2016年1月21日木曜日

オピオイド作用薬剤 エルクサドリンの下痢型過敏性腸症候群トライアル

下痢型過敏性腸症候群(IBS-D)治療薬 Viberzi(一般名:エルクサドリン)、Xifaxan(一般名:リファキシミン)はFDA承認されている。

エルクサドリンは、オピオイド効果(μ-、κ-オピオイド受容体アゴニスト、 δ-オピオイド状態アンタゴニスト)を有する新規経口薬剤


IBS-3002トライアル:26週間、 IBS-3001トライアル:52週間の投与量 75mg×2 vs プラシーボ比較治験

プライマリエンドポイントは腹痛の減少効果と便の硬度改善組み合わせで1週目から12週、1週目から26週の最小50日改善比率



Eluxadoline for Irritable Bowel Syndrome with Diarrhea
Anthony J. Lembo, et. al.
N Engl J Med 2016; 374:242-253January 21, 2016

1週目から12週目まで、エルクサドリン (75 mg 及び 100 mg) 群はプラシーボよりプライマリエンドポイント到達比率高い
IBS-3001 trial:75-mg dose 23.9% 、100-mg dose  25.1% vs. プラシーボ 17.1% ; P=0.01 and P=0.004
IBS-3002 trial:28.9% 、 29.6% vs. 16.2%; P<0 .001="" both="" br="" comparisons="" for="">
1週目から26週目、それぞれ 
IBS-3001: 23.4% 、29.3% versus 19.0% (P=0.11 and P<0 .001="" br="">IBS-3002: 30.4% 、32.7% versus 20.2% (P=0.001 and P<0 .001="" br="">

最頻副作用は吐気で、 75mg 8.1%、100mg 7.5% vs プラシーボ 2.5%
続いて、腹痛 5.8%、7.5% vs プラシーボ 5.1%、便秘 7.4%、 8.6% vs プラシーボ 2.5%、腹痛 5.8%、7.2% vs プラシーボ 4.1%

膵炎発症 75mg 2例、 100 mg 3例


オピオイド受容体
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?オピオイド受容体

2016年1月20日水曜日

担がん患者終末期死亡場所、医療状況、入院費用:7先進国比較

病院死を議論するときに問題になるのは、病院と在宅の中間をどう評価しているかにより数値指標に影響があるということ


ホスピスなどの施設整備が充実していれば、がんの病院死は少なくなるだろう。そして在宅周辺環境が整っていれば・・・


先進国病院死の比較状況報告


医療費に関して言えば、カナダ・ノルウェーのような終末期医療費の高い国と、イギリス・オランダのような低い国と その中間に分けられる

医療費高くても、病院での死を選ぶ、カナダ・ノルウェー、特に北欧であるノルウェーは在宅介護充実しているという朝日新聞の喧伝からは意外。




Comparison of Site of Death, Health Care Utilization, and Hospital Expenditures for Patients Dying With Cancer in 7 Developed Countries
Justin E. Bekelman, et. al.; for the International Consortium for End-of-Life Research (ICELR)
JAMA. 2016;315(3):272-283. doi:10.1001/jama.2015.18603.


米国(65歳超死者コホート, n=211,616)、オランダ(n=7,216)が最も病院死少ない(それぞれ 22.2%、29.4%)


ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、ノルウェーでは病院死の比率が高く、それぞれ 51.2%(n=21,054)、52.1%(n=20,818)、41.7%(n=97,099)、38.3%(n=24,434)、44.7%(n=6,636)

死亡前180日間において、米国の死亡者の40.3%ではICU入室あり、他国では18%未満。


死亡前180日間において、人頭あたり平均病院医療費は、カナダ、ノルウェー、米国で高く、それぞれ 21, 840、19 ,783 、18 ,500 米国ドル
中間は、ドイツ 16 221米ドル、ベルギー 15 699 米ドル
最小は、オランダ 10, 936 米ドル、イギリス 9,342 米ドル




二次解析でも同様



日本でも自宅死は増えているようだが、かなり少ない



都市部のめぐまれた地域で政策を作ってる役人や政治家の妄想で在宅診療の考想がねられている。地域毎の事情・実情など無視して厚生行政作るからニーズに応じられない。

にもかかわらず、役人・政治家は、都道府県を平準化しようとしている愚策を弄する状況

田舎に在住している身から考えれば、在宅療養というのはかなり恵まれた地域・家庭環境の特殊なお話。一般的には子供たちは遠隔都市部に住み、老々世帯が多い。それだけでなく、訪問診療をかなり嫌う地域も存在する。実際、訪問診療のニーズかなり乏しい。
患者の来院厳しく訪問診療を約束して居宅に向かったところ、玄関に家族に仁王立ちされてまるで押し売りに対する対応をとられたこと・・・数回

