバエ君を対象とした論文とは無縁だが・・・


かなり不謹慎かもしれないが、頻回に報道される、ストーカーがらみの事件に関して・・・はたと思いついたことがある。

ホルモン・オキシトシンにより男性貞操深まり、報酬系が関与する 2013/11/26 
オキシトシン: うわき防止ホルモン・貞節保持ホルモン・一夫一婦制度保持ホルモン・・・  2012/11/15

ストーカーは、稀に女性も居るようだが、圧倒的には男性。かつて交際していた女性が忘れられず、自分の手でその人生を最後としようとする身勝手さは許せない。


この行動の根幹として、雄・男性のオキシトシン作用があるのではないかと考察してみる。すなわち、オキシトシンは、他の異性に魅力を感じなくなる、「貞操保持」「浮気防止」という良い意味の感情・行動と関連するが、一方では、これが悪影響を与えるとするなら、かつての交際相手・恋慕する女性への独占欲となるわけである。

何が言いたいかというと、ヒトを含むあらゆる動物の雄・男性は、ストーカーとなる要素があるのでは? ・・・ と、妻に言ったら、「気色悪い」と言われた。


ナノ粒子を経口投与治療で応用可能へ:経上皮細胞輸送

ナノ粒子治療に関して、非経口投与が試みられている。その臨床応用の障壁となっている。
新生児Fc受容体(FcRn)は、免疫グロブリンG抗体で、上皮バリアを通過する。腸管上皮をも通過するわけで、これを用いてナノ粒子経口治療に使用可能となるという報告



Transepithelial Transport of Fc-Targeted Nanoparticles by the Neonatal Fc Receptor for Oral Delivery
Sci Transl Med 27 November 2013:  Vol. 5, Issue 213, p. 213ra167 
Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3007049
Eric M. Pridgen, et. al.

乳がん:コレステロール主要代謝産物 27HCの関連性、 代謝の鍵 CYP27Aとの関連性 ・・・ 予防・治療に関連?


REPORT
27-Hydroxycholesterol Links Hypercholesterolemia and Breast Cancer Pathophysiology
Erik R. Nelson, et.al.
Science 29 November 2013: Vol. 342 no. 6162 pp. 1094-1098 
DOI: 10.1126/science.1241908

高コレステロール血症は、エストロゲン受容体陽性乳がん患者のリスク要素であり、内分泌治療への反応性減少要素である。


コレステロールの主要代謝産物、27hydrocholesterol (27HC)と、エストロゲン受容体、肝臓X受容体(LXR)リガンドはER依存増殖及びLXR-依存転移増加を、乳がんマウスモデルで見いだした。主要病理でのコレステロールの影響は、cytochrome P450 oxidase CYP27Aによる27HC変化が必要とされ、CYP27A1抑制でその影響は減弱される。


ヒト乳がん標本でも、CYP27A1発現レベルが、腫瘍増殖と相関

高度腫瘍にて、ヒト細胞と腫瘍関連マクロファージがこの酵素レベル発現を示す。


循環中コレステロールレベルや、27HCへの代謝への影響を調整することが、乳がん予防に役立つ可能性がある。

2013年11月29日金曜日

アセトアミノフェン:パラセタモール中毒に対するアセチルシステイン短期投与改良プロトコールは有効で副作用軽減

 カロナール(アセトアミノフェン)の成人における用量拡大ならびに効能追加が2011年なされている、成人用量として、1回300〜1000mg、1日4000mgまでと、それまでに比べ処方可能量が増加している。
 そして、例のネット販売など、OTC薬剤など入手容易性は拍車がかかっている。

 薬剤のネット販売などもこの副作用事例増加に寄与するだろうと思うが、おかまいなしのネット業者たち

 いずれにせよ、日本では、パラセタモール(アセトアミノフェン)中毒の蓋然性が、急激に高まっていることは確か・・・救急医療や中毒医療にとって留意すべき時代である。

 パラセタモール(アセトアミノフェン)毒性はその使用頻度や入手性が簡単なためかかなり報告が多い。その治療は静注アセチルシステインであるが、そのレジメンは複雑で、その濃度により副作用と関連し、治療中断につながる可能性がある。より短期化、制吐予防という、副作用を軽減目的の投与法の開発目的の治験。

