2018年2月9日金曜日

骨折リスク: COPD吸入ステロイド 4年以上、フルチカゾン換算 1000 mg//d

吸入ステロイドのCOPDへの投与は広く使われているが、骨折リスク、特に女性、閉経後での問題を検討


ケベック市のhelth-care database


"Long-term use of inhaled corticosteroids in COPD and the risk of fracture"
Gonzalez A, et al
CHEST 2018.
journal.chestnet.org/article/S0012-3692(17)31243-6/pdf


 24万名のコホート、骨折 19,396 平均年数 5.3年間(発生率 1千人年当たり 15.2

ICS使用だけでは、骨折率増加とは関連せず (RR, 1.00; 95% CI, 0.97-1.03)

骨折率増加は、ICS使用 フルチカゾン等力価 1000 mg/日で、 4年以上で増加 (RR, 1.10; 95% CI, 1.02-1.19)
リスク増加は男女変わらない





”Treatment of people using inhaled GCs and those with a GFR < 30 ml/min. were not addressed in these guidelines"


2017 American College of Rheumatology Guideline for the Prevention and Treatment of Glucocorticoid-Induced Osteoporosis
https://www.rheumatology.org/Portals/0/Files/Guideline-for-the-Prevention-and-Treatment-of-GIOP.pdf



故に、ICS時のGC誘発骨粗鬆症・骨折ガイドラインはありません




非スタチン投与高齢者;コレステロール低値で非心血管疾患死亡率高く

若年・中年において総コレステロール高値と死亡率増加の正相関は加齢状況においてはその効果は減衰すると論文の序文。


高齢者においては、コレステロール値と心血管以外の死亡率には逆相関が見られることは知られている。


そこで、スウェーデン国内研究 23,196人年フォローアップ(1人当たりの観察期間中央値 7.5年間)、1059名, 34.3%死亡というコホート。

総コレステロール正常( < 5.18 mmol/l = 200mg/dl)に比べ、境界的高値( 5.18-6.21 mmol/l = 200 - 240 mg/dl)、高値(6.22 mmol/L =240 mg/dl以上)では全原因死亡率リスク減少、多因子補正ハザード比 95% 信頼区間, CI 0.71 (0.61 - 0.83)、 0.68 (0.57 - 0.80)
競合リスク(competing risk)モデルでは、総コレステロール高値( 240 mg/dl以上)では全原因死亡率リスク減少と関連し、特に、非心血管疾患死亡率減少が大きく寄与(ハザード比 0.67, 95% CI 0.51 - 0.88)
コレステロール低下薬剤使用しない群でのみこの相関性大きい


コレステロール治療してない群で、特に、心血管疾患以外の死亡率とコレステロール値の逆相関性明確





Serum total cholesterol and risk of cardiovascular and non-cardiovascular mortality in old age: a population-based study
Yajun Liang et al.
BMC GeriatricsBMC series – open 201717:294
https://doi.org/10.1186/s12877-017-0685-z
Published: 28 December 2017
https://bmcgeriatr.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12877-017-0685-z






コレステロール低下薬剤非使用群で顕著な低コレステロール値と非心血管疾患死亡率の逆相関



Serum total cholesterol levels and risk of mortality from stroke and coronary heart disease in Japanese: The JACC study
Renzhe Cui,  et al.
DOI: October 2007Volume 194, Issue 2, Pages 415–420
DOI: https://doi.org/10.1016/j.atherosclerosis.2006.08.022




総コレステロール 4.14とは、 160 mg/dl





上記現象などを曲解してスタチン治療を全面否定する方々が跋扈してますが・・・


高齢者においては、コレステロール治療は慎重に



2018年2月6日火曜日

システマティック・レビュー:2型糖尿病食後運動効果





The Effects of Postprandial Exercise on Glucose Control in Individuals with Type 2 Diabetes: A Systematic Review
Andrew Borror , et al.
Sports Medicine pp 1–13
First Online: 02 February 2018
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-018-0864-x


12の研究登録クライテリア合致
135名(男性 108、女性 20, 性別不明 7)
(運動)タイミング、時間、モダリティ、血糖測定にばらつき有り
食後好気的運動(11研究)で、
短期血糖曲線下面積減少(3.4-26.6%)
24時間高血糖出現確率 11.9-65%減少


レジスタンス運動(2研究)で
短期血糖曲線化面積 30%減少、24時間高血糖出現率 35%減少


もっとも一致した方法は、45分以上、中等度好気的運動
レジスタンス運動も有効なモダリティ

筆者等は、1日で最も多い食事をした後、エネルギー消費最大化を図り、運動を行うことを推奨する・・・とのこと



血糖の変動しか考慮されてないので・・・、脂肪代謝やインスリン抵抗性、他の内分泌作用、代謝的効果は検討されてない。


図表見ると、運動強度は高い方が効果ありそうなのだが・・・ばらつきが増すのは、受容性・実施可能性の問題?
食後45分未満では血糖増加、長期的血糖降下作用も乏しくなる



Nested Case-controll研究:COPD患者へのLABA/LAMA併用による心血管リスクは既往に無関係

COPD患者への長時間持続型気管支拡張剤の心血管疾患リスクがなにかと話題

Nested Case-controll研究にて“心血管疾患(CVD)リスクは一過性だが、投与開始1−2ヶ月以内にリスク増加”、CVD既往、薬剤種類・投与法・投与量にさほど関係ないというのも問題




Association of Cardiovascular Risk With Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
A Nested Case-Control Study
Meng-Ting Wang,  et al.
JAMA Intern Med. 2018;178(2):229-238. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7720
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2666790

平均フォローアップ2.0年間に、CVD存在 37719名 (平均年齢, 75.6 歳; 71.6% 男性) 、CVD無し対照 146139s (平均年齢, 75.2 歳; 70.1% 男性)
COPD新規LABA/LAMA使用は、開始後30日内に心血管リスク 1.52倍(95% CI, 1.28 - 1.80; P \< 0.001)、リスクの有無、一般用量減量でも不変
個別的なLABA種類、LABA投与形態、COPD併用レジメンでもCVDリスク差を認めず
リスクは、代替的症例交差試験でも同様で、CVD病歴、急性増悪既往有無のサブグループでも同様






やはり、LAMAもしくはLABA単剤使用が原則というべきなのかは?

