2018年3月28日水曜日

前向き介入:運動による歯周疾患改善効果確認、食事介入では改善確認できず

日本からの報告

運動介入と食事介入で差を認めたのは興味深い。


Exercise habituation is effective for improvement of periodontal disease status: a prospective intervention study
Omori S, et al.
Therapeutics and Clinical Risk Management 2018:14 565–574
DOI https://doi.org/10.2147/TCRM.S153397
https://www.dovepress.com/exercise-habituation-is-effective-for-improvement-of-periodontal-disea-peer-reviewed-article-TCRM

12週間の前向き介入、71名の肥満男性

介入運動 and/or 食事介入

50名:運動介入
21名:食事介入

運動介入後
PPD(Probing pocket depth=歯周ポケット) 4mm以上歯数比率 14.4% → 5.6% p< 0.001
歯周出血(BOP : bleedin on probing)指数  39.8% → 14.4% p< 0.001
Tannerella forsythia と Treponema denticola コピー数 有意減少 p=0.001

T, denticolaのコピー数とPPD 4mm以上歯数比率は相関 p=0.003、BOD指数とも相関 p=0.010

また、T. denticolaと体重の正相関 p=0.008、LDLコレステロール正相関 p=0.049 空腹時インスリン p=0.041

しかし、食事介入群は優位に T. denticolaを減少(p=0.007)するも、歯周病関連細菌数とPPD、BOPの相関認めず

機序として、肝機能改善効果、免疫関与細胞活性化、樹状細胞などの活性化、腹部脂肪細胞減少による影響、レプチン局所性炎症性サイトカイン減少が議論されているようだ

原文フリーテキストあり

2018年3月24日土曜日

喘息:SMART療法を褒めまくるシステマティック・レビュー&メタアナリシス

同じような -2.8%の絶対リスク差なのに、こちらでは、その意義を強調する、Sobierajiら

参考:ICS治療未コントロール喘息:add-onとしてのLAMAの意義
有用性はあるが、絶対的価値に疑問を呈する筆者の意見を付記している報告


こちらの報告では
「SMART was associated with better clinical outcomes than conventional approaches in patients with persistent asthma.」
・・・と、ダブルスタンダード

若年者 -12.0%を強調する宣伝活動を展開するのだろう
高齢者では -2.8%だからな! > アストラゼネカの野郎ども!


"Association on inhaled corticosteroids and long-acting B-agonists as controller and quick relief therap wth exacerbations and symptom control in persistent asthma: a systematic review and meta-analysis"
Sobieraj DM, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.2769.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2675737

腹立つから訳さない(気が変わったら訳すつもり)


そもそも、シムビコートっては薬価無茶苦茶高すぎる

シムビコートタービュヘイラー60吸入 アストラゼネカ 2290801G2025 5877.7円/キット 処方箋医薬品
2×2吸入 1万2千円弱
2×4吸入 2万4千円弱

一方、「フルティフォーム」2×2吸入 1ヶ月分で 6千円強、「レルベア200」1×1吸入 も同様

2倍の薬価差の価値があるかどうか・・・よく考えるべき 
新しい薬価基準でシムビコート据え置き、他は安くなるそうだからこの差は開く


日本国内のコスト効果の解析が必要だ(断言)


さらに、SMARTという代物で、吸入回数莫大化することが多く、賦形剤を多く吸うことで嗄声や咽頭痛など局所副作用懸念される



Bio製剤でコストをやたらと強調しつづける喘息診療の指導者が、なぜかシムビコート一辺倒という・・・矛盾

ICS治療未コントロール喘息:add-onとしてのLAMAの意義

有用性はあるが、絶対的価値に疑問を呈する筆者の意見を付記している報告





ICS単独でコントロール不能での以下の比較

  • LAMA vs Placebo as Add-on Therapy to Inhaled Corticosteroids
  • LAMA vs Other Controllers as Add-on Therapy to Inhaled Corticosteroids
  • Triple Therapy vs Inhaled Corticosteroids and LABA


