2018年2月6日火曜日

Nested Case-controll研究:COPD患者へのLABA/LAMA併用による心血管リスクは既往に無関係

COPD患者への長時間持続型気管支拡張剤の心血管疾患リスクがなにかと話題

Nested Case-controll研究にて“心血管疾患(CVD)リスクは一過性だが、投与開始1−2ヶ月以内にリスク増加”、CVD既往、薬剤種類・投与法・投与量にさほど関係ないというのも問題




Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
A Nested Case-Control Study
Meng-Ting Wang,  et al.
JAMA Intern Med. 2018;178(2):229-238. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2666790

平均フォローアップ2.0年間に、CVD存在 37719名 (平均年齢, 75.6 歳; 71.6% 男性) 、CVD無し対照 146139s (平均年齢, 75.2 歳; 70.1% 男性)
COPD新規LABA/LAMA使用は、開始後30日内に心血管リスク 1.52倍(95% CI, 1.28 - 1.80; P \< 0.001)、リスクの有無、一般用量減量でも不変
個別的なLABA種類、LABA投与形態、COPD併用レジメンでもCVDリスク差を認めず
リスクは、代替的症例交差試験でも同様で、CVD病歴、急性増悪既往有無のサブグループでも同様






やはり、LAMAもしくはLABA単剤使用が原則というべきなのかは?

メカニズムとしては、交感神経活動性増強とともに、IL-8などの炎症性サイトカインレベルの増加なども考察されている。

軽度吸入ステロイド併用はどうなのかも?だが・・・

FDA承認薬剤でも心血管代謝リスク要素効果エビデンス乏しい


Effects of Weight Loss Medications on Cardiometabolic Risk Profiles: A Systematic Review and Network Meta-Analysis
Khera R, et al.
Gastroenterology ; Articles in Press
http://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(18)30004-0/fulltext

心血管リスク特性に基づくFDA承認減肥薬( (orlistat, lorcaserin, naltrexone-bupropion, phentermine-topiramate, liraglutide))の1年以上継続におけるプラシーボ対比もしくは比較薬剤との効果 包括的・個別比較

空腹時血糖 荷重平均差 4.0 mg/dL; 95% CI, - 4.4 〜 - 3.6
ウェスト径 荷重平均差  3.3 cm; 95% CI, -3.5 〜 -3.1

28のランダム化対照トライアル (29,018名被検者, 平均 BMI 36.1 kg/m2)
収縮期血圧/拡張期血圧、コレステロール特性に関してプラシーボ比較 臨床的意義差なし
(標準化平均差(standardized mean difference: SMD)、すなわち、平均の差を標準偏差で除した数値 0.2 未満)



Phentermine-topiramate は、ウェスト径(WC)の明らかな減少、FBG、A1c、血圧の軽度低下、コレステロールは効果あるも限定的

Liraglutide は、空腹時血糖(FBG)、A1c、WCとも明確な減少、血圧・コレステロールは効果あるも限定的

Naltrexone-bupropion は、HDLコレステロール一定の増加、FBGとWCでは効果限定的

Orlistatは、 LDL、HDLの減少


どれも、cardiometabolic risk factor改善 認めず



ましてや、麻黄含有薬剤など・・・

2018年2月4日日曜日

インフルエンザと麻黄湯・・・

添付文書に記載されてない抗インフルエンザ薬の予防投与についてなんだかげっそりする


予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

この記載読んでない医者が多すぎる!

添付文書外処方し副作用もしくはそれが疑われる事態になったらどうするつもりなのだろう?公的救済を処方されたものはうけられない可能性があるのだが・・・



インフルエンザと診断した患者の中には、「家族の予防投薬分をくれ」という非合法的要求も経験した(もちろん、即、断ったのだが・・・)







また、この時期になると、インフルエンザ→麻黄湯という処方に・・・なんだかわだかまりを覚える

麻黄湯(Maoto)のトライアルは、ごく少数のトライアルしか報告無く、報告施設数も限定
A randomized, controlled trial comparing traditional herbal medicine and neuraminidase inhibitors in the treatment of seasonal influenza.
Nabeshima S1 et al.
J Infect Chemother. 2012 Aug;18(4):534-43. doi: 10.1007/s10156-012-0378-7. 


