2014年5月1日木曜日

スタチン使用者は、カロリー摂取・脂肪摂取増加し、BMIも増加する

米国National Health and Nutrition Examination Survey(1999年から2010年)の20歳以上の繰り返し横断調査
カロリーと脂肪摂取を24時間食事回想記録。一般化線型モデルにて、食事摂取とスタチン使用有無のタイムトレンドを、寄与要素補正後検討


Different Time Trends of Caloric and Fat Intake Between Statin Users and Nonusers Among US AdultsGluttony in the Time of Statins?
Takehiro Sugiyama, et.al.
JAMA Intern Med. Published online April 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.1927 

1999−2000年の間に、カロリー摂取は、スタチン使用者では、非使用者に比較して有意に減少  (2000 vs 2179 kcal/d; P =  .007)

群間差は、期間推移と共に減少し、2005−2010年の期間では統計学的差が無くなる。
スタチン使用者では、カロリー摂取は2009年から2010年の期間では、1999−2000年の期間に比べ9.6%増加 (95% CI, 1.8-18.1; P = .02) 

一方、同期間の非使用者の検討では、統計学的差は認めない。


スタチン使用者は又、1999−2000年の間は、脂肪摂取有意に減少 (71.7 vs 81.2 g/d; P = .003)
非スタチン使用者では有意な差はなかったが、スタチン使用者では脂肪摂取量14.4%増加   (95% CI, 3.8-26.1; P  = .007) 

一方、BMIは、補正モデル比較にて、スタチン使用者 (+1.3)では、非使用者 (+0.4) に比べ増加  (P = .02)

結論としては、カロリー・脂肪摂取はスタチンユーザーにて経年的に増加し、スタチン非使用者ではその傾向が見られない。
BMIの増加速度は、スタチンユーザーで急速で、食事コントロール目標として、現時点で甘くなってるのでは?食事構成成分の再強調がスタチンユーザーには必要。




スタチンユーザーのこの食傾向の変化は、考察として、非ユーザーのデータが食事回想インタビュー中に行われたことで、使用者に比べsocial desirability bias(調査に関して理想的回答してしまうバイアス)の可能性がある。2番目としては、繰り返し同一被検者ではないため、同一個人内比較ではない。

ただ、スタチンユーザーが大食らい傾向にある可能性もある。この説明はなされてない。


スタチンの副作用として、糖尿病発症リスク増加が示されてるが・・・

スタチンの種類と、糖尿病新規発症リスク ・・・ポテンシャルの高いスタチンほど糖尿病発症リスク高い
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/05/blog-post_24.html


高用量抗うつ薬:若年成人から子供は自傷行為2倍増加と関連

住民ベース医療リソース利用データ(16万名超、米国民、うつ10−64歳)の propensity score–matched cohort study


Antidepressant Dose, Age, and the Risk of Deliberate Self-harm
Matthew Miller, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 28, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.1053


小児と4歳以下成人での意図的自傷率は、高用量治療開始で、中等量開始マッチ化対象に比べ、2倍 (hazard ratio [HR], 2.2 [95% CI, 1.6-3.0])、これは、150名の高用量治療開始につき約1例の付加的状況となる。


25−64歳成人では、自殺行為の絶対リスクはかなり低く、影響リスク差はnullである  (HR, 1.2 [95% CI, 0.8-1.9]).

2014年4月30日水曜日

乳がん:診断時ビタミンD濃度と生存率との関連性はある。しかし、介入試験結果ではないのでビタミンDサプリメント有効かどうかは示せないはず・・・

ビタミンDの耐糖能・インスリン抵抗性への効果閾値:25(OH)D 26 μg/L :http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/04/dohd26-gl.html

・・・という報告があったが、今回はがん死亡率の関連の話題


 乳がん診断時血中25−OHD濃度高値 と、その生存率の関連性をpooled ハザード比(random-effects model)



結論として、25-(OH)D 30−80 ng/mlへ全患者を改善すべきとしているが、果たしてどうか? 