 アセチルシステイン(ムコフィリン)に関して→http://medical.radionikkei.jp/medical/suzuken/final/020530html/index_2.html
アセチルシステイン内用液17.6%「ショーワ」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929006S1030_2_01/これには、「初回にアセチルシステインとして140mg/kg、次いでその4時間後から70mg/kgを4時間毎に17回、計18回経口投与」と記載

この投与法に関して、改良プロトコールに関する二重盲験ランダム化区分研究(英国病院、2010年9月6日から2012年12月31日)

 結論から言えば、12時間アセチルシステイン改良レジメンにて嘔吐少なく、アナフィラキシー藩王少なく、治療中断必要率減少し有効
ただ、標準アプローチ比較で、短期改良プロトコール非劣性評価できず

Reduction of adverse effects from intravenous acetylcysteine treatment for paracetamol poisoning: a randomised controlled trial
Prof D Nicholas Bateman ,et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 28 November 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)62062-0


http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01050270
Arms Assigned Interventions
Ondansetron /acetylcysteine 20.25h
Ondansetron followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 20.25h
placebo followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Ondansetron/acetylcysteine 12h
ondansetron followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 12h
placebo followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1


ランダム化 222名、評価 217名


2時間後嘔吐、吐気、制吐剤必要性
・ 短期改良プロトコール 39/108 vs 標準アセチルシステイン・レジメン 71/109 ;補正オッズ比 0.26, 97.5% CI 0.13—0.52; p < 0.0001 
・ オンダンセトロン投与群 45/109 vs プラシーボ 65/108: 0.41, 0.20—0.80; p = 0.003


重度アナフィラキシー反応
短期改良レジメン群 5名 vs 標準プロトコール群 31 ; 補正commonオッズ比: 0.23, 97.5% CI, 0.12-0.43; p < 0.0001

アラニンアミノトランスフェラーゼ活性50%増加比率
・標準群、短期改良レジメン群に差を認めず (9/110 vs 13/112);補正オッズ比 0.60 , 97.5% CI, 0.20-1.83)
・しかし、オンダンセトロン群発症比率増加; 16/111 vs 6/111; 補正オッズ比 3.30 , 1.01-10.72 ; p = 0.024





secukinumab:エタネルトセプト:強直性脊椎炎 有効性・安全性二重盲験臨床トライアル

強直性脊椎炎は、進行性の炎症性脊椎炎症、脊椎強直、末梢性関節炎を特徴とする慢性自己免疫性疾患であり、IL-17が鍵となる炎症性サイトカインとされている。

抗IL-17Aモノクローナル抗体である、secukinumabの有効性安全性評価治験

ランダム化二重盲験proof-of-concept研究(ドイツ 4、オランダ 2、英国 2)
18−65歳を4:1割り付け(2×10 mg/kg)とプラシーボ 3週間分離投与




Anti-interleukin-17A monoclonal antibody secukinumab in treatment of ankylosing spondylitis: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
Dominique Baeten , et. al.
The Lancet, Volume 382, Issue 9906, Pages 1705 - 1713, 23 November 2013 
Published Online: 13 September 2013

プライマリ有効性エンドポイントは、6週目Assessment of SpondyloArthritis international Society criteria for improvement (ASAS20) スコア(ベイズ解析)
安全性は28週目評価
37名の中等度・重度強直性脊椎炎をふるい分けし、30名をランダム化
secukinumab n=24 vs プラシーボ n=6
最終有効性解析対象は、secukinumab 23 、プラシーボ 6、安全性検討対象は30名全員

6週目、ASAS20治療反応は、介入群 59% vs プラシーボ 24%
(プラシーボ比較優越性確率 99.8%)
重度副事象、黄色ブドウ球菌による皮下膿瘍が1例、重度副事象として介入群で生じた。


参考:ノバルティスのsecukinumab(AIN457)、エタネルセプトに対して優越性を立証 乾癬に対する直接比較第III相臨床試験において http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20130718.html

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...