にもかかわらず、乱用に近い使われ方に遭遇する



麻黄含有漢方


麻黄配合量 エフェドリン類含量(mg/日) 合計
エフェドリン (g/1日量) エフェドリン プソイドエフェドリン
麻黄湯 5 17.3 6 23.3
葛根湯 4 16.4 5.7 22.1
小青竜湯 3 14.4 4.8 19.2

クラシエさんのサイト:http://www.kampoyubi.jp/effort/ephedra.html




ちなみに「ナイシトール」(2.5g中)
マオウ0.60g
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/ns_t/index.html

エフェドリン、プソイドエフェドリン記載は不明 






ところで、この記載はただしいのだろうか?
     ↓
中国原産の植物であるマオウ(麻黄)は、アメリカではサプリメントとして販売されている
 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/04.html






FDA Prohibits Sales of Dietary Supplements Containing Ephedra


FDAはエフェドラ含有サプリメント販売を禁止している



・・・と書いているのに、go.jpサイト、嘘が書かれている


2004年、サプリメント禁止大々的に報道されたはずなのに・・・



The Safety of Ephedra and Related Alkaloids
Cleveland Clinic Pharmacotherapy Update Volume VI, Number 2 | March/April 2003



米国内の関心が薄れたのか、これ以降の記載少ない



アスリートと亜鉛:

アスリートは血中亜鉛濃度は指摘濃度に達してない可能性あり
摂取量は一般住民より多いにも関わらず・・・




この解離は、アスリートにおいては亜鉛代謝は通常と異なる可能性がある
今後、アスリートへの推奨量を検討する必要がある



Lower Serum Zinc Concentration Despite Higher Dietary Zinc Intake in Athletes: A Systematic Review and Meta-analysis
Anna Chu
Sports Medicine
February 2018, Volume 48, Issue 2, pp 327–336
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-017-0818-8

12の研究のシステマティックレビュー

亜鉛血中濃度、アスリートで有意低下  [- 0.93 μmol/L, 95% confidence interval (CI) - 1.62 to - 0.23]
だが、食事による亜鉛摂取は一般住民より有意に多い (2.57 mg/day, 95% CI 0.97-4.16)

血中亜鉛濃度、尿中亜鉛はデータ不足で検討不十分

2018年2月3日土曜日

非好酸球性喘息:喘息治療中止成功予測要素 血中好酸球数

喘息治療は抗炎症治療奏功し炎症が完全に抑えられて入れば中止可能な場合あるはずなのだが、一方的に 「喘息中断で悪化する危険が!」と解説されている事が多い
確かに、どの状況で中止・終了可能なのかがわからないから、こういう場合もあるのだろうが、医療資源から見れば無駄遣いとなっている場合もあるはず



非好酸球性喘息における、吸入ステロイドステップダウン・中止症例の前向き検討


Step-down of inhaled corticosteroids in non-eosinophilic asthma: a prospective trial in real life
Sophie Demarche, et al.
Clinical & Experimental Allergy DOI: 10.1111/cea.13106


【背景】非好酸球性喘息は通常吸入ステロイド(ICS)の反応乏しいとされるが、ICSステップダウンの評価研究はこの分野乏しい

【目的】ICSを臨床的不具合ない症例で中止可能性ある対象者で非好酸球性喘息の比率、ICS治療終了不能よそ高マーカーの同定検証

【方法】前向き研究、36名の非好酸球性喘息、喀痰 < 3%及び血中好酸球 < 400/μL
ベースラインコントロールレベルに到達有無にかかわらず、ICS投与量を3ヶ月毎漸減、6ヶ月間ICS中止成功するか失敗クライテリアに合致するまで
失敗クライテリア:ACQスコア ベースライン 0.5超から1.5以上増加、もしくは、研究中重症急性増悪がベースライン受診先行1年間の回数より多い場合