意義:長時間作用性ムスカリン拮抗剤(LAMA)は持続性喘息管理において吸入ステロイド(ICS)の重要なアジュバント付加治療薬剤
目的:システマティックレビュー・メタアナリシス;無コントロール、持続性喘息患者;
ICSへのadd-on治療としてLAMA vs プラシーボ vs 他コントローラ薬剤の関連する効果、ICS+長時間作用性βアゴニスト(LABA)にadd-on治療(triple therapy) vs ICS+LABAの比較

データソース  MEDLINE, EMBASE, Cochrane databases, and clinical trial registries (earliest date through November 28, 2017).

研究選択  Two reviewers selected randomized clinical trials or observational studies evaluating a LAMA vs placebo or vs another controller as an add-on therapy to inhaled corticosteroids or triple therapy vs inhaled corticosteroids and LABA in patients with uncontrolled, persistent asthma reporting on an outcome of interest.

データ抽出・作成 Meta-analyses using a random-effects model was conducted to calculate risk ratios (RRs), risk differences (RDs), and mean differences (MDs) with corresponding 95% CIs. Citation screening, data abstraction, risk assessment, and strength-of-evidence grading were completed by 2 independent reviewers.

主要アウトカム・測定項目 喘息急性増悪


1326記録、15RCT(N=7122名)
多くのトライアルは、ICS(吸入ステロイド)に、「LAMA追加 vs プラシーボ」 あるいは「LAMA 追加vs LABA追加」

ICSへの「LAMA追加 vs プラシーボ追加」比較では、前者のステロイド全身投与追加必要な急性増悪減少 (RR, 0.67 [95% CI, 0.48 to 0.92]; RD, −0.02 [95% CI, −0.04 to 0.00])

ICSへの「LABA追加 vs LAMA追加」比較では急性増悪リスク改善と有意な関連性ない (RR, 0.87 [95% CI, 0.53 to 1.42]; RD, 0.00 [95% CI, −0.02 to 0.02])、また他の対象アウトカムも同様

 トリプル治療は、対 「ICS+LABA」比較にて急性増悪リスク改善と有意関連性無し  (RR, 0.84 [95% CI, 0.57 to 1.22]; RD, −0.01 [95% CI, −0.08 to 0.07])

 結論としては、吸入ステロイド(ICS)にadd-on治療としてLAMAを使用することは、プラシーボ追加に比べ喘息急性増悪の絶対リスク減少をもたらすが、LABA追加より大幅に減少するとは言えない。また、トリプル治療は急性増悪リスク減少効果認めなかった


"Association of inhaled corticosteroids and long-acting muscarinic antagonists with asthma control in patients with uncontrolled, persistent asthma: a systematic review and meta-analysis"
Sobieraj DM, et al
JAMA 2018; DOI: 10.1001/jama.2018.2757.
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2675736

2018年3月23日金曜日

非アルコール性脂肪肝炎治療:FGN19人工的変異薬剤 第2相

かなり有望らしい非アルコール性脂肪肝炎治療薬



NGM282:ヒト・ホルモンFGF19の non-tumorigenic, engineered variant
www.ngmbio.com/pipeline/ngm282/





NGM282 for treatment of non-alcoholic steatohepatitis: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial
Prof Stephen A Harrison, et al.
The Lancet, Volume 391, No. 10126, p1174–1185, 24 March 2018
DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)30474-4


18-75歳、生検にてNASH診断確定例
糖尿病状態層別、皮下 NGM282 3mg or 6mg , placebo割り付け 1:1:1
プライマリエンドポイントは12週後の脂肪肝量の絶対値変化