一開業医は 今までの苦い経験から在宅診療に対してやる気が起きない・・・




前向きコホート:果物・野菜

果物・野菜なら何でも良いというわけではなさそうだ・・・
この研究では、野菜摂取増加すれば高血圧発生頻度抑えられるとは言えない



Epidemiology/Population
Fruit and Vegetable Consumption and the Incidence of Hypertension in Three Prospective Cohort Studies
Lea Borgi ,et. al.
Hypertension. 2016; 67: 288-293


前向き調査による、果物(ジュース除外)と野菜摂取全量、全ての果物・野菜の消費量と、3つの縦軸コホート研究(Nurses’ Health Study (n=62 175)、 Nurses’ Health Study II (n=88 475)、Health Professionals Follow–up Study (n=36 803))における高血圧発生率の独立性調査。


結果は、果物のかなりの長期間の摂取量と、消費量増加が、高血圧発症リスクを減少するかもしれないと報告
・野菜・果物消費量を高血圧リスク要素補正後ハザード比と95%信頼区間計算
・週4サービング以下の摂取量と比較し、4サービング以上でのプール化ハザード比は、総果物摂取量では 0.92(0.87–0.97)、総野菜摂取量では  0.95(0.86–1.04)
・同様に、果物もしくは野菜消費量増加しない被検者と比較し、週7サービング以上増加の場合プール化ハザード比は、総果物摂取量では 0.94(0.90–0.97) 、総野菜摂取量では0.98(0.94–1.01)





・果物と野菜の個別的解析では異なる結果を生じている
・ブロッコリー、ニンジン、豆腐、ダイズ、レーズン、リンゴの消費量週4サービング以上では、それら総量週あたり1サービング未満に比べ、血圧リスク減少と相関する











トクホ前提の提出研究の摩訶不思議

血圧対策が出来るトクホ(特定保健用食品)のおしょうゆ
http://xn----u8t5hu57idsjxy5e8g1a.net/k_m_dps.html

としながら・・・

「特定保健用食品の評価書」では、効果ではなく、安全だと記載しているに過ぎない。
これって・・・詐欺じゃないの?
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc10_nf40_mamechikara_240119.pdf



前述の報告のように、果物野菜の総量でやっと評価できるほどの効果しか無いのに、特定の食品だけで降圧効果を期待すること自体が間違えている。厚労省は担当省庁なのに国民に謝ったメッセージを与えている・・・クソ役所

2016年1月19日火曜日

高齢者入院患者へのHMB含有高カロリー経口栄養サプリメントの効果 死亡率減少


65歳以上入院高齢者は栄養不良高リスクであり、その後の臨床的・経済的アウトカムに強く影響を与え、死亡率や非待機的入院リスクを高める可能性がある


3-ヒドロキシイソ吉草酸β-Hydroxy β-MethylButyrateを含む、HP-HMB(高カロリー経口栄養サプリメント)の栄養不良、入院高齢者へ投与評価


Readmission and mortality in malnourished, older, hospitalized adults treated with a specialized oral nutritional supplement: A randomized clinical trial
Nicolaas E. Deutz, et. al. on behalf of the NOURISH Study Group
Clinical Nutrition xxx (2015) 1e9
http://www.clinicalnutritionjournal.com/article/S0261-5614(15)00348-9/pdf



プライマリ複合エンドポイント(退院90日時点死亡・非待機的再入院)は、HP-HMB (26.8%)群、プラシーボ群 (31.1%)で同等


退院90日時点再入院での群間差は認めないが、90日時点死亡率はプラシーボに比べHP-HMB()群で相対的に少ない (4.8% vs. 9.7%; relative risk 0.49, 95% 信頼区間 [CI], 0.27 to 0.90; p = 0.018)





1つの死亡イベントを予防するために治療必要数(NNT-死亡)は20.3 (95% CI: 10.9, 121.4)

プラシーボ比較し、HP-HMBは、90日目の良好な栄養状態比率増加オッズ比改善  (SGA class, OR, 2.04, 95% CI: 1.28, 3.25, p = 0.009)
30日目の体重増加オッズ改善  (p = 0.035)



入院期間(LOS)やADLは、両群同等




入院での栄養介入エビデンスとなるのか?