だが、暴走気味の著者等は、"There is no compelling reason to wait for further studies to incorporate vitamin D supplements into standard care regimens since a safe dose of vitamin D needed to achieve high serum levels above 30 nanograms per milliliter has already been established,"とふざけたことを述べている

だが、ビタミンDサプリメントは過剰評価され推奨量では効果は無いことは、Lancet Diabetes & Endocrinologyの、心疾患・卒中・骨・がんのような慢性疾患への効果はさほど明確なものではなかった。


診断時の血中濃度と死亡率の関連性があきらかなだけで、決してビタミンD投与介入結果というわけではないから・・・筆者の主張は暴走である。

以下・・・論文原文

Meta-analysis of Vitamin D Sufficiency for Improving Survival of Patients with Breast Cancer
SHARIF B. MOHR et. al.
Anticancer Research March 2014 vol. 34 no. 3 1163-1166



各研究死亡率4分位比較ハザード比




  包括的量効果関連(25水酸化ビタミンDと乳がん死)



ハザード比と標準誤差(Funnel Plot)

2014年4月28日月曜日

米国一般内科医学会:無症状者へ年次検査すべきでない!

無症状成人への年時チェック喚起しないようにという、the Society of General Internal Medicineの推奨

American Board of Internal Medicine (ABIM) FoundationによりSGIMへの、Choosing Wisely campaign推奨を問いかけられたが、患者・医師間での必要性議論について検討がなされた。

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AdditionalMeetings/45445


"Don't perform routine general health checks for asymptomatic adults"



5つの医師患者疑問点のうち、以下4つを指摘

・2型糖尿病患者・非インスリン使用・血糖連日測定
・低リスク外科手術前のルーチンの術前検査
・平均余命10年内確率者へのガン検診
・患者・医療側都合による、末梢挿入中心静脈カテーテル挿入、留置

それと、健康と思われる無徴候成人への年次健康チェック について、15万名超の高品質システマティック・レビューで明らかなベネフィットが示せなかった。時間や金銭の損失だけで無く、無益な検診への潜在性ストレスを上回る、ベネフィットは認めない。

患者側から「医師との関連構築したいのになぜ年次検査を断る」という疑念が出てきたときの答えを準備しておかなければならない。すなわち、検査以外にすべきことがある・・・と。

無症状・無所見健康者への年次検査は、表層的で、リスクをともなうものである


日本のアホ検診行政・検診業者に見せたい内容


インクレチン関連薬剤での急性膵炎リスクは今のところ否定的(但し、SU剤比較での話)

ファーマコビジランス警告がインクレチン関連薬剤の膵疾患イベントについてなされた。


GLP-1関連薬剤・DPP-4関連薬剤のメーカーはリスク警告自体を言及してないと思うが、臨床的には潜在性リスクが危惧されている。



住民ベースのUKコホート研究(Clinical Practice Research Datalink)

SU剤と比較してのインクレチン・ベース680名のGP


Incretin based drugs and risk of acute pancreatitis in patients with type 2 diabetes: cohort study
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g2780 (Published 25 April 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g2780

急性膵炎粗発生率は、
インクレチン・ベース治療 1千名対1.45人年(95%信頼区間、 0.99 to 2.11)
SU剤使用 1.47人年 (95% CI, 1.23 to .176)


SU剤比較にて、急性膵炎発生率増加示さず  (hdPS adjusted hazard ratio: 1.00, 95% confidence interval 0.59 to 1.70)


2014年4月26日土曜日

心血管疾患寿命延長効果ベネフィットに対するageinst medication disutibility

ワクチンも薬剤も、その有害性を誇大強調し薬剤utilityを阻害する運動をしている一群、医師たちも含まれる集団や個人が存在する。薬剤による寿命延長効果、QOL改善効果が期待されている以上それを過度に阻害する運動は公序良俗に反し、非公衆衛生的。科学的批判は大いに行うべきだが、勝手な解釈だけで、一般大衆における公衆衛生阻害活動をマスメディアはセンセーショナルに煽り、出版利益・視聴率稼ぎを行う。