オーストラリアとUSAで、82名ランダム割り付け NGM282 3mg (n=27) , NGM282 (n=28) , プラシーボ (n=27)
12週時点でのベースラインからの肝臓脂肪量 5%以上減少:3mg量 20 (74%)、 6mg量 22(79%)  (相対リスク 10.0 [95% CI 2.6–38.7] vs 11.4 [3.0–43.8],; 各々p< 0.001
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">

<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
<0 .0001="" 2="" both="" comparisons="" for="" nbsp="" p="" placebo="" versus="">
全体として、副作用1つ以上発生率は76(93%)で、多くは grade 1 1 (55 [67%])で、grade 3以上 (6%) で少ない。最頻副作用(10%以上)は注射部位反応(28 [34%])、下痢 27 [33%]、腹痛 (15 [18%])、吐気 (14 [17%])
NGM282群で副作用有意に増加



P値 0.05 → 0.005 へ

ピーチとどこぞかの航空会社が合併するとか・・・今回、それではないP値の話


これは下記Natureの解説となっている

The Proposal to Lower P Value Thresholds to .005
John P. A. Ioannidis, et al.
JAMA. Published online March 22, 2018. doi:10.1001/jama.2018.1536
すでに、ゲノミクスの話では、有意性閾値は 5×10-8が用いられており、0.05、0.01という常識は崩れつつある。 とはいうものの要約、フルテキストの96%は 0.05以下というP値を記載
P値といえば 0.05未満、時に 0.01未満とするがその問題点としての誤用、過剰信頼、誤解など指摘され続けている。ASA(American Statical Association)2016年ステートメントにおいて、最多の誤解は「仮説が真である確率」というもの。例えば、「帰無仮説が2%ほど真実であり、対立仮説が98%正しい」という表現。full reportと透明性が適切なレポートには要求されるが、P値はそれを保証するものでなく、逆に、P値小さければ選択性・非透明性の可能性の疑義を持たなければならない。P値は特異的な閾値を超えるかどうかで科学的、ビジネス的、政策決定を決めてしまうことがあることで、P値は結果の重要性、effect sizeを測定しているものではないことが重要
P値が少しだけ下回るような報告では誤謬である可能性あり 
P値閾値を 0.05から0.005へ移動することで、過去の生物学的文献の1/3ほどを示唆的というカテゴリーにシフトすることになり、雑に言えば「白黒」「有意・非有意」区分けには便利

総説的には、歓迎の方向と読み解いた


Redefine statistical significance
Daniel J. Benjamin, et al.
https://www.nature.com/articles/s41562-017-0189-z
We propose to change the default P-value threshold for statistical significance from 0.05 to 0.005 for claims of new discoveries.


ベイズ因子とP値の関係



P値閾値と偽陽性率





プライマリエンドポイントではないセカンダリエンドポイントでP値 0.05近傍の報告を後生大事にして、治療方針決定上のガイドラインを提示するお偉いさんのいる学会があるらしい(皮肉)

2018年3月22日木曜日

オピオイド使用は侵襲型肺炎球菌感染のリスク要素

オピオイド使用は、侵襲型肺炎球菌症リスク増加と関連し、IPDの新しく認識されたリスク要素と考えられる


以前の報告から、オピオイドの免疫系(Tリンパ、Bリンパ、NK細胞、単球、樹状細胞、炎症、顔面駅など)への影響示唆されており、その関連性が疑われている


Opioid Analgesic Use and Risk for Invasive Pneumococcal Diseases: A Nested Case–Control Study
Andrew D. Wiese, et al.
Ann. Int. Med. 20 MARCH 2018
Published: Ann Intern Med. 2018;168(6):396-404. 
DOI: 10.7326/M17-1907
http://annals.org/aim/article-abstract/2672601/opioid-analgesic-use-risk-invasive-pneumococcal-diseases-nested-case-control


5歳以上の侵襲型肺炎球菌感染症 1223 症例 vs 24,399名の診断日、年齢、居住地域補正

症例群では、対照群よりオッズ高い(補正オッズ比  [aOR], 1.62 [95% CI, 1.36 to 1.92])

強い相関は、長時間作用 (aOR, 1.87 [CI, 1.24 to 2.82])、強作用性(aOR, 1.72 [CI, 1.32 to 2.25])、高用量  (50 to 90 morphine milligram equivalents [MME]/d: aOR, 1.71 [CI, 1.22 to 2.39]; ≥90 MME/d: aOR, 1.75 [CI, 1.33 to 2.29]).


