2016年4月15日金曜日

Swedish Spinal Stenosis Study (SSSS) :腰部脊柱管狭窄症手術 脊椎固定術加える必要性に疑問

腰部脊柱管狭窄症(LSS)±変性脊椎すべり症に対する、脊椎固定術+外科的減圧術 vs 外科的減圧術のみ比較

Swedish Spinal Stenosis Study (SSSS)


e.g. http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000170.html
手術療法の基本は、神経除圧術(椎弓切除術)です。本法は椎弓という腰椎の骨の一部を切除することにより、神経に対する圧迫を解除します。本法は19世紀から行われており、本疾患に対する手術法として日本国内のみならず世界各国で行われています。脊柱管狭窄の原因として腰椎変性すべり症(腰椎がずれてしまう状態)を合併している場合、原因となっている椎体を固定する手術(後方進入椎体間固定術、後側方固定術)が必要となる場合があります


とされていたが、固定術を加える必要性は乏しいという結論


A Randomized, Controlled Trial of Fusion Surgery for Lumbar Spinal Stenosis
Peter Försth, et. al.
N Engl J Med 2016; 374:1413-1423April 14, 2016
DOI: 10.1056/NEJMoa1513721

50−80歳247名の:腰部脊柱管狭窄症
 decompression surgery plus fusion surgery (fusion group) vs decompression surgery alone (decompression-alone group)

 プライマリアウトカムは、術後2年後Oswestry Disability Index (ODI; レンジ 0 〜 100, 高値ほど機能障害重度)


結論から言えば
ODIの平均スコア群間有意差認めず : fusion群 27 vs 減圧単独群 :24  P=0.24
6分間歩行距離 同様 : 397 m vs 405m  , P=0.72


変性脊椎すべり症有無で同様結果

5年フォローアップでも同様

入院期間は、fusion群 7.4日間 vs 減圧単独群 4.1日p (P<0 .001="" p="">追加手術必要数は同様

2016年4月14日木曜日

非侵襲的人工換気:呼吸リハビリテーションへの応用

非侵襲的人工換気をリハビリテーションに使えないか?
個人的には20年間の課題だった


前向き研究


Pulmonary Rehabilitation
Noninvasive Positive Pressure Ventilation to Relieve Dyspnea of COPD Patients During Exercise Training: A Prospective Study
Boxue Han, MDS
Chest Volume 149, Issue 4, Supplement, April 2016, Pages A492
CHEST World Congress 2016 Annual Meeting Abstracts
ランダム化self-controlled・前向き観察研究:20名重症・安定COPD(FEV1/pre: 45.6 ± 2.6%)

5種類の検査:可及的速やかに16日間内トレッドミル歩行
Test0: 換気サポート無しのベースライン 
Test1 aと Test2:
安静時S mode(Spontaneous mode) ventilator support (NIPPV via nozzle)
2種圧レベル設定 (IPAP/EPAP:18/8cmH2O と14/4cmH2O) をTest1 と Test2 それぞれ施行

Test3 と Test4: 運動・安静時 ventilator補助 (NIPPV via total face mask)
test3: S modeを施行
test4:  AVAPS-AE (average volume assured pressure support auto-EPAP, AVAPS-AE) mode (parameters:maximum EPAP=8cmH2O, minimum EPAP=4cmH2O, Rate=3cmH2O/min, tidal volume depending on individual BMI)施行

歩行中歩行距離・回復時間をin time記録

運動セッション中、心拍、呼吸数、脈波酸素飽和度、Borgスコアを異時的にT1, T2, T3 (the 1st,3rdand 5th minute during walking) と T4, T5, T6 (the 1st, 2nd and 3rd minute during resting) 持続モニタリング


1.test 0と比べ、Test1、Test3、Test4の回復時間有意短縮  (p<0 .05="" br="">Test1、2,3,4において、歩行距離、歩行時間の有意差認めず

2. Test1、Test3とTest4のT5のRR、SpO2 (%)、 HR と Borg スコアはtest 0より低値   (p<0 .05="" br="" est4="" p="">Test0に比べ、他のTest1-4でのSpO2、RR、HR、Borgスコアの大きな変化無し (p>0.05)


結論:非侵襲陽圧換気は運動中息切れを改善、呼吸リハビリテーションの効果を促進する
AVAPS-AEモードが上記測定項目改善ををもたらす傾向にあり、特に、同期と活動耐用上改善



気胸やブラ拡大を含む圧による気道障害の問題があるはずだが・・・

2016年4月13日水曜日

糖尿病虚血性卒中アウトカム悪化の原因は脳内血液脳関門破綻:PE?

糖尿病は脳の様々なレンジで微小血管障害と関連する、仮説として、糖尿病患者の急性卒中患者は血液脳関門の機能障害を有するためアウトカム悪化と関連するのでは?