スタチンに関しては 、その適応範囲に大いに議論があるとは言え、高リスク群(治療高ベネフィット群)が存在することは確か、それを無視して、薬害だけをあおる行動、アドヒアランスを阻害する行動を、厚労省など行政は牽制すべきと思うのだが・・・それだけの度胸はないようだ・・・



ロンドンでの一般大衆360名をランダムに解析し、理想的予防的薬剤服用と、生存期間付加が望まれるdisuilityをmedical aversionとして定量評価



Patient-Accessible Tool for Shared Decision Making in Cardiovascular Primary Prevention: Balancing Longevity Benefits Against Medication Disutility
CIRCULATIONAHA.113.007595 Published online before print April 17, 2014, doi: 10.1161/​CIRCULATIONAHA.113.007595 


予防治療価値あると判断された被験者、6ヶ月中央期間(IQR1から36ヶ月)1日から10年を超えるrangeのdisutility分布


50歳以上のスタチンによる延命期間期待年数は3.6ヶ月(低リスク女性)から24.3ヶ月(高リスク男性) である


スタチンによるベネフィット高期待群、すなわち、高リスク群でさえ、1/4以上薬剤利用せず。一次予防においてはさらに・・・

パラダイム・シフトとなるか!:線維筋痛症疼痛:皮膚小型神経線維ニューロパチーが原因?

線維筋痛症は、中枢神経系検査では所見認めず、心気症などと鑑別困難となる。末梢性、特に、皮膚神経末端に病理があるとしたら・・・見当違いの検査と判断が多くなされてることとなる。中枢神経系のsensitizationの問題でなく、小線維ニューロパチーがその本体の可能性の示唆が示された。


IL2-Rマーカーや皮膚生検の診断利用なども本格的に検討されるべきだろう


線維筋痛症47名連続患者と対照比較

大型線維、脱髄性末梢性多発神経症で、CIDP(chronic iflammatory demyelinating polyneuropathy:慢性炎症性脱髄性多発神経炎)類似病理所見が見られた。


ふくらはぎ及び大腿部のENDF(epidermal nerve fiber density :表皮神経線維密度)の分析を主体に検討し、対照群に比べ、線維筋痛症でのENFD減少明らかであった。


加齢だけでは説明できない所見で、とくに、ふくらはぎのENDFは、血中IL-2Rと逆走完成に減少し、おそらく、皮膚小型神経線維ニューロパチー:皮膚SFN(small fiber neuropathy)が線維筋痛症疼痛に寄与する病態と考えられる。


"Evidence of abnormal epidermal nerve fiber density in fibromyalgia: clinical and immunologic implications"
Caro X, Winter E 

Arthritis Rheum 2014; DOI: 10.1002/art.38662.





全てのFM患者は、ストッキング・パターンのhypesthesia(知覚鈍麻)


FM患者のENFD平均値は、対照群比較で、腓腹筋部、大腿部ともに低下   (5.8 ± 2.8 SD vs. 7.4 ± 1.9 SD; P < 0.0002、(9.3 ± 3.2 SD vs. 11.3 ± 2.0 SD; P < 0.0007)


FM患者において、腓腹筋部ENFDと皮膚生検のタイミングである年齢は逆相関 (r = - 0.29; P = 0.03)、対照群では相関性観察されない。


ANCOVAにて、説明因子として、加齢単独不可
血清学的評価は、FM患者では、腓腹筋部ENFDとT細胞/マクロファージ活性マーカーであるIL-2Rとの逆相関が見られた   (r = - 0.28; P = 0.04)


大腿ENFDと血中IL-2Rの相関分析では、有意差認めず   (P = 0.08)


腓腹筋部/大腿部ENFD比解析にて、FM患者でのENFD減少は、びまん性広がり、長さ広がり、プロセスともに関連していることが示された。



HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...