メカニズムとしては、交感神経活動性増強とともに、IL-8などの炎症性サイトカインレベルの増加なども考察されている。

軽度吸入ステロイド併用はどうなのかも?だが・・・

FDA承認薬剤でも心血管代謝リスク要素効果エビデンス乏しい


Effects of Weight Loss Medications on Cardiometabolic Risk Profiles: A Systematic Review and Network Meta-Analysis
Khera R, et al.
Gastroenterology ; Articles in Press
http://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(18)30004-0/fulltext

心血管リスク特性に基づくFDA承認減肥薬( (orlistat, lorcaserin, naltrexone-bupropion, phentermine-topiramate, liraglutide))の1年以上継続におけるプラシーボ対比もしくは比較薬剤との効果 包括的・個別比較

空腹時血糖 荷重平均差 4.0 mg/dL; 95% CI, - 4.4 〜 - 3.6
ウェスト径 荷重平均差  3.3 cm; 95% CI, -3.5 〜 -3.1

28のランダム化対照トライアル (29,018名被検者, 平均 BMI 36.1 kg/m2)
収縮期血圧/拡張期血圧、コレステロール特性に関してプラシーボ比較 臨床的意義差なし
(標準化平均差(standardized mean difference: SMD)、すなわち、平均の差を標準偏差で除した数値 0.2 未満)



Phentermine-topiramate は、ウェスト径(WC)の明らかな減少、FBG、A1c、血圧の軽度低下、コレステロールは効果あるも限定的

Liraglutide は、空腹時血糖(FBG)、A1c、WCとも明確な減少、血圧・コレステロールは効果あるも限定的

Naltrexone-bupropion は、HDLコレステロール一定の増加、FBGとWCでは効果限定的

Orlistatは、 LDL、HDLの減少


どれも、cardiometabolic risk factor改善 認めず



ましてや、麻黄含有薬剤など・・・

2018年2月4日日曜日

インフルエンザと麻黄湯・・・

添付文書に記載されてない抗インフルエンザ薬の予防投与についてなんだかげっそりする


予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

この記載読んでない医者が多すぎる!

添付文書外処方し副作用もしくはそれが疑われる事態になったらどうするつもりなのだろう?公的救済を処方されたものはうけられない可能性があるのだが・・・



インフルエンザと診断した患者の中には、「家族の予防投薬分をくれ」という非合法的要求も経験した(もちろん、即、断ったのだが・・・)







また、この時期になると、インフルエンザ→麻黄湯という処方に・・・なんだかわだかまりを覚える

麻黄湯(Maoto)のトライアルは、ごく少数のトライアルしか報告無く、報告施設数も限定
A randomized, controlled trial comparing traditional herbal medicine and neuraminidase inhibitors in the treatment of seasonal influenza.
Nabeshima S1 et al.
J Infect Chemother. 2012 Aug;18(4):534-43. doi: 10.1007/s10156-012-0378-7. 


にもかかわらず、乱用に近い使われ方に遭遇する



麻黄含有漢方


麻黄配合量 エフェドリン類含量(mg/日) 合計
エフェドリン (g/1日量) エフェドリン プソイドエフェドリン
麻黄湯 5 17.3 6 23.3
葛根湯 4 16.4 5.7 22.1
小青竜湯 3 14.4 4.8 19.2

クラシエさんのサイト:http://www.kampoyubi.jp/effort/ephedra.html




ちなみに「ナイシトール」(2.5g中)
マオウ0.60g
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/ns_t/index.html

エフェドリン、プソイドエフェドリン記載は不明 






ところで、この記載はただしいのだろうか?
     ↓
中国原産の植物であるマオウ(麻黄)は、アメリカではサプリメントとして販売されている
 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/04.html






FDA Prohibits Sales of Dietary Supplements Containing Ephedra


FDAはエフェドラ含有サプリメント販売を禁止している



・・・と書いているのに、go.jpサイト、嘘が書かれている


2004年、サプリメント禁止大々的に報道されたはずなのに・・・



The Safety of Ephedra and Related Alkaloids
Cleveland Clinic Pharmacotherapy Update Volume VI, Number 2 | March/April 2003



米国内の関心が薄れたのか、これ以降の記載少ない



アスリートと亜鉛:

アスリートは血中亜鉛濃度は指摘濃度に達してない可能性あり
摂取量は一般住民より多いにも関わらず・・・




この解離は、アスリートにおいては亜鉛代謝は通常と異なる可能性がある
今後、アスリートへの推奨量を検討する必要がある



Lower Serum Zinc Concentration Despite Higher Dietary Zinc Intake in Athletes: A Systematic Review and Meta-analysis
Anna Chu
Sports Medicine
February 2018, Volume 48, Issue 2, pp 327–336
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40279-017-0818-8

12の研究のシステマティックレビュー

亜鉛血中濃度、アスリートで有意低下  [- 0.93 μmol/L, 95% confidence interval (CI) - 1.62 to - 0.23]
だが、食事による亜鉛摂取は一般住民より有意に多い (2.57 mg/day, 95% CI 0.97-4.16)

血中亜鉛濃度、尿中亜鉛はデータ不足で検討不十分

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note