IPDスコア考慮、肺炎IPDと非肺炎IPDを別途分析しても同様


コーヒー摂取:動脈壁硬化への効果、身体機能への効果

Associations of Urinary Caffeine and Caffeine Metabolites With Arterial Stiffness in a Large Population-Based Study
Belen Ponte, et al.
Mayo Clinic Proceedings
DOI: https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2017.12.010

カフェインの動脈壁硬化:arterial stiffnessへの影響を、カフェイン尿とその代謝産物の尿中排泄と、脈圧と脈波伝播速度:pulse wave velocity (PWV)の相関性検討

対象: 3つのスイスの都市一般住民からランダム選択した家族: 2009年11月25日〜2013年4月4日
24時間持続モニタリングによる収縮期・拡張期血圧、頸動脈大腿動脈PWVをapplanatiuon tonometryにて測定、他24時間尿サンプル

結果:863名、平均 ± SD 47.1 ± 17.6歳、24時間脈圧 41.9±9.2 mm Hg、PWV 8.0±2.3 m/s

尿中カフェイン排泄最小 vs 最大4分位比較にて上腕動脈脈圧  43.5 (0.5) vs  40.5 (0.6) mm Hg (P < 0.001)

脈圧高値オッズ比 (95% CI)は、24時間尿中カフェイン排泄量 最小4分位 → 最大4分位で線形に減少 1.0 → 0.52 (0.31-0.89)→0.38 (0.22-0.65)→ 0.31 (0.18-0.55)   (P < 001)

平均(SE) PWVはカフェイン摂取最大4分位(最小4分位比較)で、有意に低下 (7.8 [0.1] vs 8.1 [0.1] m/s; P=.03)

同様関連性がパラキサンチンとテオフィリンで観察されるが、テオブロミンでは観察されない


結論:尿中カフェイン、パラキサンチン、テオフィリン排泄量は、動脈壁硬化指標減少と相関し、このことは、血圧降下効果を超える防御的硬化がカフェイン摂取に示唆された





コーヒー摂取は2型糖尿病リスク軽減、心血管疾患リスク軽減と関連する

コーヒー摂取が身体活動性と関連するのではないかと仮説
特に、高齢者の身体機能障害、frailty、disabilityへのリスク軽減への関連性を検証

高齢者において、機能障害リスク増加とは関連せず、女性高齢者に敏捷性、移動性、ADLへのベネフィットの可能性

Coffee consumption and risk of physical function impairment, frailty and disability in older adults
Marcos D. Machado-Fragua et al.
First Online: 16 March 2018
European Journal of Nutrition pp 1–13

60歳以上3289名 前向きコホート
Seniors-ENRICAコホート (2008-2010)
コーヒー摂取量と2015年までの身体機能、frailty、障害測定(自己報告と客観測定)

コーヒー 1日2カップ以上で
女性においては、agility(敏捷性)障害リスク減少 ハザード比 [HR] 0.71, 95% 信頼区間 [CI] , 0.61-0.97, p=0.04)
肥満女性では、HR 0.60; 95% CI, 0.40 - 0.90 p 0=0.04

女性では、mobility障害リスク減少 HR 0.66; 95% CI, 0.46 - 0.95 , p trend 0.02
高血圧者で 0.70, 95% CI, 0.48 - 1.00 , p trend 0.05


 糖尿病者ではさらにADL障害リスク低下 HR 0.30 , 95% CI, 0.11 - 0.76

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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note