Blood Brain Barrier Disruption in Diabetic Stroke Related to Unfavorable Outcome
Cerebrovasc Dis 2016;42:49-56 (DOI:10.1159/000444809)

62名の中大脳動脈領域の虚血性卒中発症後3−7日内、BBB破綻を”parenchymal enhancement (PE) on 5 min delayed post-contrast T1 weighted imaging”にて判断


卒中アウトカム不良:19例の糖尿病患者、21名の非糖尿病

糖尿病患者は非糖尿病に比べPE高率 (58.6 vs. 27.3%, p = 0.013)
糖尿病はPEと独立した相関  (OR 4.40; 95% CI 1.22-15.83; p = 0.023)
糖尿病患者において、PEはアウトカム不良で、他3サググループに比べ、高率(73.7%)
・良好な卒中アウトカムの糖尿病患者 (30.0%)
・良好な卒中アウトカムの非糖尿病患者 (38.1%)
・アウトカム不良な卒中 (8.3%; p = 0.002).


PEは糖尿病性卒中(DS)に於るアウトカム不良(UO)と独立相関 DS; OR 7.04; 95% CI 1.20-41.52; p = 0.031)
入院NIHSSスコアは非-DS(NDS)に於るUOと相関 (OR 1.71; 95% CI 1.10-2.66; p = 0.017)

2型糖尿病:代謝リスク→うつ症状追加で相乗的悪循環

うつ症状単独では糖尿病発症リスクとはならないが、”メタボリックシンドローム&うつ症状無し”では対照群の4倍超糖尿病発症リスク。”メタボリックシンドローム&うつ症状有り”では対照群の6倍超のリスク。メタボリックシンドロームとうつの要素は個々要素の個別効果の総和より大きな影響を与える
"vicious cycle":悪循環?
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/mu-hdm041216.php




Depression and risk of type 2 diabetes: the potential role of metabolic factors
N Schmitz, et. al.
Molecular Psychiatry , (23 February 2016) | doi:10.1038/mp.2016.7


カナダ・ケベックでの Emotional Health and Wellbeing Study (EMHS) の4.5年間のベースラインからフォローアップ評価2525名成人


うつ症状と、糖尿病としての代謝調節障害の関連性評価
2元層別抽出デザイン、うつ症状と代謝調整障害(肥満、血糖高値、血圧高値、TG高値、HDL低値)存在ベース。糖尿病発症 87(3.5%)。
うつ症状と糖尿病調節障害をともに有する場合、うつ症状も代謝張性障害も無い群(参照群)に比べ、糖尿病のリスクは高い  (補正オッズ比=6.61, 95% 信頼区間(CI): 4.86–9.01)


うつ症状有り・代謝調節障害無しの糖尿病リスクは、参照群と不変  (補正オッズ比=1.28, 95% CI: 0.81–2.03)
一方、”代謝調節障害あり&うつ症状無し”群での補正オッズ比は 4.40 (95% CI: 3.42–5.67)


Synergy Index (SI=1.52; 95% CI: 1.07–2.17) からうつ症状と代謝調節障害の組み合わせ効果は、個別影響の総和より大きいことが示唆される


うつと代謝調節障害の相互関係は、構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling, SEM)で示唆される。


この研究から、うつ症状と代謝調整障害の相互作用として2型糖尿病リスクを強調したい
両病態の早期発見、モニタリング、包括的管理アプローチが糖尿病予防戦略として重要

2016年4月12日火曜日

血液型非OはO型にくらべ血栓イベントなりやすい





ABO Blood Group and Risk of Thromboembolic and Arterial Disease
A Study of 1.5 Million Blood Donors
Senthil K. Vasan,  et. al.
Circulation. 2016; 133: 1449-1457Published online before print March 3, 2016,

SCANDAT2 (Scandinavian Donations and Transfusions) database を用いた、111万2072名の検討

血液型Oに比較して、非O血液群は静脈・動脈血栓塞栓イベントリスク増加

妊娠関連VTEが最も影響有り:罹患率比(incidence rate ratio, 2.22; 95%信頼区間, 1.77–2.79
深部静脈血栓:罹患率比, 1.92; 95%信頼区間, 1.80–2.05
 肺塞栓:罹患率比, 1.80; 95%信頼区間, 1.71–1.88




O型はO型でなりやすい病気もある

2016年4月11日月曜日

米国FDA安全性注意:オングリザ、ネシーナ 心不全リスク増加

FDA Drug Safety Communication: FDA adds warnings about heart failure risk to labels of type 2 diabetes medicines containing saxagliptin and alogliptin

http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm486096.htm


米国FDAは、サキサグリプチン(オングリザ)、アログリプチン(ネシーナ)に対し、特に、心不全もしくは腎疾患患者を有する患者での心不全リスク増加に関する安全性レビューした




