2014年6月12日木曜日

閉塞型無呼吸:CPAP療法は酸素療法より血圧管理上有益、炎症性マーカー改善も

CPAP治療は、酸素療法にくらべ、血圧コントロールに優れている。
さらに、炎症性マーカーを改善する。ただし、減量との併用がのぞましい。


"CPAP versus oxygen in obstructive sleep apnea"
Gottlieb DJ, et al 
N Engl J Med 2014; 370: 2276-2285. 
HeartBEAT trial、OSA(閉塞型無呼吸)において、心血管疾患リスク状態にあるpopulationにて、CPAPは、酸素投与法より2.8mmHgほど平均動脈圧を減少させる。


 "CPAP, weight loss, or both for obstructive sleep apnea"
:Chirinos JA, et al
N Engl J Med 2014; 265-2275. 
CRP高値肥満患者の二次トライアルにて、CPAPは、減量やその2つの組み合わせと同等の炎症マーカー減少もたらすが、CPAP+減量にてインスリン抵抗性、TG、血圧値においてはベスト



エディトリアル:
"Cardiovascular morbidity and obstructive sleep apnea"
Basner RC 
N Engl J Med 2014; 370: 2339-2341. 



最近に気になること
日本では、睡眠時無呼吸症候群の臨床普及はつい最近のことで、臨床家自体の経験は総じて浅い。故に、テレビなどで解説する医師たちの知識不足が目立 つ。妙に突然死を強調したり、薤による気道閉塞を強調して本来の動的上気道閉塞の意味を理解してない解説がほとんど。超肥満では閉塞型無呼吸がかえって減 少する理由や、中年・男性に特に頻度高い理由を考えれば自明なのに・・・閉塞型無呼吸の前提は強い吸気が必要。故に、閉塞型無呼吸による突然死は通常あり えないし、高齢者や超肥満者のうち吸気パワーの少ない症例では動的気道閉塞がよわまり、その程度は軽減する。



2014年6月11日水曜日

睡眠は学習・記憶のためのニューロンspine形成の鍵

電子カルテ移行のため、時間がとれない!故に、記載おくれ


Sleep promotes branch-specific formation of dendritic spines after learning
Science 6 June 2014: Vol. 344 no. 6188 pp. 1173-1178 DOI: 10.1126/science.1249098
睡眠がいかに学習・記憶の手助けになるかは未知。運動学習後のマウス運動皮質は、それぞれのブランチサブセットにおける、layer V 錐体神経細胞において、シナプス後樹状細胞spineの形成を促進する。運動神経系タスクによる活性化したニューロンは、NREM睡眠中に再活性化し、このニューロン再活性化が阻害されるとbranch-specificなspine形成を温存する音となる。
これは睡眠こそが、学習依存的シナプス形成促進及び、選択的樹状突起温存、すなわち記憶蓄積に重要な役割を果たすことが示唆される知見。

2014年6月7日土曜日

衛生仮説:生後3年間アレルゲン感作と喘鳴関連するも、1年間では逆相関;細菌感染で喘鳴リスクなど減少

喘息に於ける、衛生仮説。この種の調査対象、すなわち、喘息との関連では、米国貧困地域での検討が多い。同様なシチュエーションのみで同様の報告を繰り返しているだけのような気もするのだが・・・
 

Urban Environment and Childhood Asthma study


Effects of early life exposure to allergens and bacteria on recurrent wheeze and atopy in urban children
Lynch SV, et al
J Allerg Clin Immun 2014; DOI: 10.1016/j.jaci.2014.04.018. 


生後3年間累積アレルゲン暴露 は、アレルギー感作と相関
生後3年間の感作は反復喘鳴と関連する
一方、ゴキブリ、マウス、猫アレルゲンへの生後1年間の暴露は、再発性喘鳴と逆相関(オッズ比 0.60、 0.65~0.75、 p< 0.01)

ハウスダストバクテリア含有量の違い、特にフィルミクテス門(Firmicutes、ファーミキューテス、グラム陽性細菌門)、バクテロイデス門(-もん、Bacteroidetes)の暴露減少は、アトピー及びアトピー性喘鳴と相関する。

両アレルゲンの高度暴露と、生後1年のバクテリアサブセットはアトピーや喘鳴無しの子供に多い。

朝食を抜いても太らない(しかし、体重以外への影響は不明)

朝食は、一日のうち最も重要な食事で、減量助言上朝食を抜かないようにと指導されるのが常。それはほんとうなのだろうか?疑問を呈する2つの報告。



朝食摂取あるいは朝食を抜くよう指示することは、自己報告に基づく朝食習慣変容という面では影響をもたらす。しかし、自由生活成人において、一般に信じられているような、朝食を抜く抜かないでのあきらかな影響はない。