【結果】 14名の患者 39%で、ICSを完全離脱と、0名、28%ではまだだが、喘息コントロール及び急性増悪悪化せずICSはICS投与量減少にstepped-dow した
ICS中止失敗のベースライン予測要素は、高齢  (area under ROC curve [ROC AUC] and [95% CI]: 0.77 [0.62-0.93])、血中好酸球増加(ROC AUC [95% CI]: 0.77 [0.61-0.93])

ICS初回step-down後、ベスト予測要素は、血中好酸球増加 (ROC AUC [95% CI]: 0.85 [0.72-0.99])

【結論】ICS投与中止・漸減にて非好酸球性喘息の2/3はベースラインの喘息コントロール状況と無縁に可能。血中好酸球数増加がICS中止失敗の予測要素となり得るかも



2018年2月2日金曜日

慢性疾患とそのマーカーは、がん発生・がん死亡リスクでもある、リスク修正ががん抑制となる可能性

40万名MJコホート研究、いくつかの慢性疾患の癌リスクへのジョイントあるいは独立検討


“慢性疾患”の存在が重大な癌リスクとなり、5つの生活習慣と共有されるリスクと判明


Cancer risk associated with chronic diseases and disease markers: prospective cohort study
Huakang Tu,  et al.
BMJ 2018; 360 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.k134 (Published 31 January 2018)
Cite this as: BMJ 2018;360:k134


 405 878 の被検者、心血管バイオマーカー(血圧、総コレステロール、心拍)、糖尿病、慢性腎臓病マーカー(蛋白尿、糸球体濾過速度)、肺疾患、痛風性関節炎(尿酸)を測定、標準メソッドで診断、フォローアップ8.7年間




がん発生リスク統計学的有意増加は、8疾患・個別マーカー(血圧、肺疾患例外)で、補正ハザード比 1.07 - 1.44

Chronic diseases and markers and risk of incident cancer.


8疾患・マーカーはがん死亡リスクと統計学的有意 、補正ハザード比 1.12 - 1.70


Chronic diseases and markers and risk of cancer death.

慢性疾患リスクスコアは、8疾患・マーカーは癌リスクに関して量依存的、高スコアはがん発生 2.21倍 (95% 信頼区間 1.77 - 2.75倍)、がん死亡率 4倍 (2.84 - 5.63倍)

慢性疾患リスクスコア高値は生存期間減少と関連、高スコアは男性で13.3年、女性で15.9年間喪失

8つの慢性疾患・マーカーからのがん発生率、がん死亡率のPAF (population attributable fraction, 人口寄与割合)を5つのライフスタイル要素からのそれとは同等  (がん発生 20.5% v 24.8%; がん死亡: 38.9% v 39.7%).


 身体活動群(vs 非活発)では、慢性疾患・マーカー関連の癌リスク増加に関して、がん発生で48%、がん死亡で27%減少効果






Diagnostic criteria or categorization of chronic diseases and markers
Cardiovascular disease markers

  • Blood pressure (Joint National Committee guidelines40)
  • Normal: diastolic blood pressure <80 and="" blood="" hg="" hypertension="" li="" medication="" mm="" no="" not="" pressure="" receiving="" reported="" self="" systolic="">
  • Prehypertension: (diastolic blood pressure: 80-89 mm Hg or systolic blood pressure: 120-139 mm Hg), not receiving medication, and no self reported hypertension
  • Hypertension: diastolic blood pressure ≥90 mm Hg or systolic blood pressure ≥140 mm Hg or receiving medication or self reported hypertension
  • Total cholesterol (mmol/L): <4 .15="" 38.67="" 4.15-4.66="" 4.67-5.18="" 5.19-6.21="" by="" cholesterol="" convert="" dl="" li="" mg="" mmol="" multiply="" of="" si="" to="" total="" unit="">
  • Heart rate (beats/min): <70 70-79="" 80-89="" li="">

Diabetes (WHO criteria41)

  • Normal: fasting glucose level <6 .11="" 18.02="" and="" by="" convert="" diabetes="" dl="" fasting="" glucose="" li="" medication="" mg="" mmol="" multiply="" no="" not="" of="" receiving="" reported="" self="" si="" to="" unit="">
  • Prediabetes: fasting glucose level between 6.11 and 6.95 mmol/L, not receiving medication, and no self reported diabetes
  • Diabetes: fasting glucose level ≥6.96 mmol/L or receiving medication or self reported diabetes