この警告は、FDA助言委員会1年前票決結果で、ラベル表示義務づけとなる
他のDPP4阻害剤では適応されない警告ということで・・・該当薬剤の会社は対応が必要となるだろう


Saxagliptin, Alogliptin Linked to Heart Failure, FDA Warns
Decision comes 1 year after FDA advisory committee vote
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/57172



さぁ 担当MRさん 今週、お仕事がんばってください



本日(4月14日)T製薬会社MR訪問

上記、FDA警告に関する情報提供かと思いきや・・・
2型糖尿病:DPP4阻害剤による糖化ヘモグロビン減少量推定ノモグラム
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/03/2dpp4.html
1年以上前のBMJ open journalの紹介

ネシーナがいかに優れてるかをぶっちゃべる


結局、米国FDAの報告に関する何の情報も持ってなかった・・・まあ、T製薬とはそういう会社なのだろう・・・

心不全という薬剤安全性に関わる情報を提示しないメーカー

Rx)ネシーナ → その他DPP4阻害剤 への変更は現場では当然の対応・・・と思う。


オングリザ関連は 、FDA警告根拠論文の提示と、その説明が遅滞なくあったのと対照的であった。






本日 4月22日 武田製薬からコメントがもらえるそうだが・・・


Takeda Development Center Americas, Inc.
Endocrinologic and Metabolic Drugs
Advisory Committee Meeting
April 14, 2015
http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/EndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM444148.pdf









おそらくこの部分の言い訳に終始すると思う


CE-26の部分が特に問題で、心不全既往のない症例にとくに心不全リスク増加させるという印象をうける


さらに、CE-27では、やはり心不全既往無し症例において、NT-proBNP中央値、アログリプチン 1375 vs プラシーボ 1110

・・・印象がさらに強くなる




そもそも 「DPP4阻害剤は、心血管疾患に対して、毒にも薬にもならない?」
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/09/dpp.html

せめて、毒にならないような証拠を示してもらわないと・・・




現行のガイドラインとして新しい方だと思うが、以下は真っ向から反する「ニュートラル」評価が記載されている





Pharmacologic Management of Type 2 Diabetes: 2016 Interim Update
http://guidelines.diabetes.ca/2016update

they demonstrate the overall cardiovascular safety of 3 dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4) inhibitors (alogliptin, saxagliptin, sitagliptin) and 1 glucagon-likeprotein- 1 (GLP-1) receptor agonist (lixisenatide) in patients with type 2 diabetes who are at high risk for cardiovascular events (2–5).






結局、新しい情報は無かった・・・やはり上記如く・・・(H28.4.22)




2016年4月9日土曜日

原発性副甲状腺機能亢進症:手術で骨折リスク減少する一方、ビスフォスフォネートは効果有りとは言えない

血中カルシウム測定していれば見つかる程度の原発性副甲状腺機能亢進症でも、日常臨床さほど珍しくもなく遭遇する疾患(といっても年数回以下だが・・・)、うち何らかの理由で手術せずにフォローアップ となっている症例も存在する





The Relationship of Parathyroidectomy and Bisphosphonates With Fracture Risk in Primary Hyperparathyroidism: An Observational Study
Michael W. Yeh,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 5 April 2016 doi:10.7326/M15-1232


背景:PHPT(primary hyperparathyroidism :原発性副甲状腺機能亢進症)手術療法と薬物治療比較

目的: PHPT副甲状腺切除とビスフォスフォネートの筋骨格アウトカム測定

デザイン:後顧的コホート

セッティング:integrated health care delivery systemの一つ

被検者: 1995−2010のPHPT確認生化学的登録全例

測定: Bone mineral density (BMD) と 骨折率

結果: 連続BMI検査患者2013名において、 total hip BMD  trajectoryは、副甲状腺切除女性で増加 (4.2% at <2 8="" at="" br="" years="">
骨折フォロー6272名において、10年次hip fractureの絶対リスクは、 1千対 イベント 副甲状腺切除 20.4、ビスフォスフォネート 85.5、 vs 無治療 55.9


10年次骨折リスクは、それぞれ 156.8、 302.5、vs 無治療 206.1

ベースラインBMD状況による層別分析において、副甲状腺切除はosteopenic及びosteoporotic 患者とも骨折リスク減少と関連、一方、ビスフォスフォネートは骨折リスク増加と関連

副甲状腺切除はコンセンサスガイドラインからの層別化クライテリア如何に関連無く患者の骨折リスク減少と関連

Limitation: 後顧的研究デザイン、非ランダム化治療割り付け 

結論:副甲状腺切除は、骨折リスク減少と相関し、ビスフォスフォネート治療は観察治療より優れているとは言えない


Primary Funding Source: National Institute on Aging.

noteへ実験的移行

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