The effectiveness of breakfast recommendations on weight loss: a randomized controlled trial 
First published June 4, 2014, doi: 10.3945/​ajcn.114.089573
Am J Clin Nutr August 2014 ajcn.089573

多施設16週、3平行群RCT、健康な過体重・肥満成人 (BMI 25-40)、20−65歳
プライマリアウトカムは体重、309名中283名をランダム化。
・朝食をとるよう指示した介入群
・朝食をスキップするよう指示した介入群:NB
を、対照群と比較。ランダム化は、ランダム化前朝食習慣にて選別化。
群間で、減量への影響少なく、初期朝食摂取状況・治療群に有意な影響無し
スキッパー群のうち、ベースラインの体重・年齢・性的・研究施設場所・人種補正体重変化同補正平均(±SD)は、対照群、朝食摂取群、NB群で−0.71 ± 1.16、 −0.76 ± 1.26、  −0.61 ± 1.18 kg
(おそらくランダム化前習慣で)朝食摂取習慣者内比較では、体重変化同補正平均(±SD)は、対照群 −0.53 ± 1.16、朝食摂取介入 −0.59 ± 1.06、朝食スキップ群(NB) −0.71 ± 1.17 kg。
自己報告コンプライアンスは、朝食群 93.6%、 NB群 92.4%。


横断研究に基づけば、朝食は健康上重要ということだが、自由行動下RCTにて、朝食割り付け(午前11時前に 700kcal以上)vs 空腹(12時までに0kcal)という割り付けという状況の朝食習慣と、エネルギーバランスの検討にて、朝食摂取は、やせ成人の身体活動thermogenesis増加と原因的に関連し、食事エネルギー摂取増加と伴うが、安静時代謝には影響を及ばさない。。心血管健康指標には影響を与えないが、朝食は午後・夜の安定した血糖状況をもたらす。

The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults
Am J Clin Nutr doi: 10.3945/ajcn.114.083402.



この2つの報告は、朝食を抜くことを是認するものなのだろうか?私にはそうは思えない。朝食を含む摂取総カロリーがやはり重要ということはかわりはないという事実認定にすぎないということにも見えるし、2つめの論文の解釈として糖代謝影響だけでも日内血糖変動に影響を与えているともとらえることが出来る。これらが認知機能や筋骨格機能へ、特に朝方悪影響をあたえないとは限らない。



2014年6月6日金曜日

eGFRの急激な減少は、その後の予後(終末腎、死亡率)へ大きな影響を与える

eGFRの急激な減少は、その後の予後(終末腎、死亡率)へ大きな影響を与える。eGFRの経時的把握が必要で、悪化評価とその対応の適正化が今後の課題。



Decline in Estimated Glomerular Filtration Rate and Subsequent Risk of End-Stage Renal Disease and Mortality Josef Coresh, et. al.
toshi Iseki, et. al.
JAMA. Published online June 03, 2014. doi:10.1001/jama.2014.6634

メタアナリシス:12344ESRD、CKD Prognosis Cosortium35コホート(3年間)

主要アウトカムは、2年間に及ぶEGFR%変化率とそれに呼応する、ESRD・全原因死亡リスク(寄与共役補正、初期eGFR補正)


ESRDと死亡率の補正ハザード比(HRs)は、eGFR減少とともに高くなる。

ベースラインeGFR < 60 mL/min/1.73 m2の対象者で、ESRD補正HRは、 eGFR変化率 -57%で、 32.1 (95% CI, 22.3 - 46.3)、-30%で、5.4 (95% CI, 4.5 - 6.4)

しかし、-30%以上の変化の方が、-57%の変化より多い (6.9% [95% CI, 6.4%-7.4%] vs 0.79% [95% CI, 0.52%-1.06%])

この相関は、ベースライン(1-3年の間)、ベースラインeGFR、年齢、糖尿病状況、アルブミン尿横断的に強力で、一致したものである。


(ベースラインeGFR 35 mL/min/1.73 m2における)ESRD10年間補正リスクは、eGFR -57%減少で 99% (95% CI, 95%-100%)、 eGFR -40%減少で 83% (95% CI, 71%-93%)、 eGFR -30%減少で、 64% (95% CI, 52%-77%)、eGFR 0%変化で、18% (95% CI, 15%-22%)


対応する死亡リスクは、 77% (95% CI, 71%-82%)、 60% (95% CI, 56%-63%)、 50% (95% CI, 47%-52%) vs 32% (95% CI, 31%-33%)、同様だが、こちらの相関性は弱い。




End-Stage Renal Disease (ESRD) Associated With Percentage Change in Estimated GFR During a 2-Year Baseline Period
-70%未満のeGFR値低下(eGFR<60 p="">
 trimmed at less than −70% change (0.22% and 0.055% of the study population for estimated GFR <60 m="" min="" ml="" sup="">2
and ≥60 mL/min/1.73 m2, respectively) and greater than 40% change (5.9% and 0.51% of the population for estimated GFR <60 m="" min="" ml="" sup="">2 and ≥60 mL/min/1.73 m2, respectively). 