Chronic kidney disease markers (National Kidney Foundation criteria42)

  • Proteinuria: no proteinuria, trace proteinuria, proteinuria (≥+)
  • Glomerular filtration rate (mL/min/1.73 m2): ≥90, 60-89, <60 li="">

Pulmonary disease (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) criteria43)

  • Normal: forced expiratory volume in one second (FEV1)/forced vital capacity (FVC) ≥0.70 and FEV1 ≥80% predicted
  • Restrictive: FEV1/FVC ≥0.70 and FEV1 <80 li="" predicted="">
  • Chronic obstructive pulmonary disease: FEV1/FVC <0 .70="" li="">

Gouty arthritis marker

  • Uric acid (µmol/L): <297 297-356="" 357-415="" 416-475="" 59.48="" acid="" by="" convert="" divide="" dl="" li="" mg="" mol="" ofuric="" si="" to="" unit="">


急性心筋梗塞予後因子:入院時血糖/HbA1c

入院時の血糖増加は急性心筋梗塞患者で観察されることが多い。独立した予後因子となるらしい。この急激な血糖増加が直接心筋障害へ影響を与え、直接予後に関係するのかは不明。causal linkについて、急性血糖増加とトロポニンIピーク値、、予後悪化は寄与要素補正後相関性有り

糖尿病無既往群では急性高血糖が、糖尿病既往群ではA/C glycemic ratioがプライマリアウトカム(入院死亡、急性肺水腫、心原性ショック)とより強く関連
true stress hyperglycemiaの良い指標だと著者等




Prognostic Value of the Acute-to-Chronic Glycemic Ratio at Admission in Acute Myocardial Infarction: A Prospective Study
Giancarlo Marenzi,  et al.
Diabetes Care 2018 Jan; dc171732. https://doi.org/10.2337/dc17-1732
http://care.diabetesjournals.org/content/early/2018/01/29/dc17-1732

【目的】急性高血糖は急性心筋梗塞(AMI)の強力予後悪化要素。入院時のみの血糖値そのものより、急激に血糖増加したその変化が重要。急性・慢性血糖レベルの複合比較の方が入院時血糖単独より良い予後推定となるか検証

【研究デザイン・メソッド】前向き、入院時血糖と、推定平均慢性血糖値(mg/dL)として以下の公式採用 : [(28.7 3 glycosylated hemoglobin %) 2 46.7]し、  acute-to- chronic (A/C) glycemic ratioを計算、AMI連続患者 1553名(平均 ± 65 ± 13歳)
プライマリエンドポイントは、入院死亡率・急性肺水腫、心原性ショックの組み合わせ

【結果】プライマリエンドポイントは、A/C glycemic ratio3分位毎平行に増加 (5%, 8%,  20%, ; P for trend <0 .0001="" p="">troponin I ピーク値とパラレルに増加 (15 6 34 ng/mL, 34 6 66 ng/mL, and 68 6 131 ng/mL; P < 0.0001)
多変量解析にて、A/C glycemic ratioは、プライマリエンドポイント、troponin Iレベルと重要寄与要素補正後も独立因子として残存
再分類解析にて、A/C glycemic ratioは、入院時血糖値単独と比べ、プライマリエンドポイント推定強力最良検出性を示した  (net reclassification improvement 12% [95% CI 4–20%]; P = 0.003)、特に糖尿病患者において強力 (27% [95% CI 14–40%]; P < 0.0001)




【結論】糖尿病患者において、A/C血糖比は、院内合併症の予後推定として入院時血糖値より優秀




stress hyperglycemiaという名称
血中血糖増加が、酸化ストレス、炎症、血管内皮機能障害を生じ、凝固系活性化、虚血preconditionの増悪をもたらす
実験的にも急性高血糖は、myocardial salvage index(MRI測定)低下と関連するが詳細は不明。 



noteへ実験的移行

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