入院急性期での栄養介入エビデンスに疑念があるため失地回復のための知見構築が必要と思う

入院栄養指導管理の意味は未だ確定的でない H27.12.22



身体運動:不活発に比べれば、やり過ぎの方がマシ


先進国の殆どの国民は運動由来の潜在的有害性を懸念する必要は無く、運動不足に起因するリスクを懸念すべき。

Press release:
Regular exercise critical for heart health, longevity 
 American College of Cardiology Sports and Exercise Cardiology Council
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/acoc-rec011416.php 



定期的運動習慣は、心血管死亡リスクを減少させるが、米国の半数しか中強度運動週150分間もしくは高強度運動75分を満たしてない
一方、やり過ぎと思われる、耐久レース参加者への心血管リスク増加懸念に関心が向けられてきた。中等度運動までは死亡率低下効果満たすが一定レベルで死亡率ベネフィット減少が認められる。その上限値のエビデンスはなく、身体不活発に比べ心血管死亡率劣ると言うことはない


Exercise at the Extremes
The Amount of Exercise to Reduce Cardiovascular Events
J Am Coll Cardiol. 2016;67(3):316-329.




ランニング10km/時間×週5.5日程度だから週60METs程度か・・・ やり過ぎか ?

2016年1月18日月曜日

COPDスコア:COPD急性増悪の院内・30日内死亡率推定

COPD急性増悪(AECOPD)による入院は発生率高く、死亡予後とも関連する
指標としてのDECAFスコアのよごパフォーマンス評価






Validation of the DECAF score to predict hospital mortality in acute exacerbations of COPD
C Eehevarria,  et. al.
Thorax 2016;71:133-140 doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207775
内的・外的評価コホートそれぞれ880、845

平均年齢 73.1 (SD 10.3)歳、女性 54.3%、FEV1予測推定値 平均 (SD) FEV1 45.5 (18.3)

死亡率 7.7%

院内死亡率 DECAFの曲線下面積(AUROC) 内的評価コホート 0.83 (95% CI 0.78 to 0.87)、 外的評価コホート 0.82 (95% CI 0.77 to 0.87) 院内もしくは30日内死亡率の予後スコアとして他指標より優越



eMRCD score : 最近3ヶ月で、もっとも最良と感じたときに、以下の文言で最も自分の息切れのレベルを言い当ててるのはどれか?
激しい運動の時のみ息切れ 1
軽度坂道を急ぎ歩く時 2
一緒に歩く人より歩行速度が遅い、あるいは、15分歩くと止まる 3
100m歩行後、あるいは数分歩行後、息が上がり止まる 4
息切れのため1人では家を離れられないが、入浴・着替えは自分でできる 5a
息切れのため1人では家を離れられないし、入浴・着替えに補助必要 5b



例えば、eMRCD3より悪化し、eMRCD 4ほど悪化してない場合は、eMRCD 3と記述




DECAF score
D eMRCD5aなら 、 eMRCD5bなら E Eosinopenia (好酸球 < 0.05 x 109/L ) C Consolidation A Moderate or severe acidamei (pH < 7.3) F 心房細動(p.a.f. 既往を含め) 


COPD:血中好酸球比率2%:ICS/LABAによる急性増悪減少効果指標?

FP/SALというICS/LABA合剤のレビュー

血中好酸球2%以上がICS治療の急性増悪減少と関連するか?



Blood eosinophils and inhaled corticosteroid/long-acting β-2 agonist efficacy in COPD
Ian D Pavord, et. al.
Thorax 2016;71:118-125 doi:10.1136/thoraxjnl-2015-207021


好酸球2%以上の患者で、FP/SALは、tiotropiumに比べ有意に急性増悪率減少を示す (INSPIRE: n=719, rate ratio (RR)=0.75, 95% CI 0.60 to 0.92, p=0.006)、同様プラシーボ比較でも同様
 (TRISTAN: n=1049, RR=0.63, 95% CI 0.50 to 0.79, p<0 .001="" br="">

好酸球 2%未満では、いずれでも有意差なし (INSPIRE: n=550, RR=1.18, 95% CI 0.92 to 1.51, p=0.186; TRISTAN: n=354, RR=0.99, 95% CI 0.67 to 1.47, p=0.957, respectively)




SCO30002 (n=373)でも、有意差無し (FP or FP/SAL vs placebo)

好酸球サブグループと、FEV1とSGRQ治療効果判定に関連性認めず

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note