In the top 2 panels, the diamonds indicate the reference point of 0% change in estimated GFR.











SSRIの卒中前使用は、出血性卒中オッズ増加と関連

怒ったことを根深く覚えてる場合とすぐ忘れることがある。旧藤沢製薬(現アステラス)のMRの「当社SSRIに脳出血イベント増加の報告はありません」とその場で断言したことへの怒りは10年以上立った今でも忘れてない。・・・ われながら執念深い。アステラスMR.の「シムビコートいい加減な販促」、すなわち、「好きなときに吸えば良い」という(基礎吸入を確保した上でのレスキュー投与を無視する)無責任販促を見聞きし、海馬に、再プリントされ、今に至っている。


SSRIは、出血リスク増加に関与するが、卒中時神経防御的効果可能性もある。卒中前のSSRI使用による出血性・虚血性卒中への影響を、レジストリベースのpropensity scoreマッチ化フォローアップ研究にて調査(デンマーク)

30日以内の重症卒中・死亡のオッズ比を補正するため多条件化ロジスティック回帰



Impact of Prestroke Selective Serotonin Reuptake Inhibitor Treatment on Stroke Severity and Mortality
Janne Kaergaard Mortensen, et. al.
STROKEAHA.114.005302 Published online before print June 3, 2014
doi: 10.1161/​STROKEAHA.114.005302

1252名の出血性卒中(卒中前 SSRI 使用 626、 未使用 propensityマッチ化 626名)にて、
SSRI使用は、卒中重症化リスク増加と関連(補正propensity scoreマッチ化オッズ比    1.41; 信頼区間, 1.08–1.84) 、30日内死亡リスク増加(補正propensity scoreマッチ化オッズ比 1.60; 信頼区間, 1.17–2.18).


8956名の虚血性卒中(SSRI 使用 4478、 未使用 4478、propensityマッチ化)のうち、 卒中前SSRI使用は重症卒中リスク、30日内死亡リスクと関連せず





2014年6月5日木曜日

125万名調査:高血圧と12の心血管疾患の関連性




Blood pressure and incidence of twelve cardiovascular diseases: lifetime risks, healthy life-years lost, and age-specific associations in 1·25 million people
Eleni Rapsomaniki ,et. al.
The Lancet, Volume 383, Issue 9932, Pages 1899 - 1911, 31 May 2014
doi:10.1016/S0140-6736(14)60685-1Cite or Link Using DOI


中央値5.2年間、心血管疾患最小リスクは、収縮期血圧90-114 mmHg、拡張期血圧 60-74mmHgで、それ以下での、いわゆる、J-shapedリスク増加エビデンスはみられない。

高血圧の影響は、心血管疾患エンドポイントでばらつき有り、強い影響から、影響無しまで。
収縮期血圧高値は、ICH(頭蓋内出血)、SAH(くも膜下出血)、安定狭心症、AAA(腹部動脈瘤)と関連(ハザード比  1·44 [95% CI 1·32—1·58]、1·43 [1·25—1·63]、1·41 [1·36—1·46]、1·08 [1·00—1·17])

拡張期血圧に比べ、収縮期血圧の方が、より影響大きいのは、狭心症、心筋梗塞、末梢血管疾患。だが、拡張期血圧の方が影響があるのは、AAA。

脈圧と、AAAは逆相関性 (HR per 10 mm Hg 0·91 [95% CI 0·86—0·98]) 、PAD (1·23 [1·20—1·27])で最もその影響がある。

高血圧患者(血圧 140/90 mmHg以上)あるいは降圧剤服用者は、包括的心血管疾患の生涯リスクは30歳で、63·3% (95% CI 62·9—63·8)、正常血圧  46·1% (45·5—46·8)で、5 (95% CI 4·8—5·2)年早く心血管疾患発症することに相当。

安定・不安定狭心症が、指数年齢30歳で、43%を占め最も多い。一方、心不全、安定狭心症は80歳を指数年齢とすると最も多いが、ともに19%程度。

noteへ実験的移行

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